第46回 「 メールで愛を育む事が出来るのか-相談者様との筆談と実体験から-」

2015年12月3日実体験・人間考察コラム


いつからだろう。
私たちがネットやスマホから離れられない時代になったのは。


彼からメールが返ってこなくてとても不安。
どんなメールを送れば彼が振り向いてくれるのか。
いつも自分からメールを送ってばかり。反応が悪いので、諦めたほうが良いのか。
相手が興味を持ってくれるようなメールの話題はないか。
メールで駆け引きを行うために良い方法はないか。
メールで誘ってもいつも相手はのってくれない。
こちらからメールを送っても、返信がそっけないメールで悲しくなる。
 
過去10年に渡って、メールのやり取りの中で生じる男女間のトラブル(悩み問題)を目の当たりにしてきました。

前述したような「メールを用いて相手の心を開こうとする方法」に関する相談に対して、下記の3点を中心に回答しています。

1.もしも相手のことがそれでも好きならば、メールで気持ちを伝えるのは即刻やめること。
2.最低でも電話、出来れば直接相手と顔を合わせてコミュニケーションを進めること。
3.メールで心の距離を縮めようと努力してもいつか必ず限界が訪れる。

“円滑なコミュニケーションを目的としたメールの使用"は避けるよう一貫して伝え続けています。

相手との仲を進展させるために練りに練って送ったメールのはずなのに、返事がない不安から解放されたい衝動に支配されるものです。

それに加え、相手のメールに絵文字や顔文字、ちょっと表現の多寡で一喜一憂してしまうのは共通している特徴です。


私がメールでのアプローチをお勧めしたくない最大の理由として、メールが引き金となり決定的な別れとなった苦い体験が大きく影響しております。

これまでメールが発端となって関係にピリオドを打ってしまった経験が4回ほどありました。

1度目は、高校3年生の夏、一ヶ月の間だけでしたが、私が初めて付き合った一つ年下の女性との出来事です。

最後の別れを、お互いメールで終わらせました。

直接顔を合わせることなく「さようなら」のたった数行だけで二人の関係に終止符を打ったのです。

彼女とは、その後一度たりとも連絡を交わしていません。

2度目は、高校3年の秋、関東の某大学の学校説明会で出逢った女性との体験です。

彼女は東北出身の遠距離で、しかも当時付き合っていた彼氏がいたために、コミュニケーションの中心はメールに限られていました。

最初のうちは、些細なことでもメールを交わせるだけで楽しかったのですが、見えない恋人への嫉妬、先の見えない不安、彼氏がいるのにもかかわらず、うメールを送ってくれる相手への猜疑心(今考えると自分勝手ですが)、手ごたえのなさから、耐えきれなくなって、自分から「さようなら」を切り出しました。

皮肉にも徹頭徹尾メールで繋がれた儚い恋でした。

3度目は、第33~37回に公開した「本気で死を選んだその先には-片思いから壊れていく心」に登場した彼女です。

電話による私の告白に対して、数日後にメールで「ごめんなさい」を言われたことで、一気に裏切られような衝動に駆られ、報復としてこちら側からもメールで相手の気に入らなかった部分を並べた上で、「さようなら」宣告しました。

送った後に、冷静さが徐々に取り戻されて行くにつれて、とんでもない過ちを犯してしまった事の重大さに気づき、メールで前言撤回を求め、縁切れにはならずに済みました。

4度目は、年下の彼女です。

ある日を境に急激に連絡が来なくなったので、不審に思い、相手の本心を探るべく、長文メールを送ったのが決め手となり、「さようなら」メールが届きました。

別れの理由は私にも非があり、「少し前から気持ちが冷めていた」との言い分でしたが、おそらく私の打った重々しいメールを見て、火に油を注いでしまう形となり、「もうこの人とは完全にこれ以上は無理だ」と、見切りをつけたのだと思います。

遅かれ早かれ別れと迎える事は予想出来ましたが、皮肉にもメールで相手の本音を探ろうとした結果、策士策に溺れるような後味の悪い結末になってしまったのです。

その後なんとか電話で最後の意思確認を取ることに成功しましたが、覆水盆に返らずでした。

以上、私自身のメールが決定打となり、好きになった女性との縁が切れてしまった(しまいそうになった)体験を数パターン載せましたが、自業自得とは言え、人と人の繋がりがたった一通のメールで途絶えてしまうほど虚しくて心に引きずるものはありませんでした。

あれだけ共に笑って、楽しい話題を交わしてきた関係も、メールでいともたやすく崩れ落ちてしまうのです。

目の前に大切なあの人がいないのに、文字のみで離別する事が出来てしまうのです。

メールではじまりメールに終わり、笑顔ではじまりメールで終わり、ぬくもりではじまりメールで終わり、スタート時点は"希望"で始まっても、メールが終点に行き着くならば、心が行き場を失ったまま闇を漂う結果になるのです。

別れの描写にスポットを与えてしまいましたが、私が皆様にメールによるアプローチを極力否定しているのは、

 「メールで相手との愛は築けない」
 「メールに頼りすぎると、本当の自分を見失ってしまい、いつか大切な人間を自分のその手から離してしまうかもしれない」

 「メールによって我を忘れてしまっては墓穴を掘る結果となり得るかもしれない」

という警告メッセージと、アンチテーゼを込めているからなのです。

たとえ不器用でも、言いたいことは面と向かって相手に伝えられた方が、後にも先にもわだかまりが残ったりする可能性は少ないと思います。

極論を言えば、メールのみでしか関係を維持できない間柄なのだとしたら、恋愛関係に進展させられる可能性は低いでしょう。

現代の人間関係において、利便性に富んだメールやLINEは欠かせないツールに違ですが、メールに依存することなく、面と向かって話すことの勇気のを忘れないで欲しいのです。

2015年12月3日

Posted by TAKA