第314回「TwitterやFACEBOOKを見て凹んで虚しさを覚えていたら」

2015年12月10日上手くいかないネット、SNS、メール

「ドロドロした嫉妬」がスーッと消える本

第311回「復縁や再告白を目指している時に、見てはいけない○○○」

では、失恋直後は相手のSNSを覗いても百害あって一利無しという極論を描きました。

相手の生活ぶりを知ることで、事を有利に運ぼうとしたところで、自滅してしまうカラクリを述べました。

SNSの世界を垣間見たとしても、そこには等身大の生活ぶりが映し出されてはいません。

笑顔満載の写真であったり、仲良しメンバーとのやりとりを目の当たりにすれば、そこに自分が存在しない虚無感と孤独感で胸が締め付けられてしまうでしょう。

充実している相手の生活と、たった一人取り残された自分の人生と比較してしまい、いかにみじめで虚しいのかを味わうことになって、心の傷がえぐられるような思いに苦しむ人々が多いのです。


これは、恋愛だけではなくて、SNS文化全般に共通しているものです。

相手のページを見ると凹んでしまうという経験がない人の方が少ないのではないでしょうか。

ミシガン大学の研究者が、20代を中心とした82人のSNS利用を2週間にわたって調べた研究によると、SNS(この場合はFacebook)を使えば使うほど、不幸で悲しい気分に陥る可能性が高い結果が出たという調査結果も出されています。

参照:リア充のつもりが…SNSを使えば使うほど「不幸な気分になる」と判明


自分の生活が充実してない時ほど、勝手にアクセスして、勝手に比較して落ち込むというサイクルを辿ってしまうのは、SNSの魔力なのかもしれません。

他人と比較してしまう中でも、SNSの世界の他人と比較するほど虚しいものはありません。

なぜならば、そこに映し出された世界と、現実世界とでは、180度異なっているというのが珍しくないからです。

私生活にほころびがあったり、不足感を強く覚えている人間ほど、SNSの世界に没頭して、理想的な自分や生活を演じていることもあるのです。

先月、ニュースで取り上げられた「ハイパーエリートニート」の肩書きを謳ったばびろんまつこ(HN)という女性がいます。

彼女は、自身のTwitterを使っていかに自分がセレブな生活ぶりであるのか、男性にもてはやされているのかを、文字と写真を駆使してことあるごとに発信していました。

その生活ぶりが虚像であったことが事実になったのは、とある一つの事件が明るみになったからです。

彼女は、ネットオークションで高級ブランドカルティエのブレスレットの偽物を京都府内の主婦に65万円で販売したことで、詐欺と商標法違反で逮捕されたのです。

他にも高級ブランドバッグなど計5万円ほどで入手した“偽物”を“本物”として売り、400万円ほど売り上げたと供述しており、造られたセレブ生活の実態が浮き彫りになったのでした。

参照:【画像あり】”女版与沢翼”ハイパーエリートニートの「ばびろんまつこ」松永かなえが詐欺で逮捕・・・


かねてから彼女のTwitterを見ていたネットユーザーたちは、「やっぱり怪しいと思っていた」という声を唱えていましたが、私が彼女のTwitterを一通り目を通して感じたのは別の感想でした。

彼女が発信していたようなツイートは決して特別ではないと。


私は情報収集を行う手立ての一つとして、Twitter検索で様々なユーザーのツイートにアクセスしていますが、彼女のように自撮りやリア充ぶりを全面に出しているアカウントは少なくはありません。

その過程で、知らない人間の「めっちゃ人生充実しています♫」「青春エンジョイしています♫」的なツイートが次から次へと目に飛び込んできます。

彼女のようなオフラインとオンラインを使い分けている人間は氷山の一角でしょうが、潜在的にかなり存在するのではないかと想像しています。

SNSの世界は都合の良い自分をアピールできるかっこうの空間だからです。

そこにあるのは等身大の相手の姿であるとは限らないのです。

極端な話、性別も、年齢も、職業も、いくらでも演じきることができます。

一部を見て、過大解釈して自分の人生を悲観してしまうのは、実に無意味であるということです。


もしもSNSを頻繁に使えば使うほど自信を失ってしまったり、自分だけが取り残されてしまったような絶望感を覚えてしまう時には、この言葉をふと思い出していただけると嬉しいです。


SNSの世界と現実世界がイコールであるとは限らない。

いくらでも都合の良い面だけをアピールできるのだから。

一部を見て、別次元に住む特別な人間であるからと、自己卑下する必要はないと。

SNSの世界から身を遠ざけても生活に支障はない。

むしろ心の浄化は離れることから始まるのだと。

2015年12月10日

Posted by TAKA