第223回「若者のメール離れが進み、SNSが発展しているからこそ逆転の発想です」

2015年12月1日上手くいかないネット、SNS、メール


2015年5月23日付けのニュースで、「若者のメール離れが深刻になっている」という見出しの記事があったので、思わず気になってクリックしてみました。

とっさに推測したのは、メールからLINEのようなSNS文化への移行が浮き彫りになっているという内容でしたが、全文に目を通してみるとまさに予想が当たりました。

『平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』(総務省情報通信政策研究所)によると、

コミュニケーション系メディアで平日の行為者率がもっとも高いのは「メール利用」の50.7%だが、

10代と20代ではメールよりもソーシャルメディア(SNS)の行為者率のほうが高い。

特に10代では前年65.8%を記録していたメールの行為者率が36.3%へと激減、代わりにSNSが23.0%から43.5%へと伸びている。

(間省略)

そして、学生のメール離れが進んでいるのは、アドレスを頻繁に変更することが当たり前になっていること、

LINEにあるようなスタンプによる簡単な感情表現ができにくいのも理由のひとつではないかと尾子さんは言う。

学生のメール離れ 名無し送信や受信箱放置など無作法も増加より引用


平成25年時点のデータなので、それから2年が経っている現在は、よりメールの利用率が低下して、SNS使用者が倍増していることは間違いないでしょう。

みなさんも日常で体験しているように、LINEでのコミュニケーションというのが生活に一部になっている今日この頃ですよね。

今年の1月に参加した大型街コンでの連絡交換もLINEが常識でしたし、周囲の人間も十中八九がLINEを使いこなしています。

記事の中で指摘されているように、LINEはメールよりも機能が多彩というメリットがありますよね。

感情表現にあたって、スタンプや写真・動画を手軽に使えるのは、使用者にとっては簡素化できて、より便利になっています。

私は最近SIMフリーのスマホを購入したばかりで、ガラケー+スマホの2台持ち(厳密には3台持ち)なのですが、もちろんLINEのアプリはインストールしています。

登録数は数十人で、使用頻度は生通話相談カウンセリングでLINEでのやり取りを希望された方か、ごくごく限られた親しい友人のみです。

私の場合は特殊な例ですが、文字でのコミュニケーションにあたっては、LINEよりもメールの方を多用することの方が多いです。

更に付け加えれば、そのメールでのやり取りも極力控えて、電話もしくは直接的なコミュニケーションに傾注しています。

今後、時代の傾向を鑑みてもこの考えを変えるつもりはないですし、むしろより生身のやり取りを重視していくつもりです。

さて、私自身の話はさておき、SNSの普及に伴って、SNS疲れやSNS依存症に悩む方の相談も増加している今日この頃です。

中学生や高校生の子どもを持つお母さん達はこう叫んでいます。

LINEを毎晩深夜まで友達とやっていて、寝不足で遅刻してしまう。

どうやら出会い系で知り合った得体の知らない異性とLINEで交流しているようだ。

LINEに没頭し始めてから、食事中もゲームをしている時も、常にディスプレイを気にしている。

話しかけると、癇に障るようで、激怒することが増えている。


これらの異変について親としてどう対応すればよいか、将来が心配で仕方がない。何とか改善させられないかという悩みを頻繁にうかがいました。

「友達がみんなLINEをしているから、ついていかないと仲間はずれにされてしまう」という子どもからの訴えに困惑している親御さんの声を聴いていると、SNSのもたらした人間関係の複雑さを痛感させられます。

そして、その影響を更に感じさせられるようなこんな記事も見つかりました。

■LINEで告白されることに抵抗はある?

※アンケート対象者内のLINE利用者187人に質問
・どちらかといえば、抵抗がある 67.4%
・どちらかといえば、抵抗はない 32.6%

「今時だから致し方ない」(27歳)、「今の時代普通だと思うから」(21歳)という意見もあったが、「メールより手軽で、さらにイヤ」(27歳)、「軽いやり取りを想定したツールだと思うから。

本気度を感じないから、LINEで言われたら既読無視しそう」(26歳)、

「簡単に連絡を取れる手段だからバカにされているような気になる」(22歳)と厳しい意見が多数寄せられた。

ちなみに、実際にメールやLINEで告白された経験を持つ人は、48.6%と約半数。

「LINEで告白」20代女性の6割超はNGより引用

少し前までは、メールでの告白というのが若者の間では一般的になっていましたが、今ではLINEでの告白という文化が広まっているようです。

みなさん自身も経験があるのかもしれませんね。

実際に告白された側の女性の本音を見ると、文字での告白では、本気度や熱意を感じられずに冷めて捉えているような意見が多い点が共通していますね。

便利にいつでも使いこなせるツールだからこそ、告白のような重大なイベントでは、逆効果になってしまうというのは、メールの時代と変わらないようです。

今後もLINEを初めとした文字中心の文化はますます加速していくことが予想されます。

そして、便利な反面、人間関係での弊害が多々生まれてくるでしょう。

インスタントにやり取りできる点は魅力的ですが、嫌になったらそのまま無視したり、ばっさり切れるような使い道に慣れてしまう人間がますます増えるのではないかと危惧しています。

そういうコミュニケーションが通常化してしまうと、いざ社会に進出したり、結婚生活で様々な価値観を持つ人間との付き合いが開始した後に、SNSのクセが表出されることで、摩擦が生じることが想定されます。

いつの時代も生身のコミュニケーションに勝るものはありません。

そして、このようなご時勢だからこそ、告白する側は逆手に取れるチャンスでもあります。

面と向かって告白をしたり、あえてラブレターを渡したり、古典的で確実なやり方が返って新鮮味を感じられます。

少なくともSNSでのやり取りよりも断然相手の印象はupするでしょう。

気持ちをSNSや文字で気軽に伝える人間が増えているということは、その反対の形である直接的な方法を取ることで、インパクトやありがたさが倍増する可能性が高まっているのです。

他にもSNSや出会い系文化が定着しているからこそ、あえてリアルタイムの世界でナンパをしてみると、意外性から相手が応じてくれる可能性が以前よりも高まっているような印象も受けています。

いざという場面で、直接話す気が満々でも、もしも相手がSNSでのやり取りを希望して逃げてしまったら、勝算は少ないかもしれません。

それでも、時期をずらすなりして言いたいことはしっかりと直接伝えられた方が、後々にもプラスに転じやすいです。

誰かが作り出した常識に流されずに、勝負の時には面と向かって気持ちをアピール出来るような勇者の傍に、私はついていきます。

2015年12月1日

Posted by TAKA