第281回「同棲=結婚ではない|家政婦(相手軸)を卒業し、対等な関係を築く心理学」
「えっ!? なんで別れたの!?」
結婚寸前だったはずの知人・Y君が、彼女と別れることになったという報告を聴いた時は、まさに青天の霹靂でした。
Y君は職場の同僚である彼女と交際をスタートし、まもなく同棲生活を始めました。
もともと遠方から引っ越してきた一人暮らしの彼女のアパートに、会社から通いやすいという理由でY君が転がり込む形でした。
彼女もそれを否定することなく、二人は1年もの間、共に生活を送っていたのです。
別れ話を知る1ヶ月前までは結婚式の計画についてすら語っていたため、まさかの展開でした。
別れの理由は、Y君が彼女に振られてしまったというもの。
彼女は多くを語らず、一言で言うと「冷めた」というのが理由だったそうです。
プロポーズのタイミングまで考えていたY君は放心状態でした。
「俺の何が悪かったの? 結婚まで真剣に考えていたのに……」とぼやいていました。
真相は彼女のみぞ知るところですが、1年もの間共に住んで様々な面を見た結果、彼女にとってY君は「結婚を考えられる相手ではなかった」ということなのでしょう。
Y君は「もっと早く結婚を提案していれば……」と後悔していましたが、タイミングの問題だったのかは誰にも分かりません。
1. 「結婚を前提とした同棲」に潜む罠
Y君のケースとは反対に、初めから「結婚」というキーワードをちらつかせて同棲生活を開始するカップルも多数存在します。
特に、男性側から持ちかけるエピソードが実に多いのです。
ところが、結婚の前段階として同棲生活を始めたものの、どれだけ時間が経っても彼氏が具体的な話をしてくれず、悶々とした気持ちを抱えている女性の声をしばしば耳にします。
中には、2年以上彼を信じて待ち続けたのに一切の進展が見られないどころか、「彼が他に好きな女性を作って、数ヶ月後にゴールインしてしまった」という非情な話も実際にありました。
長い時間彼を信じ、家事と仕事を両立しながら尽くし続けた女性からすれば、その絶望感は計り知れません。
結婚の期待を持って同棲をスタートした自分と、結婚する気がない(あるいは同棲して満足してしまった)彼。
ずるずると関係を続け、彼女の献身に甘んじている彼との間にひずみが生じるのは必然です。
2. 言葉よりも「行動」がすべて
「論より証拠」という言葉があるように、男性がいくら都合の良い未来をちらつかせてきても、具体的な「態度」や「行動」が伴っていなければ、それは本気ではありません。
「彼はいつか変わってくれるだろう」
「もっと尽くし続ければ、わかってくれるはず」
そうやって献身的な姿勢に徹すれば徹するほど、皮肉なことに相手の結婚への意識は遠のいてしまいます。
もしかしたら、「今の状態に不満を言って、もし彼が離れていってしまったら……」という恐怖(相手軸の不安)から、無理をして”都合の良い彼女”を演じ続けてしまっているのかもしれません。
しかし、心の中では常に彼との将来に対してビクビクしており、「このままではいけない」という危機感に駆られているのではないでしょうか。
3. あなたは「彼の家政婦」でも「お母さん」でもない
ある程度の期限を決めて待っても彼に変化が見られないのであれば、彼のリアルな本気度を確かめるために、単刀直入に将来のことをどう思っているのかを尋ねてみることを強くお勧めします。
どうか、これだけは忘れないでください。
あなたは、彼の家政婦でもお母さんでもありません。
そしてあなたには、彼との将来について自分の意思を主張し、問い正す正当な権利があるのです。
恋愛も結婚も、彼本位(相手軸)のペースで進めていくものではありません。
あなたと彼が、「対等の立場」で築き上げていくものなのです。
自分の人生の時間を守るためにも、勇気を出して『自分軸』の意思表示をしてみませんか。
投稿者プロフィール
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たかさん(公認心理師 )
恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。
メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。
大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。
筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。
心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。
「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。
相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。
【保有資格】
公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種






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