第110回「口は災いのもと。あの時、あんなことを言わなければ良かったと後悔したら」
あの時あんなことを言わなければ良かった。
大切な相手を責めてしまった時、
恋人とケンカして思わず相手が最も傷つくような言葉を放ってしまった時、
こんなにも想っているのに、素っ気なくされた時、
自分の思い通りに事が運ばない時に、ついカッとなって相手に致命傷を与えるような発言をぶつけてしまった。
直後に残っているのは、後悔と自責の念です。
悩みを寄せてくださっている相談者様の中でも、このように大切な人間に対して取り返しがつかないことを言ってしまったと、悔やんでいる方が目立ちます。
別れたいなんて思ってもないのに、相手の無神経さに腹が立って、つい縁切り宣告をしてしまった。
自分でも心をコントロールができずに、暴走してしまったんです。
後になって、冷静になって猛省するのは、人は追い詰められた時に我を失って、自分を正当化するために、とんでもない行動を起こしてしまうからなのでしょう。
民法の話を例に使います。
契約や売買などの法律行為を行う際に、泥酔状態の人間の場合は、意思能力を持たない無能力者として、無効となります。
酔っぱらっていては、正常な判断思考を失っていて、法律行為を行うのに支障をきたすからという理由です。
これは、大切なあの人との関係においても共通しています。
振られた直後や喧嘩をしている最中には、脳が錯乱していて、正しい判断を出来なくなっています。
大好きな人に他に好きな異性がいることが分かって、焦りから告白してしまう衝動にも当てはまります。
焦燥感から行動を起こしたとして、自分の望むように叶った事例を耳にしたことはありません。
急いては事を仕損じます。
もしもみなさんが大切な人とギクシャクしていて、何かの拍子に爆発してしまいそうな場面に遭遇したら、どうか一歩踏みとどまってください。
そこで一歩引いてみることで、後々になって良好な関係が築けるチャンスにつながるかもしれませんから。
引くのが勝ちということもあるのです。
既にあの人に向けて言い放ってしまったことに、後悔しているのならば、思い切って自分から謝ってみてください。
時既に遅しかどうかは、行動を起こしてみないと分かりません。
自分からプライドを捨てて誠意を見せてくれば、相手も素直に受け入れてくれるかもしれません。
あなたを心から必要としていればきっと。
やる前から勝手に判断して諦めてしまったら、損です。
この場合は早ければ早いほど関係を回復できる可能性が高まると思います。
言うは一時の恥ですが、言わないことで一生の悔いに苦しんでいる人間を多数見てきました。
「覆水盆に返らず」
か、
「雨降って地固まる」
になるかは、相手との縁にかかっています。
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