第382回「マッチングアプリでマッチングしまくるのに、ハッピーになれない20代前半女性のわけ」

上手くいかない恋愛関係,実体験・人間考察コラムマッチングアプリ,うまくいかない

令和6年1月時点で、出逢いの主流になりつつあるマッチングアプリですが、私が活動している若者支援の中で関わっている20代前半女性菊池さん(仮)も利用歴2年になるくらい活用していました。

話を聴いたことあるエピソードだけでも、多い時は月に5名、週に1人以上の男性とデートを繰り返していました。

お相手の男性は20代から40代まで、年下から年上の男性と週替わりでデートを重ねていました。

中には、好みではなかったり、身体を求めていることが明らかで、一回で見切った男性もいれば、菊池さんの方が好意を持っても、相手の男性側からそっけなくなってしまって幕を閉じた関係もあったようです(要因は後述します)。

実際に交際関係に至った男性も数名いたようです。

しかしながら、実は相手の男性には別に付き合っている女性がいたことが発覚して音信不通になったり、相手の男性の要求に合わせていたら(デートや連絡の頻度)、日に日にぞんざいな態度になって行って、しまいには連絡が途切れてしまったという末路を迎えているようでした。

「私はなんでいつも男性運がないのだろう」と嘆いている姿を何度も目にしました。

ここまで話を見ていて、恐らくお気づきだと思われますが、菊池さんがマッチングアプリで知り合った男性とは、「大切にされた」関係は構築できなかったのです。

では、なぜ菊池さんが幸せになるためにマッチングアプリを2年間活用したのに、傷つくような展開になってしまったのでしょうか。

私が見立てるには、菊池さんの恋愛観に一因があったように感じています。

菊池さんが彼氏に求める条件は明確で、「年収が高い人」「容姿が良い人」の2点を重視していました。


マッチングアプリでは顔写真や年収等は可視化されますので、条件から菊池さんが気に入る男性が現れて、自分からアプローチしたこともあるようですが、前述したように、ライバルが多かったのも重なってか、なかなか本命として相手にされないとぼやいていました。

また、菊池さんは、恋愛イコール結婚という考えが強く、付き合う男性とは必ずゴールインしたいという思いを抱いていました。


結果的に、彼女のニーズに合う男性がいなかったことと、気持ちの温度差から破局に至ったケースが何度もあったようです。

恋愛に求める条件は十人十色ですし、マッチングアプリでは、様々なニーズを持った男女が知り合える合理的なツールであると私も経験上肯定的に捉えています。

ただ、菊池さんが哀しい恋愛を繰り返している背景には、決して埋まることがない空洞のような孤独があるように感じていました。

彼女は社会人ですが、非正規雇用の身で、年収でいうと決して高所得ではありません。
「結婚して早く楽になりたい」という願望を強く抱いていました。

結婚さえすれば、常に男性が傍にいて、孤独を埋められる、埋めてもらえると信じて止みませんでした。

裏を返せば、「楽になるために、マッチングアプリを使って結婚にこぎつきたい」ということです。

結婚相談所等は費用と費やす時間が影響して肌に合っていないのか、選択肢として除外しているようです(経験はあるそうです)

20代前半の若さで、10代後半に見えるくらいかわいらしい見た目で甘え上手な一面もあるので、マッチングアプリ上は市場価値が高かった分、マッチング率やいいね率は高かったようです。

ですが、2年間複数のアプリを駆使しても、ニーズに合う男性とは巡り合わなかったのです。

孤独を埋めるために、マッチングアプリを始める男女は珍しくはないと思います。

ただし、菊池さんのように、彼氏ができれば孤独から解放されると思っていても、それどころか傷つくような出来事が重なり、孤独が増しているという現状がありました。

その後の菊池さんですが、現在はマッチングアプリは使用していません。

何度も経験を繰り返したことで、男性と付き合うことで孤独が埋められるわけではないという事実に気づいたようなのです。

そんな菊池さんは、今、自分の内面と向き合って、幸せになるためには自分を大切にしてあげられること、そして育ってきた家庭環境や親子関係が今のマインドや生き方に影響を及ばしていると考えたようで、カウンセリングに通うようになって、変わろうと努力しています。

今回紹介した菊池さんの場合は、マッチングアプリを使って、ハッピーになれたという事例ではありませんが、「ハッピーになるために大切なことに気づきを得られた」とも言えます。

マッチングアプリを使ってマッチングすることが必ずしもゴールではなくて、幸せになるための一つのツールとして、アプリを使うことで様々な気づきを得られるメリットがある、と教えてもらえるエピソードでした。

Posted by TAKA