第158回「『上には上がある』と落ち込む受験生へ|他人との比較を手放し、自分の合格を勝ち取る心理学」

2026年8月15日

世の中、上には上がいるものです。

私自身、これまでの40年余りの人生の中で、幾度となく「自分より能力が上だ」と感じる人間に出逢ってきました。

今回は「勉強・資格試験」にスポットを当ててみたいと思います。

私が小学生の時に通っていた、そろばん塾でのエピソードです。

私が2年かけてやっとの思いで取得した珠算3級。

しかし、私より1年遅く入塾した同級生は、あっという間に3級に合格しただけでなく、2年目には2級まで一発合格してしまいました。

中学3年の時には、漢検3級の団体受験でさらに無力感を痛感する出来事がありました。

「無勉でも受かるだろう」と高を括って受験した結果、なんと私以外の全員が合格。

その中には、あの珠算塾の同級生もいました。

井の中の蛙だった私は、自分より実力が遥かに上の彼らに圧倒され、強烈な劣等感を味わったのです。

1. 「ギリギリ合格は恥ずかしい」という呪縛

大人になり、資格試験などに挑むようになっても、この「比較」の呪縛はつきまといます。

大して勉強した様子もないのに余裕で高得点合格する人もいれば、何度目の挑戦かでやっとギリギリ合格する人もいます。

一口に合格と言っても、傍から見ればいとも簡単に結果を出す人間が大勢いるものです。

すると、せっかく合格を果たせたとしても、追い討ちをかけるようにこんな意見を耳にすることがあります。

「ギリギリ合格なんて、真の合格とは言えない」
「余裕で合格した者こそ、努力の賜物であり価値があるのだ」

そんな優秀層と自分を比較して、「ギリギリで受かった自分はマグレだろう」「余裕で合格した人と比べたら恥ずかしい」と、素直に喜べなくなってしまう人がいます。

他人との比較は、このように自尊心を奪い、生きる気力すら萎ませてしまう悪影響を及ぼすのです。

2. 何点だろうと「合格は合格」である

私個人の考えからすれば、定められた合格ラインを突破できたのですから、何点だろうと「合格は合格」です。

それよりも大切なのは、その資格を取得した後に、いかに自分や家族、社会のために活用していくかです。

私の周りにも、社会福祉士試験にギリギリで合格した後、自分がずっと望んでいた相談部門への異動を叶え、生き生きと自己実現を果たしている人がいます。

行政書士や社労士などの上級資格を取得し、第一線で活躍されている方も複数いらっしゃいます。

実務の世界に出れば、点数や合格の仕方などは全く関係ないのです。

3. 真のライバルは「先を行く実力者」ではない

今、資格取得のために勉強している受験生の中にも、周囲の人間との比較によってモチベーションが下がってしまっている人がいるかもしれません。

「上には上がいるのは分かっているけれど、いざ現実を突きつけられると自信を失う」
「自分はまた来年再受験なのに、合格した人は憧れの世界に進んでしまい、距離が開いてしまった」

実は私にも、不合格の後に自分が惨めでやるせなくなり、自暴自棄になってしまった時期がありました。

そんなダメな自分に救いを求めるように夜の街をさまよってみたり、バーチャルの世界に浪費してみたりしても、心の空しさは広がる一方でした。

自分の生き方に自信が持てない時に、傍から見て上手くいっている人間と比較してしまうと、ますます深い負のスパイラルに陥ってしまいます。

しかし、あなたの真のライバルは、先を進んでいる実力者ではなく、他でもない「自分自身」なのです。

嫉妬や羨望といったドロドロとした感情から目を背けず受け止め、そんな自分に克てた暁には、必ず自己実現を果たすことができます。

まとめ:狭く深い「おめでとう」が人生の宝

雨のち晴れ。 少し休んでみて、またいつもの本調子を取り戻せたら、目標に向けて一直線に進んでいただきたいです。

そして、苦労の末に目標を達成した時。

広く大勢の人から称賛される必要などありません。

あなたの頑張りを一番近くで見守り、「本当におめでとう」と心から言葉を送ってくれる大切な人が、たった一人でもいれば、それは人生の何よりの宝です。

目標を達成した先には、あなたにしか歩めない新しい人生が待っています。

他人と比べる必要はありません。

人生の主人公は、あくまでもあなた自身なのですから。

投稿者プロフィール

たか
たか
たかさん(公認心理師 )

恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。

メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。

大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。

筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。

心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。

「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。

相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。

【保有資格】

公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種