第140回「ソーシャルネットワーキングサービスの人間関係に疲れたら」

2015年12月1日上手くいかないネット、SNS、メール


もしも好きな人が考えていることがわかったら、

もしも好きな人が過ごしている様子がわかったら、

こんなにも不安な気持ちや憶測の連続に悩むことはないのになぁ・・・・・・。


私が片思い中に、頭の中で何度も唱えていたぼやきですが、みなさんも経験はありませんか。

人を好きになると、相手の姿や思考が「わからない」からこそ、不安になるものです。

でも、もしあの人の生活を垣間見ることができたら、不安が和らぐものなのでしょうか。

現代社会において、急速に普及しているソーシャル・ネットワーキング・サービス(通称SNS)において、利用者の私生活を容易に知ることが可能になりました。


mixi、LINE、ツイッター、Facebook等のサービスが代表です。

 
利用者の増加に伴い、私のもとに寄せられる相談ケースの中でも、

「SNSを使用していることで、恋愛の悩みが切り離せなくなってしまった」

という訴えが目立つようになりました。


共通しているのは、相手の過ごしているリアルな生活が様子が分かるからこそ、苦しみが増してしまったという点です。

これは、冒頭に挙げた、

「好きな人の実態が分かれば悩みが和らぐのに」

といった理想とは、対極的な感情であることが分かります。

分かってしまうからこそ、不安が増大してしまうのです。


以下は、実際に、ツイッターやmixiを利用していて、どのような場面で辛くなったかどうかの生声です。

・好きな人が自分の知らない(もしくは知っている)他者と仲良さそうにしている姿が、コメントやイイネ!で見えてしまう。
 
・好きな人に携帯メールを送って返事がなかったのに、ツイッターやmixiにログインして見てみると、何事もなかったかのように、 第三者とやり取りしていることが分かった。自分って一体何なの。

・既読になっているのに、もう2日間も返事が返ってこないよ。

・自分の投稿にはイイネ!をくれずに、他の相手にはちゃんと返している。


共通しているのは、嫉妬心、虚無感、バーチャルと現実世界との乖離に、みなさんが苦しみ続けています。

 「こんな複雑な気持ちに支配されるのならば、シャットアウトしてしまった方が精神安定上に良い!」

 と、サービスを脱会して一切目に入らないようにされている方もいらっしゃいますが、大半の方は、利用を継続されています。

他の人間とのつながりと目的で、止めるわけにはいかないし、かといって、好きな人をマイミク登録を外すことも相手に分かってしまうから、選べない。

でも、ギクシャクしていしまう気持ちは避けられない。

見てはいけないけれども、見てしまうこの気持ちがコントロール出来ないんだ。

そう悩まれている方も少なくはないと思います。


私の場合を言うと、mixi、ツイッター、Facebookすべてアカウントを持っていますが、それぞれ目的を使い分けて利用しています。

mixiとツイッターは、サイト更新情報、フォロワーさんへのフォロー等を中心に、Facebookは現在全くといっていいほど利用していません。

その中でも、開始した2012年当初のFacebookの機能には、琴線に触れるものがありました。

Facebookは基本、実名を使用して、現実生活で過ごしている友人・知人とのつながりを重視したサービスなわけですが、音信不通になっていたかつての旧友を簡単に見つけることができるのが特徴であります。

私は、Facebookを開始したことで、10年間音沙汰が途絶えていて、コンタクトを取れなかった高校時代の同級生や恩師と接触できて、現実世界で再会を果たすこともできました。

アメリカやイタリアに住んでいる海外の友人ともやり取りができて、アップロードされた写真やおすすめリンク等を見ると、日常生活、近況を知ることができるのは、メリットです。

ところが、先述したmixiやツイッターの例のように、「私生活が見えすぎてしまう」というのがメリットでもあり、デメリットでもあります。

仲の良い友人のページを見ると、自分が知らなかった世界観が目に飛び込んできました。

自分が会ったこともない人間とのやり取りや、自分が見たことがない楽しそうにしている集合写真の一面を見ると、何とも言えない孤独感、嫉妬心みたいなものに駆られることがありました。

友達の人数が100人を超えていると、まるでまだ十数人しかいない自分がちっぽけに思えてくるような錯覚にも陥りました。

相手の近況写真や、友達とのやり取りが、タイムライン上(自分のページ)に、自分の意思とはお構いなしに飛び込んできて、プライベート情報を真に受けていると、疑心暗鬼に駆られたり、自己卑下に苛まれてしまい、長続きできないかもしれません。

私が友人達の自分の知らない一面を知ってしまったことで、見る目が変わったのは事実です。

もう一つ心に残ったのは、心のどこかに封印していた人間を見つけられたことです。

興味心で昔好きだった片思いの相手の名前や、最初の大学時代の友人の名前を検索してみたところ、一瞬にして本人を発見することができました。

最近撮ったと思われる本人の写真を見れたり、どんな人が友達なのかが表示されました。

忘れていた過去が蘇って、なんとも言えない気持ちに支配されると同時に、「見なければよかった」という後悔の念にも駆られました。

ネット上では、同じように悩んでいる方がいるようで、「Facebook疲れ」「SNS疲れ」といった言葉も登場しています。

ありがちなFacebook疲れに5つのささやかな処方箋
 
友達のリア充ぶりを見てヘコむFACEBOOK病

私は、Facebookやmixi等を使っていて、「この人の発信は見たくない」と、ストレスを感じる相手に対しては、設定を個別調整して、表示されないように変えています。

そもそもSNSは、活動のPRや近況報告のために有効活用できるため、限定的に使用しています。

SNSは、どれも一長一短ありますから、恋愛も、人間関係も、精神的に負担のならないように、うまく使いこなしたいものですよね。

2015年12月1日

Posted by TAKA