第349回「早いほうが勝ち、遅いほうが負けという指標を持つと苦しくなるから」

2019年5月31日上手くいかない恋愛関係, 上手くいかない人生遅い, 若い, 年齢, 勝ち組, 負け組, 早い

 

善は急げ

急いてはことを仕損じる(急がば回れ)

両極端なことわざです。

早く行動を起こした方が得なのか、それとも慎重に状況を見定めてから行動に移した方が得なのか、

人は選択に迫られた時、「今でしょ!」か「後でしょ!」の二択に頭を悩まされることがしばしば訪れるものです。

一昔前(2013年)に「今でしょ!」が流行語大賞に選ばれたように、世の中では、「早さ」に価値が置かれて、重要視されている風潮がありますよね。

私事ですが、そう実感した出来事があります。

先日、大手の通販サイトAmazonのお試しプライム会員に登録しましたが、特典にある「最速商品が当日に配送される」サービスを利用してみました。

午前に注文した品が、その日の夜に届いて、あまりにものスピーディさに、サービスの進に驚かされました。

同様のサービスとして、ヤマト運輸では関東当日便が、郵便局では東京と大阪を中心にした「当日配達ゆうパック」というハイスピードの配達サービスが存在して、「早さ」にニーズを求められている時代の流れを感じます。

これは普段通販等を利用している人間でないと実感が少ない例ですが、もっと身近な例では、日常的に使うツールであるLINEやメール、ツイッターやFACEBOOK、インスタ等のSNSにおいても「早さ」が重視されていますよね。

返信が遅ければ遅いほど不安になる方が多いでしょうし、発信が早い方が受け手に好印象を与えられるような場面が多いと思います(相手との関係性や使い方によっては遅いほうが良いこともありますが、遅すぎるよりも早過ぎる方が得をするエピソードの方が多いものです)

ビジネスの世界では特に「スピード」が重視されています。

顧客や世間のニーズをキャッチしたら即行動、即決断を繰り返すことで競合相手との差別化を図れ、利益を得られるようになると言われています。

資格試験も一発合格に越したことはありません。

合格が早ければ早いほど次のステップに進みやすくなるというメリットもあるでしょう。

更に早さを「年齢」に例えてみると、よりイメージしやすくなるかもしれません。

若ければ若いほどチャンスが多く、価値が高いという風潮です。

例えば、JK(女子高生)ビジネスという造語が登場しているように、18歳未満の女子学生に商品価値が認められているほど世の中には需要が広まっています。

出会い系のトラブルや教職員の不祥事でニュースになるような話題も、女子中高生が対象であることが多いように、年上の男性が若さに魅力を感じて金銭が流通している実態が浮かびます。

確かに、若ければ若いほど肌のキメやハリが良く、見た目が美しく映りますし、肉体的、精神的な面においても何でも若さでこなせてしまうし、許されるメリットがあります。

合コンや街コンという出会いの市場においても、「女子大生」「18〜22歳」という肩書や年齢幅だけで、男性陣のくいつき方が明らかに違うという参加者の声もよく耳にします。

そして、現在の街コンシステムを見ると、若者と出会いたくても、「参加条件は30歳以下に限る」という門前払い制を掲げる会社が一般的になっています。

就職・転職事情を見ても、年齢制限を掲げている会社は多く、30代以上になって年を重ねるほどそもそも応募自体を受け入れてくれない業界が広がって行く現状があります。

それまでとは異なった業界への転職を掲げている場合は、年齢に加えて、「未経験」という、一朝一夕でどうすることも出来ない分厚すぎる壁によって可能性を絶たれてしまう厳しさもあります。

「早ければ早いほど人生を得している」と痛感される方は多いのではないでしょうか。

本当は早く実現したかったのは山々。

けれども思うようには行かないのが人生の常ですよね。

もっと早く手にしたかった目標や夢も、自分なりにチャレンジしたけれども上手く行かずに志半ばで諦めることになった経験も、誰しも一つはあるのではないでしょうか。

あるいは、昔は無関心だったものの、今になって何らかの理由でやる気が芽生えたものの、何らかの障害が立ちふさがって、諦めざるを得ない状況に立たされている方もいらっしゃるかもしれません。

もうこの年じゃ始めるのには遅すぎる

早く行動を起こさなかった自分は、もう選択する権利がない

好きな人に相手にもされず、社会にも受け入れてもらえないことが続くと、「この年だから時既に遅し、落ちぶれていくしかない」と諦めモードに強制切り替えするようになるかもしれません。

正直なところ、私にもそう弱気になる瞬間はあります。

どれだけ頑張っても認めてもらえずに、自分の無力さを痛感するような場面は会社でもプライベートでもしばしばあります。

けれども、そうやって運命を祟ってしまうことで、状況が改善すれば良いのですが、一向に変わらないどころか、どんどん悪循環にハマっていく怖さも痛感しています。

だから、落ち込むだけ落ち込んだら、それでもまた日常に戻って自分に課せられた道を一歩ずつ歩んで行くしかないと落ち着くのです。

そして、必ずしも早く行動した方が「正解」とは言えない人生も多々あります。

それって、10代や20代では気づけなくて、30代になって色々な経験を重ねることで見えてくるものでもあります。

初体験を済ませるのは、早ければ早いほどかっこいい。

結婚相手を見つけるのも、早ければ早いほうが世間受けがいい。

新卒で正社員の道を逃したらもう人生はレールから外れてしまう。

そんな誰かが作った常識に縛られて、焦りから取捨選択すると、心に深い傷が刻まれて、その後の生活に支障をきたすようになってしまった先人の人生を多々目にしてきました。

望まない妊娠という結末で相手の男性も離れて行き、子育てが出来ずに子どもを施設に預けるようになった女子高生もいますし、

年齢の焦りから結婚相手を出会い系で見つけられたものの、1年足らずに離婚してシングルマザーになって生活苦を味わっている女性もいますし、

30社受けても希望していた業界の内定先がもらえずに、唯一得られたベンチャー企業に進んだものの、過重労働と言葉のパワハラが待っていたブラック企業で、心身ともに不調となり、リタイアしてうつ病を引きずるようになった知り合いもいます。

早い=勝ちだし価値がある」と物事の指標を持ってしまうと、人生をよからぬ方向にさまよいこませてしまう危険性があります。

過去には戻れないけれども、今の自分だからこそ出来る道、これまでの経験を開眼できる進路があるものです。

遅咲きでもいいじゃない。

遠回りしたからこそ出逢える経験や世界がこれからのあなたに彩りを与えてくれます。

「今更」ではなくて、「今から」です。

2019年5月31日

Posted by TAKA