第72回「メールの返事が返ってこなくて、不安で不安で仕方がなかったら」
みなさんは、好きで好きで仕方がないあの人と、携帯のメルアドやLINE交換できた時の感動を覚えていますか。
よっしゃ!これで、プライベートでも親密になれるんだ!
それまで顔見知り程度だった知り合いや、同僚レベルだったのが、一気に心の距離が縮まったようで、今後の展開と可能性に、期待と希望で胸がいっぱいになったのではないでしょうか。
それがどうしてこんなことになってしまったんだ。
今では、メールを送っても返事が返ってこないし、ようやく返ってきても、短文で素っ気ない。
既読になって数日経つのに何のリアクションもない。
こっちは相手と仲良くなりたい気が満々なのに、あの人の反応はいつもいまいち。
ねぇ、いつになったら返してくれるの。
あなたは今何をしているの。
もしかして送った内容が悪かったのかな……。
何度も何度も「問い合わせ」を押してしまったり、自分が送った文面に問題があったのではないかと、繰り返し送信済みのメールを確認してしまう始末。
「この表現がいけなかったのかなぁ」と、仮説を立てて心の動揺を落ち着かせようとしてみる。
けれども、一向に返ってこない一通のメールによって、気が気がなくなってしまう経験は、誰もが一度はあるのではないでしょうか。
どうしてメールを返してくれないの。
自分のことが嫌いなの。
無視なんて一番つらいよ。
無言の時間が最悪の想像を駆り立てて、いつしか返ってこないメールの影響で、他に何も手をつけられなくなってしまうくらい気力を失ってしまう日々が続いていたとしたら、もういい加減打開したいですよね。
メールの苦しみからどうすれば解放されると思いますか。
メールやLINEを送ることをこの瞬間からやめることです。
そんな答えは誰だって思いつくし、やめたくないんだよ!
メールをやめなければならない必要性を感じられずに、反発を覚えたかもしれません。
でも、冷静に考えてみてください。
メールについて、
「メールを送る=必ず返ってくるもの」
「自分の気持ちをメールで送る=必ず好意的に受け取って反応してくれるもの」
といった、固定観念に似た感情が頭の中に浮かんでいないでしょうか。
自分が好きになった相手だからこそ、気合の入ったメールを送りますし、結果として無反応だと、期待の裏返しで、裏切られたような失望感に胸が支配されてしまうのではないでしょうか。
現実問題、相手には相手の都合がありますし、ペースは自分の思うようには変えられないのです。
分かっている。
頭では分かっているけれども、メールができなくなったら、もう関係が続かないんだよ。
もしかしたら、メールをやめられない原因を、メールが唯一無二の相手とつながるツールだと認識されているのかもしれません。
自分でも「メールの限界」を自覚しているけれども、こちらからメールをやめてしまう選択を選んだら、皮一枚でつながっている接点を失ってしまうかもしれない。
そんな恐怖から、メールを送るのをやめられないのかもしれません。
不安で不安で、このまま関係が途絶えてしまうのかもしれないという結末を常に想像してしまう。
メールさえ返ってくればこの苦しみから解放されるのに。
そうだ、あの人が送ってよこさないのは、何か事情があるからだ、だったらもう一度違うメールを送ってみよう。
相手から返事が返ってこないことで、自分の存在を否定されてしまうのが怖くて、間を開けずすぐに、再三のメールを送ってしまうかもしれません。
それでも、相手からは変わらず返事が来ず、心に残るのは更なる虚脱感と相手への猜疑心。
メールは、相手の姿が見えないからこそ、想像は膨らみ、最悪のパターンばかりが脳裏によぎってしまうものです。
もうそんな辛い体験を重ねているみなさんは「メールの限界」に気付いているはずです。
相手への信頼も揺らいでいることが隠せないはずです。
そうやっていつもいつもメールが返ってこなかったり、ようやく返ってきても相手の反応が素っ気なくて、一喜一憂している関係は、一方通行です。
とても相性が合う仲だとは言えません。
問題を認めて行動を改めることは怖いし、一朝一夕ではいかないでしょう。
誰だって、今まで行ってきた習慣を変えて、新しい一歩を踏み出すのは、不安を感じるものです。
もしかしたら、相手も考えがあって今は返信ができないのかもしれません。
相手は自分の時間を最優先しているのだとしたら、あなた自身も自分にスポットを当てて、今をエンジョイしなければ、もったいないのです。
これだけの苦しみを抱えている相手だから、こちらからは放っておいていいんです。
来るときは来るし、来ない時は来ない。
無情のようですが、人の気持ちだけは自分の思い通りにはならないものです。
あなたの個性やこれまで行ってきた努力は、メールの関係で否定されるものではないのです。
バーチャルの世界から一端身を引いて、あなただけの生活に目を向けていれば、忘れかけていた自分らしさを取り戻せるようになれるものです。
自分を癒やしてあげられるのは、他でもない自分なのですから。
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