第105回「恋人ができればコンプレックスが解消されるのか」 その2
前回は、恋愛コンプレックスを抱えていた彼女いない歴=年齢の高3男子S君が、一念発起して彼女を作るために、出逢い系サイトに没頭するようになった過程をお話しました。
夏休み直前に、一つ年下の女子高生と人生初のデートにこぎつけたところから本編が開始します。
大型ショッピングモールで待ち合わせしたS君でしたが、はじめて通信の世界から生身の女性と二人で逢える感動と興奮から、ボルテージが上がりっぱなしでした。
女子の名前をCちゃんとしましょう。
Cちゃんの容姿は期待していた以上ではありませんでしたが、自分のために逢いに来てくれた喜びから、S君は直感的に、「この子とは良い関係になれるかもしれない」と悟ったようです。
Cちゃんとはファーストフードで軽食をしながら、趣味のこと、学校のことなどを話しましたが、S君の頭の中では、
Cちゃんは恋人もおらず、S君が試しに放った軽めの下ネタに乗ってくれたことからも、S君の中では「イケるかもしれない」という期待が高まったようです。
この時のS君は、モテなかった自分がこの機会を逃したら、彼女いない歴=年齢にピリオドを打てるチャンスはないし、初体験を迎えられるかもしれない千載一遇のチャンスだと見込んでいました。
結局、Cちゃんの都合から、この日はショッピングデートのみでお別れしてしまったのですが、これで関係がおしまいにはならず、メールだけのやり取りから発展して、電話でも交わせるようにもなりました。
そして、S君は電話で盛り上がった勢いで、次のデートの約束を取り付けました。
恋愛経験がなかったS君は、ネットや雑誌でデートでの振る舞いを研究して、本番に臨みました。
「花火に彼氏がいない女子を一対一で誘うことが出来れば、告白の成功率は大だ」
という情報を入手していたことから、自信をつけていました。
花火大会が終わった後、余韻が醒めないうちに、S君はCちゃんに意を決して、人生初の告白を行いました。
結果は二つ返事でOKでした。
初めての告白に成功して、ボルテージもMAXに達したS君は、この後ある本来の目的を果たすために、自分の家にCちゃんを誘いました。
Cちゃんはなんのためらいもなく、S君の自宅についてきました。
S君はネットの情報で、「男の家についてくる女性は、100%HをOKしてくれる」という情報を頭に入れていたため、この勢いで念願の初体験を迎えられるという確信がありました。
この日はちょうどS君の両親が不在だったため、条件は整っていました。
自転車で自宅に向かう途中、S君は昨日までの恋愛に縁がなかった自分が嘘だったかのように、生まれ変わった自分に酔いしれていました。
「俺ももうすぐ男になれるんだ」
Cちゃんと一つになっている姿がリアルに想像できて、隣で自転車をこぎながら、自分についてきてくれているCちゃんの唇と胸元に何度も目をやりながら、支配欲に満足していました。
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