第74回「決して叶うことがない高嶺の花を好きになって、諦められない時には」 

2015年12月2日上手くいかない片思い


好きになっても決して想いが叶うことのない高嶺の花の存在を好きになってしまったら、みなさんは諦めますか?それとも貫き通しますか?

恋人がいる異性や、既婚者、芸能界の人間に恋をしたものの、ハードルの高さから恋愛ドロップアウトモードに急下降してしまう経験は誰しも一度は味わっているものです。

しかし、過ぎ去りし思い出ではなく、今まさにそのような対象を好きになって、「諦めなければならないけれども、気持ちが割り切れない」という葛藤を抱えていたら、一刻も早くこの問題を解決したいものですよね。

私のサイトでお悩み相談を開始してから10年以上が経ちましたが、今までに寄せられた半数以上の男女共通の相談ケースが、

「上手くいかない片思いの相談」

ですが、順風満帆に恋が進まないことに悩まれているのです。
  
大抵は自分が好きになった異性には他にもアプローチしていたり、付き合っている存在がいたりするものです。

自分から見ても魅力を感じられる相手ですから、別の人間からしても同じように好きになるのが自然の流れなわけですよね。

かつての私も何度も似た体験を重ねてきましたが、競合相手がいたり、脈なしだと感じ取ってしまう恋路では、相手に気持ちをアピールしたとしても、自分に気持ちが傾いていると実感できる瞬間は少ないかもしれません。

そんな結果の出ない現実から、

 「もう諦めるしか他に方法がないのかな」

 「どうせ自分なんてあの人に魅力的に見えるわけないんだ」

と、すっかり自信喪失してしまうものの、一度芽生えたあの人への気持ちは簡単に切り替えられるわけがなくて、

「諦めなければならない」

「諦めたくない」

という相反する板挟みから心が疲弊しきってしまうものです。


今回のようなテーマは、これまでも何度も別のコラムで取り上げてきましたが、「それでも無理に諦めなくてもいいんだよ」というメッセージを角度を変えてお伝えしたいからです。
  
確かに、あの人と成就する確率は限りなくゼロに近いかもしれません。

でも、何もしないでただ身を引いても、残るのは後悔と更なる自己卑下だけで、得るものはそこにないでしょう。

黙って身を引くのは一昔の恋愛ドラマの登場人物のようで、一見悲劇のヒーロー・ヒロインのようにも見えますが、現実世界では引き下がったら最後、他にもアプローチしてる第二、第三の存在が待ってましたとばかりに勢いを増してしまうかもしれません。

そこで気持ちを伝えなければ、あの人に本心を分かってもらえないままで、変化のない日々を過ごすことになります。
  
傷つくことを覚悟の上で、行動を起こせば、たとえ想いは成就しないとしても、「逃げずに素直に気持ちを伝えた」実績は残ります。

結果として受け入れてもらえなくても、逆転ホームランにつながる1%の可能性が残ることもあるのです。

とどのつまり、将来的に相手の気持ちが恋愛感情に変わって、めでたく付き合える可能性もなきにしもあらずなのです。

「好きになった人に気持ちを伝えるのは迷惑でしかないのでしょうか」

 という切なる相談もよく受けます。

確かに、場合によっては、相手には他に付き合っている最愛の相手がいて、どう考えても報われない恋だからこそ、 気持ちを伝えるのをためらってしまうかもしれません。

でも、迷惑だなんてことだけはありません。

よほどのことがない限り(ストーカーと認識されていたり、拒絶されていない)気持ちを伝えることで、相手は喜んでくれるはずです。

人間誰しも自分のことを認めて気に入ってくれた人をありがたく感じるものですし、「好意の返報性」と言う言葉があるように、好きになってくれた人を好きになるものです。

自分自身が気付いていない内なる魅力にみなさんが気付かせてあげることができたとしたら、大きな意義がありますよね。

気持ちを伝えたことで、あの人が人としても異性としても素敵な人間に成長するきっかけを提供できたとしたら、それだけで他の人にはマネできない功績を残せたのです。

中には理屈ではなくて、複合的な背景からなかなか行動には移せない方も多くいらっしゃるでしょう。

一度振られてしまっている以上、気持ちを伝えることは相手にとって負担でしかないと判断されている方もいるかもしれません。

そんな時に、もしも世の中に氾濫している、

「ストーカー」
「愛情ではなく執着心」
「ねちっこい」
「往生際が悪い」
「モテない人間の無駄なあがき」
といったネガティブで心ない言葉を耳にして苦しんでいたとしたら、どうか目を覚ましてください。
 
上記のキーワードに関係するような人間は、相手の立場を想像する余裕がなくて、自分本位で攻撃的になってしまうような視野の狭さを持っているものです。

そこまで気を遣っているあなたとは違うはずです。

そして、自分が思うほど、あの人はあなたのことを嫌っていたり、避けてはいないものです。

そうやって、自分を殺しながら我慢し続けると、鬱憤が溜まる一方で、「思」に角が生えて「鬼」に変貌してしまう危険があります。

自分を追い詰め続けて、暴走をブレーキできなくなってしまった結果、上記のキーワードに該当するような顔に豹変してしまうかもしれないのです。

極限状態を痛感している時には、くれぐれも思い詰めないで、誰かに助けを求めて一人で抱え込まないでくださいね。

「決して叶うことがない相手」と判断されているのはあくまでもみなさん自身の心ですよね。

一人だけで結論を出して無理に諦める必要はないんです。

相手の心の中身は、自分の想像の世界とは異なるものですから……。

2015年12月2日

Posted by TAKA