第361回「諦めたらそこで恋愛開始ですよになる理由とは」
「何かを得るためには何かを捨て(失わ)なければいけない」
という言葉がありますが、こと恋愛に置き換えると一筋縄ではいかなくなるものですよね。
もう少し頑張れば振り向いてくれるかもしれないという片思いや復活愛だけではなくて、ここで縁を手放したらこの先新しい恋愛をつかむことは二度とできないかもしれないという焦りと不安から、ずるずると現状維持を続けてしまうものです。
けれども、今の状態をキープし続けても、一向に二人の関係性に希望の兆しが見えてくる気配がない。
頭では「このままではいけない」と分かっていても、失うことを恐れるあまり、更にもがいて行動を起こすほど関係がこじれていく悪循環を痛感してはいないでしょうか。
そういう状態の時は、「諦めなければ叶う」という思いと「諦めたら楽になれる」という相反する思いが交錯して苦しくなっているのですよね。
私のもとにも、諦めたいのに諦められない辛さに打ちひしがれている方の声がこだましています。
諦めることのメリットよりも、諦めないことで得られるものの方が大きいと脳が判断しているからこそ、みすみすチャンスを逃すような選択は進めなくなっているのかもしれません。
でも、「諦めたらそこで試合終了ですよ」という某コミックの名言がありますが、恋愛に関しては、「諦めたらそこで恋愛開始ですよ」という現象が多く生じます。
「そんなはずがない。周りで恋愛が成就している人間を見渡しても、すべからく諦めなかったからこそ上手くいっているのだから」と反論したくなる方もいらっしゃるでしょう。
確かに、「付き合っている」とか「結婚している」という状態だけに注目すればそのように感じるのも至極当然でしょう。
しかしながら、そのような関係性を構築している彼や彼女達こそ、まさに今の関係を得るために捨てたものや犠牲にしてきたものがあったはずです。
人知れず流した涙や失った物や時間は、表面的には測り知れないものです。
では、諦めた瞬間に恋愛が始まるとはどういうことなのか具体例を挙げます。
私の知人の27歳の女性は、社会人になってから全くと言って恋愛に縁がなかったようですし、「自分の性格からしても結婚には向かないと思う」と達観するほど恋愛は諦めていました。
しかし、その発言の半年後にスピード入籍を果たしました。
一体どうやったらそのような劇的な展開が起きるのか尋ねてみたところ、お相手とは恋愛目的の出逢いの場ではなくて、転職先で知り合った先輩から好意を抱かれて告白されたことが発端でした。
「ま、人柄もよさそうだし付き合ってみるか」というノリでスタートしたら、彼女もその気になってあっという間にゴールインしたようです。
今では毎日旦那のために料理を作るのを楽しみにしています。
彼女は元々自分には女性としての魅力がないと悟っていたようですが、だからと言って自分の人生や運命を悲観してはいませんでした。
実際、彼女のことを好いていた年下の男性も複数いたくらいです(みな高嶺の花だと諦めていたようです)。
彼女は目の前の生活(転職先)に没頭していたからこそ、彼女の良さがお相手の目に留まったのだと感じました。
これは最近私の周りに起きた一例ですが、稀有なエピソードではなくて、これまでずっと恋愛に苦しんでいたものの「諦めたら苦しみから解放された」という相談者さまの実体験を何度も耳にしてきました。
話を聴いていて気づかされたのは、諦める=相手への執着を手放す(消化させる)という選択であるということです。
どういうカラクリか解明しようとすると、スピリチュアルの考えにたどり着きましたが、執着から離れると、潜在意識が動き出し、初めて心がフラット(平穏)になるからこそ、願いが叶うという仕組みのようです。
確かに、「諦めたくない!」と意固地になって一人の異性に執着している間は、その執念が相手にも敏感に響いてしまい、ますます離れるようになるという体験は、私自身も何度も経験しているのでイメージしやすかったです。
「諦めたらそこで試合終了にはならなくて、事態が好転するかもしれない」と信じられるようになれれば、新しい一歩を踏み出せています。
時間はかかるかもしれませんが、あなたさまが執着を捨てても、「人生はやり直せる!」と少しずつ気持ちが切り替わるようになれるように、私はこれからも今回のような内容のコラムやカウンセリングでヒントを発信し続けてまいります。
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投稿者プロフィール
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恋愛がうまく行かずに、明日を見失っている方に向けてのコラムを20年間発信してまいりました。メールと通話を使った直接対話サービスも10年以上続けております。累計の相談実績は約5000件。
マイナビニュースでも拙コラムの一部を掲載しております。
筆者自身が20代から30代前半まで10回連続片思い失恋を経験したこともあります。
男女の心理が分からない、片思い止まりでどこからどう変われば良いのかさまよわれている方に向けて、拙コラムがお役に立てれば幸いです。
関連取得資格
公認心理師
精神保健福祉士
国家資格キャリアコンサルタント
伴走型支援士
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定II種III種
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コメント一覧
結婚を3週間後に控えていた彼女と自分のせいで、別れる事になった。
別れる事、結婚が破談になるなんて事を考えていなかった。
それまで、本当に彼女を大切にしてたし、仕事が辛くても、彼女の為に頑張ってるなんて思ってた。
それが、結婚式の間近になって、プツンと切れてしまった。
今思えば、追い詰められたのかなと思う。
結婚式の事で身内と意見が対立したり、仕事で辛い思いをしたり、結婚のプレッシャーを一人で抱えてしまってた。
彼女にちゃんと相談する事もできず、しんどいのに平気を装ってた。
彼女は子供っぽいところがあり、俺が支えていかないとって思ってた。
彼女の相手ができるのは自分しかいないとも思ってた。
だけど、違った。
俺が弱い人間だと分かり、仕事も失ってしまい、そんな状況で彼女はちゃんと二人で話をする事もなく、去って行った。
周りのガードも厚く、彼女の家族も手の平を返したように彼女と俺を引き離した。
彼女は俺の事を信じてくれていると思ってたし、そう願っていた。
彼女が30歳になる前に結婚がしたいという希望を叶えてあげたかった。
それを叶える為に頑張ってきた俺を簡単に見捨てていったなという気分になってしまう。
大切な人を失い、仕事も失い、これから先の事も不安でたまらない。
彼女が支えてくれたら、どれだけ頑張れるかとも考えてしまう。
だけど、俺の人生は俺がどうにかしないといけないんだと考え始めた。
その為に、今までの俺の中で一番だった彼女の事を諦める必要があると思う。
彼女の気持ちは分からないけど、多分、彼女も苦しんでるんだと思う。
彼女自身のこれからの未来に不安を持っていると思う。
だから、これ以上、彼女を想い続けるのは彼女をもっと苦しめる事になると思う。
自分の全てをかけてきた彼女には幸せになって欲しい。
だから、俺は彼女の事を諦めます。
三週間後はきついですね。
わかります。風が吹けば桶屋が儲かるじゃありませんが、あれだけ信頼していたと思っても、その時の状況や、自分と相手の気持ちによっても、少しの行き違いから悲惨な結果になること、ありますよね。
自分も、自分にとっては何気ない言動から気持ちのすれ違いを引き起こし、あれだけ好き合って信頼していたと思っていた相手から別れを告げられました。もう半年以上経っていまだに復縁したい気持ちがありますが、現実的にはもう難しいこと、段々理解しつつあります。