第279回「恋愛マニュアルや心理学を学んでも恋愛が上手くいかない要因は」
中国の孫子の兵法で、
彼を知り己を知れば百戦殆うからず
という有名なことわざが存在します。
敵についても、自分についても、情勢や特徴をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはないという意味です。
私が3年半運営している「社会福祉士国家試験「今年こそは絶対合格計画」」の中でも、
約35日間で本試験に一発合格できた私の実体験をもとに、最短合格のポイントを幾度となく紹介しています。
自分に合ったテキスト・問題集を定めて、試験の特徴に合った戦略を立てて継続すること。
そのために、過去問の有用性と活用法を何度も説き続けています。
おかげ様で、これまで何百名もの合格者の喜びの声を耳にすることが出来ましたが、
先人は共通して自分に合った勉強法を導き出して、信じて行動を起こしたことで合格を掴み取ったのです。
そして、「絶対に自分は受かるんだ!」という強い信念を持ち続けた人間が具現化しているのです。
恋愛においても、この孫子の教えは該当するものがあります。
彼を知ること=好きになった相手の人柄や、男心・女心を多角的に理解していれば、
両者の関係も良好になるし、告白の失敗率が下がるという傾向があります。
実際に、世の中では心理学をもとにした恋愛攻略本や、テクニック教材がかなりの数溢れかえっています。
相手の心を揺さぶるようなLINEやメールの文面や駆け引きについて具体的な活用例が載っていて、
恋愛のモチベーションを上げるのに後押ししてくれるでしょう。
ところが、こういうマニュアルや教材をフル活用しても恋愛が上手くいかなくて、苦しんでいる方も少なくはないのです。
ただでさえ自力で努力しても手応えがないから、藁にもすがる思いで散財したのに、
空回りしてしまう焦りや絶望感は、筆舌に尽くし難いものでしょう。
私はその要因を商品の中身にあるとは考えていません。
孫子の言葉を用いるならば、
己を知らない
というところが根の部分にあるのです。
その点は後半部分で説明をしていきます。
恋愛は空回りしてしまう要因として、恋愛に理想や幻想を抱きすぎてしまうことが上げられます。
例えば、イケメンが好き、美少女・美女が好き、高学歴・高収入が好きという条件を選ぶ方がいるとします。
そういう表面的な部分だけで異性を選ぶと、たとえ成就したとしても、
他の面を見て違和感を覚えて、上手くいかなくなってしまうケースが少なくはないのです。
それらの条件は氷山の一角で、実際に付き合ってみると、嫌な面や合わない面もたくさん見えてきます。
特に結婚生活になると、否応にも素の部分が浮き彫りになりますから、
「こんなはずじゃなかった」という末路を辿るものなのです。
もちろん、良いところ悪いところ含めて好きであるという関係も多く存在しますが、
それは結果的に縁があったからこそでしょう。
初めから相手を美化して期待が高すぎると、その反動が強くなるので、注意が必要なのです。
また、優しい人が好き、自分だけを見てくれる人が好きと言っておきながら、いざ夢中になっているのは、
浮気をしたり、自分をぞんざいに利用するような性悪人間であったりする方もいます。
そして、散々遊ばれて、身の心もボロボロになって、
もうこんな恋は懲り懲りだ。
次こそは真面目で自分を愛してくれる人間を選びたい。
と願いながら、また似た異性に巡り会って、歴史を繰り返してしまう人間もいるものです。
なぜそういうミスマッチが起きているかというと、「己を知らない」という点に凝縮されるのです。
理想と現実のギャップが生まれて、相手に疲れ果ててしまうのは、
心の中にある増大な欲望や不安感が、わざと幸せとは反対の選択肢を進ませているのです。
自分の恋愛のクセ、自分の強みや弱み、その時その瞬間に自分の心の中でどんな感情が渦巻いているのか。
自分の心の中をじっくりと内観すれば、こうした過ちは起きづらくなります。
それを見て見ぬふりをして、相手に過度な期待を持ち続けることが破局への片道切符につながるのです。
失恋や片思いの経験から試行錯誤を繰り返すことで、求める恋愛の形も明らかになってきます。
自分に見合った現実的な恋愛を求めれば、間違いは起きにくくなります。
だから己を知ること、自分の心を認めることが幸せな恋愛への架け橋なのです。
自分軸という土台が整ったことで、培った知識やスキルが功を奏するのです。
※ 内観のリスクとして、自己分析をしすぎると、堂々巡りにはまって、
自己嫌悪や自己否定感が高まってしまうこともあります。
特に精神が不安定な時は無理に内省をせずに、カウンセラーや信頼できる友人に胸の内を語ってみることをオススメします。
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