第260回「信じる者は救われない?人間不信がはびこる世の中だからこそ」

2015年11月30日上手くいかない人生

人を見たら泥棒と思え」ということわざのように、現代社会では簡単に他人を信じてはいけないような風潮が目立っています。

例えば、「オレオレ詐欺」を代表とした振り込め詐欺の年間被害総額はどのくらいかご存知でしょうか?

2014年の被害額は550億円超です。

前年より約70億円増えており、5年連続で増加し、過去最悪を更新しています。

ちなみに、被害者の8割が高齢者です。

年々騙しの手口は巧妙になっていて、簡単に見破るのが難しくなっているようですが、人の良心に訴えかけているのが特徴です。

実は最近になって私のもとにあるメールが届きました。

送信元のアドレスは電話帳に登録していない知らないものです。

しかも「○○@ezweb.ne.jp」というキャリアメールなので、

「知り合いからか、誰だろう?」と疑問に思いましたが、本文に名前が入っていないので、

「また来たか」と呆れた気持ちになりました。

実はこういう類のメールは今回で2度目になるからです。

先月も送られてきたその時のやり取りを紹介します。

6月のある朝に届いたメールです。

送信先が「○○@ezweb.ne.jp」だったので、すっかり知り合いからだと思ってこう返信しました。

どちら様でしょうか?

するとすぐにこう返ってきました。

大村という名前、そして、私のことをぐっさんと呼ぶこの内容から、完全に人違いであると確信しました。

生まれてこの方、ぐっさんと名付けられたことは一度もありません(笑)。

そもそも私の携帯メールアドレスに直通で送ってきて、相手を間違えるなんてことはまずないだろうと

思い、スルーすることにしました。

すると、この大村さんは懲りずにまたメールを送ってきました。

赤の他人に男性か女性かを答える義理はありません。

この文面を見て、明らかに怪しいと思ってすぐにネットで事例を調べてみました。

すると、成りすましメールという種類であることが判明して、被害に遭っている方の生声も見つかりました。

この後もし返信を続けると、芸能界の裏話的なネタのメールが送られて、事務所移籍の話をちらつかせ、

「携帯を没収されるから別の場所でお話しましょう」

と有料のチャットサイトに誘導されるようです。

私の携帯メールアドレスがどこかで漏えいしていたわけです。

全く思い当たる節がないために、うかつに個人情報を公開してはいけないと戒めました。

体調は大丈夫?ご飯行こう!私の方は相変わらずです。

本文にあったような人の良心に訴えかけてくるような言葉を見て、

思わず飛びついてしまう人間は少なくはないと思います。

女性の場合は身体目的で近寄ってくる男性の存在も忘れてはなりません。

人間の持つ良心から金をもぎ取るために、あの手この手の方法が日進月歩で生まれてくることが想像できます。

このメールの話は一例でしたが、簡単に人を信じていけないという世の中であることは、

誰もが肌で感じていますよね。

正直者は馬鹿を見る。

信じる者は救われない。

このような哀しい現実が際立っています。

他人への警戒心はますます高まっていくことでしょう。

自己防衛本能によって、本音を隠しながら建前で向き合っているという関係からは、

すぐに打ち解けたり、親しい関係に発展することは難しくなっているでしょう。

その人を信じられるのかどうかの判断は、あなたの直感や、長い間築いてきた関係からになってくるでしょう。

世の中はますます不信感が募るような出来事が増えて行くでしょうが、

この負の連鎖を断ち切るためには、まずは自分が他人を裏切らない心得が大切になってくるでしょう。

たとえ他人から一度や二度裏切られるような経験を味わったとしても、

自分も誰かに同じような苦しみを与えたとして、一銭の得もありません。

人を信じることが難しくなっているからこそ、自分は周りの人間を大切にし続ける。

当たり前のことを当たり前に継続すれば良いわけです。

そして、どんな時もあなたを損得勘定抜きで大切にしてくれる、そんな温かい心の持ち主ならば本物でしょう。

2015年11月30日

Posted by TAKA