第232回「自分からは連絡してこない人を好きになって苦しんでいたら」
コラムタイトルを見て、ドキッとした方は一人や二人ではないのかもしれません。
メールやLINEを送るのも、遊びに誘うのも、いつも自分からで、相手側からほとんどと言っていいほど連絡が来ることはない。
暖簾に腕押しのように手応えがなくて、脈なし感は痛いほど伝わっているけれども、こちらから連絡をすれば返ってくるし、誘いにOKしてくれることもある。
だからかすかな期待を信じて、諦められない苦しみとの葛藤に憔悴しきってしまう。
受身男子、受身女子を好きになってしまった片思いの宿命のように思っている方もいらっしゃるかもしれません。
男女問わずにこのような一方通行の片思いに悩まれている方は日に日に増えているように感じています。
過去と他人は変えられないように、相手のペースが変化すること待つのは、精神的にかなりしんどいですし、見込みは薄いものです。
押して押して押し続けるような関係にはいつか限界が訪れますし、奇跡的に付き合うことができたとしても、こちらが我慢しなければいけないような時期が続いて、いつかは自分の心が膨張して弾けてしまうかもしれません。
恋愛はパワーバランスが崩れてしまったら、立て直すことはかなり厳しくなってしまうものです。
かくいう私もこれまでこのような片思いを何度か経験しています。
極めつけだったパターンは、相手側から連絡がくることは10回に1回あればいいくらいで、仮に自分から連絡をしたとしても、返信は早くて3日後。遅い時は2週間後という忍耐戦を繰り返した年下女子です。
最初の一ヶ月はまだ新鮮味があって、チャレンジ精神が満々だったので、勢いでガチンコ勝負をかけましたが、さすがに二ヶ月も三ヶ月もこのような関係が続くと、先の見えない砂漠をさまよっているような無気力感に支配されるようになって、本来の自分を発揮できなくなっていきました。
このままでは腐敗してしまう自分に危機感が募った私は、一気に勝負をかけるために、デートに誘ったり、「あなたのことを気になっていますよ」アピールに集中しましたが、ことごとく裏目に出てしまうのです。
一度や二度は応じてくれたものの、更に相手の返信が遅くなったり、ひどい時にはスルーされるなど、明らかにこちらの好意をわかっていて連絡を控えているのが安易に想像できました。
こちらから連絡をしても、十中八九かわされてしまった段階で、ゲームオーバーをつきつけられたのと同然です。
こうしてまた一つの節目を悟った自分は、複雑な気持ちを抱えつつも次に切り替えるのでした。
なぜあの人から連絡が来ないのか。
自分を一体どういう存在だと感じているのか。
相手が好意を持ってくれることはあるのか。
出口の見えないトンネルを暗中模索している方の真摯な声が今日も届いています。
正直、私でも相手の気持ちまでは量れないことが多いです。
人の気持ちはまとめて法則化できるほど簡単なものではありません。
単なる受身な性格によるところなのか、仕事やプライベートの方を優先しているのだか、一概には当てはめられないので、真相までは想像の域に留まってしまいます。
相手が何を考えているかまでは分かりませんが、限界を感じていたとしたら、軌道修正することはできます。
そんな時私がオススメしているのは、
「無償の愛を続ける」
か
「いっそのこと気持ちを伝える勝負に出る」
かの二択です。
人は自分の期待には応えてくれないものだし、何を考えているのかはいつまで経っても本当のところまでは分からない。
そういう原理原則を踏まえた上で、これからも相手に連絡をし続けるやり方です。
まるで根本的な解決にはならずに、また相手の一挙一動に振り回されて、苦しい関係が待っているような未来に潰されそうになる思いがするかもしれませんが、無償の愛という点がポイントになります。
たとえ相手が振り向いてくれなくても、自分と恋人関係として付き合ってくれないとしても、相手が喜ぶ顔を見られるだけでも良い。
相手の幸せ作りの一助になれるならば、自分のエゴは二の次だ。
二人のこれまでの関係を振り返って、相手と出逢えた感謝を実感できるような温かい気持ちが残っているとしたら、そこを全面的に押し出していただきたいのです。
そんな誰もができないような相手の幸せを優先するような選択を重ねられと、どうなるのかというところですが、実際に何らかの形でしわ寄せが自分に返ってきます。
一番の効果として、頑なになっていた自分の心が解れて、今まで気づけなかったような新しい視点が広がることを肌で感じることでしょう。
そんな都合の良い関係などはとてもではないけれども自分には実践できない。
そういう方のために、二つ目の思い切って勝負に出るという行動をオススメします。
相手の顔色をうかがいながら、自分の気持ちを抑えて付き合っていくのは辛いですよね。
好きな気持ちをブレーキしている片思いは本当に苦しいものですよね。
このままの関係にピリオドを打つということは、今まで通りの距離感は維持できないというプレッシャーを感じてしまうかもしれませんが、ついに辛い片思いから卒業する時期が訪れたのです。
まずはそこを認めてください。
気持ちを伝えてこれ以上失うものはあるのでしょうか。
思い切るという言葉は、捨てるものと得るものとを天秤にかけて取捨選択する行為です。
ここで勝負に出ることで、辛い片思いから解放されて、もっと自由に楽に進めそうというビジョンが少しでも浮かぶならば、目を逸らさずに今こそ行動に移す時です。
どちらの選択を取っても、決して悪い方向には進みません。
現状打開のために一歩踏み出しただけであなたの勝利なのです。
最後にですが、これは例外的に感じるかもしれませんが、世の中には、好意があったとしても、自分からはなかなか積極的に連絡をできない人間も少なからず存在します。
返信がきたり、誘いに応じてくれる限りは、決してマイナスな関係ではありません。
主導権は自分にあるという具体に強みにして、自分から連絡を取り続けてみる道も一筋の可能性につながる場合もあります。
そこで自分から諦めなければ付き合えたのにと感じるケースも稀にあるのです。
いずれにしても、自分だけで考えるのでは視野が狭くなりがちですから、一つ新しい行動を起こす前に客観的な判断が必要になった場合は、私に聴かせていただいたり、信頼できる第三者に相談してみることもオススメです。
その苦しみを経験しているのはあなただけではありません。
焦りや不安に惑わされずに、ともに現状打開を図りましょうね。
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