第272回「アダルトチルドレンと恋愛のつまずきについて」
ペルソナという言葉をご存知でしょうか。
TVゲームのシリーズ でも有名なので、耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。
会社の顔、家庭の顔、状況に応じて様々な表情を使い分けているものです。
役割に応じて普段とは違う仮面を被っている心理現象を「ペルソナ」と言い、心理学者の
幼少時代から被り続けてきたペルソナが、恋愛面で様々なつまずきを招いているのかもしれません。
このブログでも何度か話題にしたことがある、アダルトチルドレンについて、特に恋愛と結婚面の特徴に着目して事例を取り組みながら解説されています。
今回は、恋愛のつまずきの一因として、アダルトチルドレンについて特化しました。
私はその道の専門家ではないので、誤解を与えないためにも上記の参考文献をもとに展開します。
改めてアダルトチルドレンとは何かについて言うと、
「機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持つ」という考え方、現象、または人のことを指す。(WikiPediaより)
筆者は臨床心理士の資格を持ち、桜美林大学名誉教授、中央心理研究所所長、交流分析学会理事としてキャリアを持つ中村延江さんです。
この本は上手くいかない恋愛や結婚の背景や、自己肯定感の欠落や恋愛依存の要因として、アダルトチルドレンを指摘しています。
以下本文に沿いながらアダルトチルドレンの特徴について説明します。
温かなコミュニケーションに欠けた機能不全の中で、自分が受け入れられない哀しさや、
抑圧された感情を抱え続けていくことで、その苦しさから逃れるために、
家族の中である種のパターンを取るようになります。
それがアダルトチルドレンの「役割」というものです。
この役割について、クリッツバーグ、シャロン・ウェグシェイダー、フリエルらは、7つのパターンを指摘してます。
家族ヒーロー
世話役
犠牲者
いなくなった人
問題児
道化
パパの王女様
(P34~35)
本書ではそれぞれの役割がどんなものなのか、具体的なケースを挙げながら説明されています。
次に、アダルトチルドレンの特徴や家族関係について一例を挙げました。
アダルトチルドレンの心理的特徴としては、
・自分には積み重ねてきたものが何もないという不安や焦りから、眠れなくなることがある。
・完全に自分を理解してくれるという実感が持てないと、その人を友達とは認められないことがある。
・他人に拒絶されるのが怖くて、自分から先に人との関係を切ってしまうことがある。
(P25~26より)
アダルトチルドレンの家族関係については、
・あなたが話しかけた時に、親が冷淡な返事をしたり、無視したり、まともに取り合ってくれなかったと感じたことがある。
・親が兄弟姉妹の中で、あなただけを差別したために、哀しい思いをしたことがある。
・両親が不仲、あるいは嫁姑の確執など、家族の中に緊張感があり、常にピリピリした雰囲気があった。
(P27より)
アダルトチルドレンは病名ではありません。
ですから、医療機関で診断が出るものではないのです。
心理カウンセリングで専門に治療を行っている場所も多くありますが、
自分がアダルトチルドレンだと認められることがありのままの自分を愛せる一歩になると言われています。
過去の自分や家族への執着を手放し、そして許し、本当の自分が望む生き方を構築していくことで、アダルトチルドレンが少しずつ回復して行くそうです。
上手くいかない恋愛に苦戦していて、同じことの繰り返しについて苦しんでいたら、アダルトチルドレンについて調べてみると、新しい発見があるかもしれません。
ここまで読んで来て、何か感じるものがあった方は、更に生きづらさの解決につながるアダルトチルドレン回復への10のステップも参照してみてください。
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