第108回「飲み会後の「猛烈な虚しさ」の正体とは?大人数の場で孤独を感じる理由と心理学」
「本当は参加したくないけれど、付き合いがあるから断りにくい……」
近年、若者を中心に「飲みニケーション離れ」や「コスパ・タイパ(時間対効果)重視」の価値観が定着し、無理な飲み会を避ける人が増えています。
しかし、仕事や旧友との付き合いなど、断りきれずに無理をして参加してしまう場面は今でも少なくありません。
大騒ぎする賑やかな宴会の最中、ふと「自分はここで何をしているんだろう」と強い空虚感に襲われた経験はありませんか?
今回は、大人数の飲み会で感じる「猛烈な孤独感と虚しさ」の心理メカニズムと、自分軸を取り戻して傷ついた心をケアする方法をお届けします。
【実体験】大人数のハイテンションなノリと、取り残された自分
私自身、20代の頃に大学時代の同級生ら8名ほどが集まる飲み会に参加した時の出来事が、今でも深く記憶に残っています。
メンバーの中には「友達の友達」という初対面の人も多く、年上も混ざっていました。
乾杯の音頭を皮切りに始まったのは、まるで学生サークルのような体育会系のノリのどんちゃん騒ぎです。
私はもともと、信頼できる少人数でじっくり話す方がリラックスできるタイプ。
相手を知る前に自分を出すのが苦手なため、アウェー感に包まれたその場では「終始聞き役に徹する」ことで、嵐が過ぎ去るのをじっと耐え忍んでいました。
表面上は笑顔で合わせつつも、心の中では「早く終わってくれ」と祈るばかり。
まるで自分の存在が消えてしまったかのような、途轍もない孤独感と疲労感に襲われ、2時間が永遠のように感じられました。
なぜ大人数の飲み会で「孤独」を感じるのか?(心理学の視点)
周りに誰もいない一人きりの時よりも、「たくさんの人が賑やかに楽しんでいる場」にいる時の方が、人はより深い孤独感(虚無感)を覚えることがあります。
これには、心理学における2つの要因が関係しています。
1. 「心理的安全性」の欠如と過度な認知的負荷
自分を素直に出せる「安心できる居場所(心理的安全性)」がない環境で、周囲の顔色を伺いながら「ノリのいい自分」や「愛想笑い」を演じ続けると、脳は猛烈な疲労を感じます。
自分の本心を抑圧し続けることで、自分自身との繋がりが切れ、「自分を見失った感覚(空虚感)」に陥るのです。
2. 周囲とのコントラスト(客観的な孤立感)
ハイテンションで自分をアピールする人たちと、馴染めずに静観している自分との間に温度差を感じることで、「自分だけがこの空間から浮いている」という認知の歪み(疎外感)が強調されてしまいます。
帰りの電車で芽生えた衝動と「本来の自分」の回復
飲み会が終わった帰りの電車の中、私を襲ったのは筆舌に尽くしがたい虚しさでした。
居ても立ってもいられなくなった私は、夜道を歩きながら衝動的に「最も信頼できる旧友」に電話をかけました。
今思えば、失われかけた自分の存在意義(自分軸)を確かめるための無意識のアクションだったのだと思います。
旧友は私の愚痴や弱音を黙って聴き、ありのままの自分を丸ごと受け止めてくれました。
その瞬間、すーっと胸のつかえが下がり、本来の自分を取り戻すような安心感に包まれたのです。
周囲に合わせすぎて「偽りの自分」を演じなければならない環境ほど、心にとって苦痛なものはありません。
聞き役に徹した「あなたの価値」と今後の処方箋
あのような場において、不満を表に出さずに最後まで周りの話に耳を傾け続けたあなたの誠実さは、決して無駄ではありません。
心理学において、相手の話を評価せずに受け止めるアプローチを「アクティブ・リスニング(積極的傾聴)」と呼びます。
誰もが「自分を見てほしい、話を聴いてほしい」と叫んでいる宴の席で、静かに聴き役に徹することができる存在は、実は非常に貴重でありがたい存在なのです。
しかし、自分の心を削ってまで嫌な場に付き合い続ける必要はありません。
- 行きたくない飲み会は「自分軸」で断る勇気を持つ(理由を深追いさせず、丁寧にお断りする)
- もし虚しさに襲われたら、信頼できる人にだけ胸の内を明かす
周りの顔色を窺う必要がない「素の自分になれる場所・相手」を大切にしてください。
無理な付き合いを減らし、あなたが心からリラックスできる時間と人間関係にエネルギーを注いでいきましょう。
自分を偽るのをやめた時、あなたの心はもっと軽やかになるはずです。
投稿者プロフィール
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たかさん(公認心理師 )
恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。
メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。
大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。
筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。
心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。
「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。
相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。
【保有資格】
公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種





ディスカッション
コメント一覧
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リアルの世界では絶対に人に声なんかかけられない私ですが、コメントさせてください。小学校の時に絵日記には特別なことを書かなくていいと言われたのをこのブログを見て思い出させられました。ブログが取り留めもない日々の連続でとっても素敵ですね。
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>リサ ~ニート城を買う~さん
はじめまして。
私には気付かなかった視点から、コメントをありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。