第333回「離婚、精神科病院の入院を経て、人生をやり直すための大学という道」

実体験・人間考察コラム上原さくら,東海大学,38歳,大学,入学

もしも、人生をやり直せるとしたら、みなさんはどの時代に遡って、どんな道を歩みたいのでしょうか。


40歳を目前にして、「大学」という選択を選んだ女性がいました。

その方の名前は元タレントの上原さくらさん。

現在39歳の大学2年生です。

上原さくらという名前を聴いても、ピンとこないかもしれませんが、ひと昔はドラマやバラエティでよく見かける芸能人の一人でした。

メディアから姿を見せなくなったのは、2013年4月の3年前に離婚調停が成立した後からです。

2度目の結婚後からは、精神の不安定さから自殺未遂騒動も起こしていたようですが、離婚後は半年間ほど精神科病院の閉鎖病棟で入院生活を送っていたという波乱ぶりだったようです。

紆余曲折あって日常生活に戻った彼女が選んだのが、大学生活でした。

「周りに『何かやりたいことないの?』と言われていたのですが、よく考えると私は大学に行かなかったことを悔やんでいたんです。20年近く芸能の仕事をするなか、辞めたいと思うこともありました。でも大学に行かず高校でも遊んでばかりだったので自信がなく、他にできることが何もないと思い込んでしまっていた。それがずっとコンプレックスになっていたんです。あの後悔を成仏させたい。そう思い、大学進学を決意しました」

上原さくら 38歳からの大学進学「始めるのに年齢は関係ない」より

 

 

退院後も、人目を避けながら自宅に引きこもる生活が半年以上続いていたようですが、転機はデビュー当時からずっと支えてくれた友人の死だったようです。

それまでは、「もう死んでも構わない」「私の人生なんてどうでもいい」と諦めの境地だったようですが、大切に思っていた身近な人間の死を目の当たりして、生きることへの意識が俄然強くなったようです。

彼女は思い立ったが吉日のようにすぐに家庭教師をつけて、志望校に特化した過去問中心勉強法を3か月ほど継続しました。

実際には20年ぶりの受験勉強は一筋縄ではいかないようで、教科書を前にして3時間何もしないこともあったようです。

それでも、自分に打ち克った彼女は念願の大学合格を達成したのです。


2015年から生まれ育った神奈川県の東海大学英語文化コミュニケーション学科に通っているようです。

38歳から始まった大学生活のリアル事情についてインタビューの中に以下のように語っています。

「学校生活は自分で言うのも何ですが、違和感なく溶け込めたんです。世代が違い過ぎて、ピンとくる学生がいなかったみたいですね。友だちもすぐできました。若い子って、すぐにLINEで連絡先を交換するんですよ。びっくりしました(笑)。毎朝お弁当を作って、お昼になったらみんなで食べて、18時ごろまで授業を受ける。終わったらカラオケに行ったり、買い物に行ったりもする。そんな何気ない生活がすごく楽しいですね」

上原さくら 38歳からの大学進学「始めるのに年齢は関係ない」より

 

周りのほとんどが19歳から20歳の若者に対して、一回り以上離れた38歳という年齢のギャップを引け目を感じるどころか、異文化コミュニケーションのように学びを楽しんでいる様子がうかがえます。

 

「英米文学を原文で読んだり、コミュニケーション学や社会心理学を学びたくて英文科を専攻しましたが、どの講義も楽しくていろいろ受けています。お陰で“エリート”って言われるようになりました(笑)。昨年は大学の英語スピーチコンテストにも出場。大学に入ってただ楽しいだけでなく、何か残したいと思ったんです。テーマは『Age Means Nothing!』。私は38歳で大学に入りました。最初は無理かと思いましたが、やってみたら意外とできた。だから何かをやるのに年齢は関係ない。そんな思いを込めてスピーチしました」

上原さくら 38歳からの大学進学「始めるのに年齢は関係ない」より


決して他人に話せないような逆境の数々を乗り越えてきた彼女だからこそ体験できる大学生活なのでしょう。


今の自分だからこそ選べる道がある。
今の自分だからこそ活かせる場所がある。
今の自分だからこそ出逢える人がいる。


あとは内なる声に耳を傾けて、一歩踏み出す勇気があれば大丈夫。

人生をやり直すためのきっかけは案外身近に存在しているのかもしれません。

 

参照リンク

上原さくらの1回目の結婚から、自殺未遂までの原因と、とんでもない真実

2回の離婚をした上原さくら。現在は何を?上原さくらの離婚まとめ

Posted by TAKA