第351回「不倫・浮気経験者=勝ち組、相手無し=負け組」という価値観に支配されていたら。

上手くいかない恋愛関係是非, 浮気, 不倫


TAKA氏〜、俺みたいに恋人も女友達もいなくて、仕事と会社の往復で人生を浪費しているような男は惨めで仕方がないよ。


新年早々、友人の祐樹君はこう嘆きました。

学生時代から気になる異性に相手にされずにこっぴどくあしらわれてきた祐樹君。

2016年までの片思い敗北歴は、連続10人を超えていました。


祐樹君がこのような嘆き節を叫んでいたのは今回が初めてではありません。

2016年に流行語大賞トップ10に選出された「ゲス不倫」。

昨年を振り返ると、浮気・不倫ブームというくらい有名人の色恋沙汰が話題に取り上げられていました。

祐樹君がマスメディアの影響を受けていたというのも一理ありますが、彼が働いている職場環境で不倫を堪能している同僚の存在にも触発されているようでした。

いつも一緒に仕事をしている職場の同僚同士が長い間不倫関係であると言うのです。

正職員で係長の立場にある男性と、契約社員で入社した年下の女性は上司と部下という関係以上になるのに時間はかからなかったようです。

それぞれ家庭を持ち、小学生のお子さんにも恵まれているそうです。

不倫関係の事実については、直接本人達から聴いたのではなくて、年配女性社員達の間で話題のネタに上がっているところ、祐樹君の耳に入ってきたそうです。

女性社員は二人の異変を機敏にキャッチしていて、「怪しい」という第六感から、女性側にそれとなく探りを入れたところ、恥ずかしそうに白状したというのです。

テレビの中の手の届かない世界の話だけではなくて、身近な人間が表と裏の顔を使い分けて情事を楽しんでいる。

長い間祐樹君は激しく嫉妬の感情に支配されていました。

結婚という未知の世界に思いを馳せることしか出来なかった祐樹君と、家庭を持ちながら他の異性とも同時並行しながら充実した人生を満喫している同僚の存在。

雲の上の存在のようなタレント女性を取っ替え引っ替え楽しんでいる芸能人の生き様を知る度に、自分が惨めに思えて仕方がなかったようです。

一人の異性とカップリングすることも叶わない祐樹君の口癖はいつからか、

自分は負け組だ。

という言葉になっていました。

対して、「不倫や浮気を楽しんでいる有名人や同僚は勝ち組だ」と悔しさを滲ませた語気でぼやいていました。

片思い以上に進展しない人間にとって、複数の異性と関係を築けることに対して羨望の眼差しを持ってしまうのも自然な感情です。

世の中を見渡すと、モテる人間にはたくさんの異性が寄ってきて、恋愛に不自由ない生活をしているように見えますし、モテない人間は異性を選ぶ権利はなくて、いつも諦めなけれなならないような無情な現実を繰り返すような傾向があるのは事実です。


けれども、「今」だけを見ると勝ち組のように思えても、「未来」を見据えると負け組とは安易にラベリング出来ないのが人生です。

実際に、ゴシップを騒がせていた有名人の不倫ストーリーの末路を辿ってみれば、お互いがハッピーになれたという顛末は十中八九ありません。

祐樹君も頭では分かっているようです。

自分達以外の誰かが傷つき、不幸になってしまうリスクを負ってまで不倫や浮気を経験してみたくはないということを。

願望はあっても、たった一人の異性と幸せな人生を築き上げることが本望であることを。

ただ、自分の恋愛が上手くいかない積年の無念さやつらみを当てこすりしている自分に気づいているようでした。

人生先のことは分からないものです。

今までが損をしているような人生も、ある日何を境に逆転するかもわかりませんし、物事は表裏一体なので、上手く行っていないような人生も、見方を変えれば世の中の誰かに羨ましがられるような幸福な人生を過ごしていると言える場合もあります。

祐樹君は、「2017年こそは最愛のパートナーに巡り会えるように一歩踏み出したい」と、新年の抱負を表明していました。

今までの片思い経験は全て無駄ではなかった。

そう心の底から思える運命のパートナーと巡り会えた報告を祐樹君の口から聴ける日が訪れることを願って、このコラムを終わりにしたいと思います。

Posted by TAKA