第332回「恋愛なんて出来なくても大丈夫なもんだよ」
人生は恋愛が全てではないし、恋愛しなくてもどうってことない。
むしろ恋愛なんかよりもっと意義があって素晴らしいことはたくさんあるのです。
もしも長い間恋人がいなかったり、失恋直後に私が第一声としてそのような言葉をかけたとしたら、恐らくこのように感じるのではないでしょうか。
上から目線のお前に気持ちがわかるか!!
わからずや!!
恋愛をテーマにかれこれ10年以上もコラムを続けている私の口から「恋愛が全てではない」という言葉が出ることほど、矛盾していることはないのかもしれません。
ですが、十人十色の恋愛の形をそれだけ長い間探求しているからこそ、最近になってそう思えるようになってきています。
恋愛は素晴らしい、何より恋愛ほど人として厚みが増して、成長できる恩恵はないという考えは変わりません。
ですが、それは「良いご縁」という前提です。
その反対に、不幸な恋愛のスパイラルにはまって、抜け出せずに地を這うような地獄の苦しみを味わっている男女の生き様もそれ以上に多いのです。
世間でブームのように話題になっていた不倫や浮気の代償というものは計り知れません。
傍から見ると、「そんな恋愛ならドロップアウトして、独り身になった方がよほど充実した生活を過ごせるのに」と思いますが、当事者はそんな悠長に構えずに、引きずり続けてしまうことになるのです。
私の知っている中には、ご主人が浮気を繰り返していたこを見て見ぬふりが出来ずに問い詰めた結果、離婚することになり、その後精神疾患の一つである統合失調症を発症して、家庭も仕事も失ってしまい、変わり果ててしまった日々を過ごされているという女性も存在します。
今でも浮気をされたことの幻覚と妄想と戦う日々を過ごしながら、実家に引きこもっている生活を過ごしています。
これは一例に過ぎませんが、恋愛に過度な期待と幻想を抱いていると、そのギャップから精神的ダメージを引きずったり、自分を見失って、周りの評価に振り回されてしまう生き方を進むことになってしまう末路は誰にでも当てはまる話です。
例えば、このような経験はないでしょうか。
恋人がいない人間は人として欠陥がある。
振られてばかりの自分はもう幸せになる資格はない。
気になる人にLINE無視、誘っても相手にされないからどれだけ魅力がないかを思い知らせられている。
もしかしたら誰かに言われた一言が要因かもしれませんし、実際に意中の相手と面と向かった末にそう痛感しているのかもしれません。
あるいは、周囲の恋愛満喫組と比較した結果そう感じているのかもしれません。
このように、「恋愛出来ない自分は価値がない」という方程式を潜在意識に刷り込み始めると、いとも簡単に不幸な恋愛体質が生まれてしまいます。
呪縛のようにその思い込みの世界から抜け出せなくなり、いつしか次のような言葉が口癖になってしまいます。
どうせ、自分なんか・・・・・・
気が付けば新しい恋愛の縁をつかめないどころか、仕事や学校・家庭生活にも支障が生じてきます。
恋愛がうまくいかない自分=落伍者という思い込みが全てに悪影響を及ぼしてしまうのです。
私が冒頭にあげたように、「恋愛をしなくてもどうってことない」と言える背景には、このように恋愛出来ない自分は価値がないという思い込みによってわざと不幸になっている男女が増えているからこそ強調しているという理由があるのです。
世の中自分の意思とはお構いなしに、世間の評判やマスコミの影響で先入観や固定観念を植え付けられているというのは、恋愛だけではありません。
例えば、職一つを取ってみても、正社員になれない人間は負け組、特に男性は非正規職員で恋愛や結婚を出来るような資格がないという風潮が未だにあります。
世の中はどんどん正社員が縮小している中、非正規職員が珍しくなくなっているのにもかかわらず、採用形態だけを見て、失格の烙印を押されてしまうという社会はどれだけ歪んでいるのかと感じずにはいられません。
正社員になりたくてもなれずに非正規雇用で働いている方もいれば、自分が選んだ職業が非正規雇用しかなかったり、仕事とプライベートのバランスを整えるために、敢えて非正規職員を選んでいる方もいるわけです。
そして今日の日本では、非正規職員の力がなければ成り立たないと言っても過言ではないくらいです。
正社員になること自体が難しいのは事実ですが、中には即採用でボロボロに使われて心身を病んで退職することになるブラック企業や、名ばかりの正社員のように、フルタイムで年収が200万以下、退職金・賞与なしという求人も当たり前のように相当数存在します。
「正社員になれないと社会人としての価値がないし、結婚などもっての他」という誰かが創り出した価値観に振り回されて取捨選択し続けていると、いつかこう思う瞬間が訪れるでしょう。
自分の人生はこれで良いのだろうか・・・・・・
恋愛も、仕事も、「自分」が主人公で「自分」が好きだから「自分」で選ぶという基準を持たないと、不幸な末路を辿ってしまうリスクがあるでしょう。
最後に、「恋愛は素晴らしい、どんどん恋をしよう」という恋愛ソングは世の常ですが、最近知ったあるユニットが出した曲の中で、敢えて「恋愛はしなくてもよい」という逆説的な歌詞を書いたコンビを紹介します。
2013年突如日本国内で「マネキン人形二人が街中を歩いている」という現象の目撃情報が上げられるようになりました。
その正体は、世界が注目するマネキン・ダンス&ラップ・女性デュオFEMM(フェム)です。
今日では、日本よりも世界が注目しています。
そのFEMMがリリースした楽曲の中でも人気がある「Fxxk Boyz Get Money」という曲は、「恋愛は必要ない」というような意味合いを持つ内容になっています。
FEMMにはサポートをするエージェントがついており、RiRiの担当はHoney-Bさん(以下B)、LuLaの担当はW-Troubleさん(以下W)がインタビューに答えています。
W「FEMMの楽曲で一番人気がある「Fxxk Boyz Get Money」は”彼なんていなくても全然問題ないわ“という歌詞なのですが、決して恋愛をないがしろにしている訳ではありません。彼氏がいなかったらダメなのではなく、自分らしく楽しく生きることが大切よ、とモチベーションを上げる歌です。大切なのは幸福であることなので、“恋愛がなくてもいいじゃない?女の子同士でも楽しいよ!”と言いたいのです」
W「メディアが結婚適齢期や女性の恋愛について発信すると、影響を受けて振り回される女性も多いような気がします。でも年齢に縛られずに人生を楽しむことが輝くことに繋がると思います。心がときめくことがひとつでもあれば、それを大切にして頂きたいです」
B「疲れているときはリラックスすることが大切ですよね。焦らないでほしいです。そんな風に年齢に縛られたり、思い悩んだりしているときこそ、FEMMが元気にしてあげたいです」
世界が注目するマネキン・ダンス&ラップ・デュオFEMM(フェム)は新時代のファッショニスタより引用
恋愛が人生の全てではない。
焦らず急がず自分のペースで幸せを掴んで行きましょうという訴えは現代人とっては一筋の希望であるに違いありませんよね。
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