第234回「野口英世も経験した5年間の片思い|「過去と他人は変えられない」から始まる自分軸の心理学」
「過去を変えることはできないし、変えようとも思わない。なぜなら人生で変えることができるのは、自分と未来だけだからだ」
この言葉は、かつての千円札の肖像としても知られる医学者・野口英世博士が残した名言です。
世界的な功績を遺し、忍耐と勤勉の象徴とされる英世ですが、実は20代のころ、相手に全く振り向いてもらえない「5年間の一方通行な片思い(執着)」に苦しみ、荒れた生活を送っていた時期がありました。
どれだけ努力しても「変えられない過去」と「変えられない他人の気持ち」にどう向き合い、自分軸を取り戻していくべきなのか。野口英世のドラマチックな一生から、執着を手放すための心理学を紐解きます。
偉人・野口英世が溺れた「5年間の片思いと執着」
1歳のころに左手に大火傷を負い、貧困やイジメという不条理に晒されながらも、母シカや恩師の支えによって医学の道を切り拓いた英世。
しかし、20歳の修業時代に出会った6歳年下の女性・山内ヨネ子への初恋から、彼の長い執着が始まります。
毎週のように大量の恋文を送り、相手や周囲を困惑させ、上書きするように下宿先へ押しかけたり、研究用の頭蓋骨や二人の名前を刻んだ指輪を贈るなど、なりふり構わないアプローチを続けました。
しかし、どれほど熱烈な情熱を注いでも相手の心が彼に向くことはなく、5年後、彼女が別の男性と結婚したことで片思いは終わりを告げます。
一時はやけ酒や放蕩に身を投げ打つほど荒れた英世ですが、彼女の結婚を知った時、以下の詩を詠んで過去との決別(執着の手放し)を宣言しました。
「夏の夜に 飛び去る流星 誰か之を追ふものぞ 君よ快活に 世を送り給え」
(夏の夜空に飛び去る流星のように私から離れていったあなたを、もう追いかけはしません。どうか元気でお過ごしください)
心理学が教える「変えられないもの」への執着
心理学において、人生の苦悩の多くは「自分にはコントロールできないもの(過去・他人の気持ち)」をコントロールしようとすることから生まれると言われています。
- 相手軸の執着: 「これだけ想っているのだから振り向いてほしい」「過去のあのアプローチが良くなかったのかもしれない」と相手や過去に囚われ続ける状態。
- 自分軸の確立: 「相手の気持ち(他者)は変えられない。変えられるのは自分の行動と未来だけだ」と諦念(明らかな見極め)を持ち、自分の人生に集中すること。
英世自身、5年間にわたる無謀な追跡の中で、「どれだけ努力や情熱を注いでも、他人の感情(相手軸)だけは自分の力で変えることができない」という冷酷な真理を痛感したはずです。
だからこそ、彼は「去る者を追わない」と決め、意識の矢印を「自分の未来(研究と渡米)」へと向け直したのです。
執着を手放した先に待っていた「本当のご縁」
長年執着した過去を手放した英世には、その後大きな転機が訪れます。
35歳の時、渡米先で出会ったメリー・ダージスと結婚。お互い個性的な者同士として意気投合したメリーは、研究に没頭する英世を生涯献身的に支え続けた「真の理解者(ベストパートナー)」となりました。
もし英世が、報われない過去の恋や「手に入らない相手」に死ぬまで固執し続けていたら、世界的な偉業も、メリーとの温かいご縁も掴むことはできなかったでしょう。
- 他人の気持ち(相手軸)を変えようとするのをやめる
- 「過去」を悲観せず、これからの「自分と未来」に集中する(自分軸)
- 執着を手放して空いたスペースに、新しい本当のご縁が巡ってくる
まとめ:自分の未来は、いつだって変えられる
どれほど本気で人を好きになっても、縁がない相手の気持ちを変えることはできません。
しかし、その経験を通して「自分と未来は自分の手で変えられる」という事実に気づけた時、人は何度でも立ち上がり、本来の自分らしさを取り戻すことができます。
「過去の恋から抜け出せない」「手放すのが怖くて未来が見えない」と立ち止まってしまった時は、いつでも私に胸の内を聴かせてくださいね。
あなたが焦らず自分の未来(自分軸)へ歩み出せるよう、一緒に整理していきましょう。
投稿者プロフィール
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たかさん(公認心理師 )
恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。
メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。
大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。
筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。
心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。
「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。
相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。
【保有資格】
公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種







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