第327回「組織にとらわれない生き方を実現した“暇な女子大生さん”とは」

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暇な女子大生が馬鹿なことをやってみた記録暇な女子大生

確か「暇だから30代男性を逆ナンしてみた」という記事だったと思います。

2014年の終わりごろ、「ナンパ」のキーワードでネットサーフィンをしていたところ、筆者である暇な女子大生さんの異色なコンテンツが飛び込んできました。

その一部始終は、一度見たら忘れられることがないほどのインパクトでした。

彼女は2013年の5月頃からブログを開始されていて、今回私が目にした記事、女子大生が逆ナンをするという発想自体が興をそそられました。

まるで漫画のように軽快な物語が展開されていくその独特なテイストを受けて、思わずこうツッコミたくなりました。

暇な女子大生さん!?あなた何者?


衝動的にざっと彼女のルーツを調べてみると、彼女は大学を1年間就職浪人のため留年されていたようでした。

ちなみに現在は大学を卒業されて、ラジオ番組出演、雑誌執筆、広告収入などを生業にされています。

就活で持て余した時間を憂さ晴らしのように、ブログに綴り始めたことがきっかけのようでした。

彼女の代名詞でもある「暇だから○○してみた」というくだりも、そこから生まれています。

その当時はまだそこまで彼女の背景を調べることもなく、食い入るかのように別の記事を読み漁りました。

関連記事の「暇だから300BARに行ってみた」も刺激を受けて、私が一か月後の翌年の1月に東京ドーム街コンに初参戦したきっかけの一つも彼女の影響力でした。


最近久しぶりにブログをアクセスしてみたところ、イギリスに旅レポを綴るために旅立たれたようでした。

昨年には冒頭に取り上げたブログ初の書籍『暇な女子大生が馬鹿なことをやってみた記録』も発売されていて、その活躍ぶりから彼女のルーツをより詳しく知るべくネットでリサーチしてみました。

◆ 就活に全滅したことで決意をした「文章を書く」という生き方

彼女が大学4年時からエントリーした会社の数は300を超えており、内定はゼロだったようです。

就活を振り返ってみて一言で表すと、「茶番」だと。

ある企業の最後の社長面接で『あなたにとって働くうえで大事なことは?』と聞かれて、『えーと、過労死しないように会社から自分を守ることです』と答えたら、ブチ切れられて落とされました。ウケ狙いとかじゃなくて素直にそう思ったんです。就活って、就活生が『入れてください。お願いします』というスタンスじゃないですか。それに違和感があった。組織への従順さを、入社前から求められるのって変ですよね。

死ぬな就活生、内定ゼロでも逆転あるより引用

その後ブログをコツコツと更新しているうちに、ブログを閲覧していたと思われるあるIT企業から「会社に来ないか?」というオファーを受けられたそうです。

彼女は当時のことを以下のように振り返っています。

一生親のすねをかじって生きていくしかないと思っていた私にとってはまさに棚から牡丹餅。瓢箪から駒。二階から西島秀俊。裏庭から松田龍平な出来事です。

綺麗なオフィス、好い待遇、優秀な仕事仲間。「上司の一言一句、一挙手一投足に虫唾が走る」という病に侵されるその日まで、私は夢のような「会社員ライフ」を送ることが出来ました。

結局辞めるまで2か月と持たなかった私が出した結論、「会社員向いてない!」

就職したことのない暇な女子大生が上から目線で語るコラムより引用


組織に所属せずに、好きな文章を書いて、生計を立てていく。

理想として描いてはいたとしても、形に表して生きて行けるような人間はほんの一部でしょう。

彼女はなぜ実現することが出来たのでしょうか。

◆ コンプレックスやストレスをブログのモチベーションに

そもそも彼女の活動の原動力は何なのか。

それは、私たちも多かれ少なかれ日々感じている「ストレス」をモチベーションにしていると言うのです。

最初は、有名になって「家族とか学校の人とかに復讐したいな」っていう気持ちがあって。そのモチベーションでやってたんですけど今はそれも薄れてきてしまいました。だからアルバイトとかして自分のことを知らない人たちの中で嫌な思いをしたほうがいいのかなって思います。

「暇な女子大生さん」の想像力を支える「闇」に迫るより引用


彼女のブログを見ていれば伝わってきますが、彼女は自身のコンプレックスや不足感を包み隠さず表現されています。

例えば、比較的最近の記事である2015年12月付「暇じゃない」の中でも、すぐに人を嫌いになってしまう自分への葛藤や苦しみを正直に綴っています。

彼女は誰かに媚びるような当たり障りのない文章ではなくて、嫌われてもいいことを前提に本音をぶつけているのです。

彼女の人間味が際立って人々の心を掴んでいる秘訣は、まさに「嫌われてもいい」ことと、「思い立ったが吉日とばかりにガンガン外に出て行動に移しているアクティブさ」なのだと感じました。

彼女は今後の展望について、「いつでも逃げられる態勢でいたいので、アルバイトでいい」と口にされています。

「暇な女子大生さん」の想像力を支える「闇」に迫るより

実際に、「暇だから」の記事でもあるように、昨年末に郵便局での年末仕分けアルバイトを行っています。


世の中には社会で組織に所属するという生き方に拘泥せずに、自分の個性を最大限に活かした人生に尽力している人間が存在しますが、まさに彼女はその一人です。

彼女はブログという媒体を使って、世界中の誰もにアピールしたことがブレイクの鍵でした。

きっかけは就職浪人時代の就活のストレス解消のようでしたが、もしも個人の手帳や日記に書き留めていたら、間違いなく今の彼女の生き方は成り立っていなかったでしょう。


お次に紹介するのは23歳で人生の岐路を迎えた男性の話です。

昨年私が読んだ一冊で、『うつ病で半年間寝たきりだった僕が、PC一台で世界を自由に飛び回るようになった話』という書籍があります。

ビリギャル』を輩出した投稿サイトSTORYS.JPで生まれた実話をもとにしたエピソードです。

筆者も暇女さんと同じように、大卒後一度は就職しています。

しかしながら、人間関係のストレス等から体調を崩してしまい、半年間うつ病で自宅療養生活を送るようになります。

そんな自分を変えるために、ワゴン車で日本横断をしたり、福岡の旅館で住み込みで仕事をしたり、大阪のあいりん地区で下宿生活を送りながら様々な人々との触れ合いを通して自分なりの生き方を確立していきます。

参照:STORY.JPより筆者インタビュー


まさに暇女さんと同じように組織にとらわれないという生き方でした。

PC1台で収入を上げていったという点で両者とも共通しています。

先行き不透明なこれからの時代、組織にとらわれずに自分なりの生活を確立していくという生き方がもっと如実になっていくでしょう。

逆境に打ちのめされて絶望に崩れ落ちないためには、諦めないこと、そして自分の身の丈に合った行動を重ねていくこと。

かくいう私もお二人のような生き方を模索している一人なので、このお二人の生き方は先輩として学ぶべき点が大いにありました。

今回彼女のルーツを調べることで、暇な女子大生さんご本人と逢ってお話を交わしてみたいという気持ちがどんどん高まっています。

きっと自分にも共通するコアの部分があり、共鳴するところが多々あったからです。

「暇だからTAKA氏と逢ってみた」

なんて記事を綴ってもらったら最高ですね(笑)

参照:なんで大ブレイク? ブロガー「暇な女子大生」とは何者か

Posted by TAKA