第96回「どうしても諦めきれない片思いにどうケリをつけるか」その2
前回は、意中の女性に手ごたえを感じられないものの、諦められないK君の悪戦苦闘の様子を語ってきました。
今回はその後のK君の顛末と、諦められない片思いに決着をつけるためのヒントを述べていきます。
失望と絶望の狭間にうなだれているK君に対して私は、ただただ痛みを分かろうとする言葉をかけ続けることしか出来ませんでした。
するとある時、K君は予想外の反応を示してきました。
「TAKA氏さんは僕に諦めろと言いたいのですか!TAKA氏さんの言っていることはあいまいで、頭が混乱させられる一方で、ますます辛くなりましたよ!」
「TAKA氏さんは僕に諦めろと言いたいのですか!TAKA氏さんの言っていることはあいまいで、頭が混乱させられる一方で、ますます辛くなりましたよ!」
私はその言葉を聴いて、唖然としました。
私はこれまで全ての相談者様に対して、どんな時も痛みを想像し、共感することで、信頼関係を築いてきたつもりでした。
そんな私の一貫したスタンスがK君を追い詰めてしまっていたのです。
私はK君に対して、諦めなさいだとか、可能性がないという判定はくだしていませんでしたが、K君からすれば私もSさんのように、考えていることが曖昧で、振り回されているように受け止めていたのかもしれません。
私はK君にとっては非情な人間に映ったでしょうが、それでも弁解はしませんでした。
私が最後にかけた言葉は、自分の恋の行方は、他人ではなくて、自分自身でけじめをつけるべきであるという教訓でした。
それから、間もなくしてK君は私に次のような言葉を残して姿を消しました。
「僕は本当はTAKA氏さんに応援して欲しかったんです。『まだ大丈夫だよ』とか『結ばれるよ』とかいう都合の良い言葉を望んでいたんです。彼女を諦めずに頑張ります。今までお世話になりました」
K君は私にもSさんにも期待値が大きかったのです。
「これだけ心を開いているのだから、自分のことを想って欲しい」という思いがひしひしと響きました。
彼女が自分に優しくしてくれた甘いワンショットが脳裏から離れずに、想いを断ち切れない未練が残っているのでしょう。
誰だってありのままの自分を受け入れてもらいたいものです。ましては、特別の存在にはいっそうのことです。
K君のように、私達は思い通りにならないことの連続で、人を恨んだり、嫌いになったり、人間不信になったりと、マイナスの感情に支配されることも多々あるでしょう。
想い続けても、諦めざるを得ない瞬間が必ずあります。
引き際を認めるのは辛いものです。
私にはK君が望むようなサポートはできませんでした。
そしてK君が今、どのような恋路を進んでいるかは想像の域にしか過ぎませんが、自分の殻から脱出して、また誰かを信じて純粋に好きになっていることを願ってやみません。
K君のように脈なしだと思われる相手に努力を続けても、どつぼにはまってしまう人間は少なくはありません。
みなさんも、もう少しアプローチすれば成就するのではないかという拭えぬ期待感が心を引き留めているのかもしれません。
葛藤に疲れ果てたら、踏ん切りをつけるためにも自分の気持ちをもう一度だけ伝えるのも一手です。
思い切って、「今までありがとうございました。さようなら」メールなどを打って、自己完結モードを作りだすのも一策です。
先の見えない恋から卒業するためには、不本意でも強制的に関係を遮断する選択も有りなのです。
何かを得れば何かを失うと言いますが、何かを手離せば新しいツキが回ってくるようになっているのです。
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