第95回「どうしても諦めきれない片思いにどうケリをつけるか」その1

脈なしだとは痛いほど分かっているけれども、諦めきれない恋愛は、誰しも一度は経験されているでしょう。

今回、私が日々相談者様と関わっている中でも、印象深かったエピソードを前編と後編に分けてご紹介します。



相談者の名前を仮にK君とさせていただきます。

K君は22歳の男性です。

「好きな女性に告白して断られたけれども、どうしても諦められない、この先どうすれば良いのか分からない」という訴えから関わりが始まりました。

とあるイベントで意気投合したことが出逢いのきっかけでした。

社会人で、同年齢の女性です。

その女性の名前はSさんとしましょう。

K君はイベント終了後に、熱覚めやらぬ中、早速Sさんにメールを送り、お茶に誘うことに成功しました。


当日は彼女の都合から、数時間しか共有できませんでしたが、K君の彼女への気持ちは高ぶっていきます。

K君は、それからも猛アプローチを重ねて、何度かデートにこぎつけることができました。

そして、K君は出逢って3カ月後の4回目のデートの帰り道で、意を決意して、Sさんに告白しました。

返ってきたSさんの答えは、

「まだ出逢って間もないし、ゆっくり関係を深めてからでもいい?これからは友達以上の関係で行こう。

今、K君のことが異性として好きなのかわからないから、ゆっくり考えたい」

という内容でした。

彼氏・彼女の関係にはなれなかったものの、K君は告白できた満足感と、「まだ出逢ったばっかりだし、友達以上の関係になろう」という彼女の言葉から、今後の可能性を感じていました。

それから間もなくしてK君はSさんへの再告白を意識するようになります。

ところが、告白後から彼女の態度が急変します。

今まで応じていたデートの誘いも、「忙しいから」を決まり文句にかわされるようになりました。


K君は辟易しながらも代替案として、

「もし迷惑じゃなかったら、電話で話をしたいと思うんだけど」と言う趣旨のメールを送ったものの、返って来たのは次のような内容でした。

「う~ん、私じゃ話広げられないし、K君を満足させられるかどうか……迷惑じゃないけど、メールの方がやりやすいから嬉しいな」

K君の想いとは裏腹に、彼女の曖昧な態度は続きます。


 K君の葛藤は増す一方です。

「これからだって言ってくれたのに、どうして自分の気持ちが伝わらないんだ」



K君はSさんにどうすれば自分を恋愛対象として見てもらえるのか、友達以上になれるのか、彼女は一体自分のことをどう想っているのかが気になって毎夜眠れない様子がうかがえました。

私もK君と似たような経験があるので、K君の煩悩が痛いほどよく伝わってきましたが、否定的な言葉を飲みこんで、最後まで成り行きを見守りました。

それから間もなくして、不安と焦燥感に堪えられなくなった彼は、Sさんに2度目の告白をします。



告白の答えは、

「友達としてはいいけれども、恋愛対象としては考えられない」

という前回と重なる回答でした。


K君はそれでもSさんを諦められませんでした。

最初に告白した返事の「友達以上でいよう」という言葉が唯一のモチベーションでした。

後編は、K君のそれからです。

投稿者プロフィール

たか
たか
たかさん(公認心理師 )

恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。

メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。

大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。

筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。

心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。

「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。

相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。

【保有資格】

公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種