第100回「抑えきれない感情を踏みとどめて、“待って”みよう」
行動を起こすことで、未来が切り開けるので、ぜひ新しい一歩を踏み出してみてください。
「気持ちを伝えて傷つくのが怖い」
「相手に嫌われてしまうのではないか」
と悩み続けてきた相談者様に対して、私はいつもこの言葉を贈ってきました。
しかしながら反対に、“アクションを起こさない方が、上手くいくのではないか”と感じる場面もありました。
“今は行動を起こさずに、待つことを選択された方が、少なくとも関係が悪化することはないのではないか”と、私が判断するケースです。
それは、次のような場合です。
・メールを送ったのに、なかなか返ってこなから「どうして返してくれないの?」という催促を送る。LINEの既読無視から2日以上が経ったために、次のメッセージを送る。
・告白の返事待ちの状態で、まだ3日くらいしか経っていないのに、「それで、答えはどうなの?」と、急かす。
・相手が自分から離れていってしまうのではないかという不安感を抑えきれなくなって、感情をぶつける。
・相手と口論になったり、喧嘩した時に、「もういい、お前とはやっていけない」といった致命的な一発を与える。
・別れを突き付けられた時に、「可愛さ余って憎さ百倍」の衝動から、相手に溜まった怒り、つらみを浴びせる。
共通しているのが、相手の取った態度によって、不安で最悪の想像ばかりが膨らんで、混乱したまま気持ちをぶつけてしまうパターンです。
そうして衝動的な行動を起こしたことで、「口が災いのもと」になってしまうわけです。
“地雷を踏む”と言うような例えがありますが、冷静さを失った時に発してしまった言葉によって、信頼関係にヒビが生じてしまい、取り返しがつかなくなってしまう場面を何度も見てきました。
私もやらかしてしまった苦い経験があります。
そういう不安定なタイミングでこそ、あえて“待って”ほしいのです。
待つということは簡単そうに見えて、そのような状況での精神では、なかなか実行に移しにくいものです。
究極の場面で昂ぶる感情をコントロールする。
そんな難しい選択を実行できた先には、相手も見直してくれて、うまくいくケースも多いものです。
最後に、相談者様から“待った”ことで、関係が改善した体験談を紹介して終わりにします。
私と彼は付き合って一ヶ月目ですが、彼はいつも急がしい人で、私がメールを送っても返信が遅いのが日常茶飯事でした。
彼が私のことを想ってくれているのかが不安で、孤独感に苛まれながら毎日を過ごしていました。
ある時、我慢に限界がきて、
「私の気持ちを分かってくれているの?私のことどう想っているの?」
と、投げかけたところ、
「自分も急がしくて相手にしてあげられなくて、ごめん。もう少し経ったら仕事も落ち着くからそれまで待って欲しい」
と言われたので、不満を抱えつつも、自分の気持ちを伝えたことだし、彼を追い詰めないために、待つことにしました。
一人の時間はよからぬ想像をしてしまって、辛かったですが、忍耐を重ねた効果はありました。
1週間後には、彼の言っていた通りに、向こうから連絡してくるようになり、デートのお誘いもしてくれて、私のことを真剣に考えてくれるようになりました。
もしもあの時に、
「何よ!私の気持ちも知らないで!私だって毎日急がしいのに時間を作って連絡してるのに、自分勝手すぎるよ!もうやっていけない」
なんて、一方的な感情をぶつけていたら、関係は終わっていたのかもしれません。
彼は本当に余裕がない時期だったのですね。相手を信じて待つことって、上手くいかない時こそ大切なのだと強く実感しました。
好きだからこそ期待して、「こうして欲しい」欲求が強くなるものですが、他人の心は自分の思い通りにはいかないものです。
彼女からは、相手の事情をくみとって、信じて待ってあげることで築ける信頼関係の大切さを教えてもらえます。
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