第188回「意図された偶然について“ナンパから”」その1

実体験・人間考察コラム


1999年、スタンフォード大学のクランボルツ教授らは、富と名声を手にいれ、人生において大成功を収めた成功者たち数百人を対象に、成功の秘訣を徹底的に分析しました。

その研究の成果として、成功の法則を導いた理論を『プランド・ハップンスタンス(planned happenstance)理論』と呼びます。

日本語に訳すと『計画された偶然』『意図された偶然』となります。


この理論のポイントを3つにまとめると、以下のようになります。

1.人生の成功は、予期しない偶然によってその8割が形成される。

2.ただ偶然を待つのではなく、自分にとって良い偶然が起きやすくなるように行動したり、偶然が起きそうな気配を敏感にキャッチすることでラッキーチャンスを増やすことができる。

3.偶然を当事者が積極的に活用し努力して、成功へ繋げる。


 
偶然を運命に変える人と、偶然がただの偶然で終わる人の違いは、その人の資質にあるとクランボルツ教授は言っています。


 好奇心:なんでもとりあえず興味を持ってやってみる。
 
持続性:ちょっとくらい失敗してもめげずにチャレンジを続ける。
 
楽観性:何事も「必ずうまくいく」「できるはず」とポジティブに考える。
 
柔軟性:自分の考えに凝り固まらずに、その時その場で対応を変える。
 
危険性:多少のリスクは承知でやってみる。



ご覧いただければ分かるように、成功者の背景には、「失敗を恐れずに挑戦し続けるスタイル」が浮かび上がってくるわけです。


偶然は必然とも言い換えられますが、チャンスを掴むも逃がすも、その人の生き方や考え方次第ということが伝わります。


 この変化の激しいスピード社会においては、あらかじめ計画した人生プランに固執することは非現実的であり、一つの生き方にこだわり続けることは、それ以外の可能性を捨ててしまうことに繋がってしまうため、リスクがあるとクランボルツ教授は指摘しています。

自分の中での常識やこだわりを打ち崩すことで、計画された偶然をチャンスと転換することができる。

たとえ失敗の連続であったり、結果がすぐに手に入らないとしても。

 
これから私が自分の中の常識を覆すために試みた一つのエピソードを紹介します。



2003年、私が19歳大学2年生の頃にさかのぼります。

10代最後の夏、私は人生初の挑戦に取り組もうとしていました。


それは、“ナンパ”という究極的な選択を実行に移そうとしていたのです。


当時、私は出逢いに飢えていました。

ナンパという行動を選ばない限り、この先一生人生にパートナーに巡り会えないというほどの危機感に苛まれるほど追い詰められていました。


「大学に入学すれば、否が応にも出逢いに恵まれて、必然的に彼女という存在が手に入る」


高校卒業まで描き続けてきたこの妄想ですが、再三伝え続けている通り、浅はかな幻想にしか過ぎないことを突き付けられるわけです。


確かに、出逢いのチャンス自体は恵まれていました。

コンパ、合コン、打ち上げ、サークル合宿、他大学の学園祭等、女子大生と交流を図れる機会はあったのです。

でも、私はそこで良縁をつかむことは出来ませんでした。

例え連絡先を交換できても、メール止まりの一方通行で、二人きりでのデートに誘い出すことなどは夢のまた夢でした。

既に大学1年次の秋にして、学内での出逢いに見切りを私は、同じく彼女に飢えていた友人と二人で他大学の女子大に出逢いを求めて足を運びました。


ところが、日ごろから積極的に女子とコミュニケーションを図れていない自分にとっては、見知らぬ女性に声をかける自信などまったくありませんでした。

目の前にはかわいい女子が次々と視界に入ってくるのに、大学入学後に悉く相手にされなかった失敗体験の連続から、一歩踏み出す勇気は微塵もありませんでした。


やっぱり、自分には無理なんだ。


大学内だけではなくて、自分を知る者がいない他大学に来ても、声をかけることすらできずに、みすみすチャンスを見過ごしている自分に対して、ますます自信を喪失して行きました。

理想を棄てて、モテない人間はモテないなりの人生を送ればいいんだ。

齢19歳にして、私は可能性を閉ざそうとしていました。


そんな私を一念発起させることとなった大きなきっかけの一つが、以前にも紹介したことがある「大学OBの就職ガインダス」でした。


大学生活には二パターンあります。

一つは何も変化のないまま4年間を過ごして巣立つ生き方と、

 自分の中で「これだ!}という生き方や出逢いを見つけて、その後生き生きと過ごすための礎を築けた学生です。


 大学生活にこれだけは頑張ったという人間は、社会に進出した後にも強い。

 後輩であるみなさんには、残りの2年間でそういう出逢いや機会を見つけて、挑戦を重ねて欲しいのです。


夏休みの直前の出来事だったのですが、リクルートに就職したOBが放ったこれらの言葉で、私の中に封じ込めていた生への活力が奮い立たされたのです。

学内でも、他大学でもないのならば、残された選択肢はナンパしかないという形という結論に至りました。

当然のことながら、それまで恋愛の成功体験を積んでこなかった私からすればものすごいハードルの高さを感じていました。

 でも、行動を起こす前に逃げる事の方が、私にとってはそれ以上にキツいように感じていたのです。


事前収集として、文明の利器を活用して、私はネットでナンパの体験記をかき集めました。


どれだけ経験を積んでも、20人に声をかけて1人連絡先を交換できれば御の字。

時には、ガン無視(徹底的に無視すること)されるだけではなくて、暴言を吐かれることある。


圧倒的に失敗の数が多く、心が折れそうになる体験は避けられないが、その境地を乗り越えた先に一寸の光がある。

「この人だ」という女性が視界に入ったら、5秒以内に行動に移すこと。そうでないと、出来ない言い訳が次々と浮かんできて、結局チャンスを逃してしまうから。



読めば読むほどナンパという行為そのものと、そこで得られる結果を出すまでの過程がどれほど難しいのかが端的に伝わりました。

それでも、私はナンパ以外の方法では、彼女をゲットすることが出来ないという強迫観念に支配されていました。

大学入学当初に彼女がおらず、共に出会いを模索していた同級生達のほとんどが良きパートナーに恵まれ、楽しい夏休みを開始しようとしていました。


私には失うものはありませんでした。


やるしかない、その時は・・・・・・今でした。


 続く

参照:その幸運は偶然ではないんです! J.D.クランボルツ著

Posted by TAKA