第284回「孤独に震えていた美少女がニコ生主という世界から卒業するまで その1」
※平日の東京大神宮より
※これから旅先で撮影したゲンカツギや幸運up画像などを記事でアップロードして行きます。
ブログやツイッターを使って、自己表現に力を入れる若者が急速に増えています。
SNS最先端を行く今日の日本では、バーチャルの世界に足を運んで自分らしさを模索している人間が少なくはありません。
その影響で、犯罪自慢や、脅迫文をツイッターや掲示版で発信するような事件が後を絶ちません。
アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローの言葉を用いるならば、
「誰かに認められたい・尊敬されたい」という過度な承認欲求に駆られて、自制心を見失った結果に、逸脱行為に走ってしまうのかもしれません。
自分を認めてほしい。
たくさんの男性に愛されたい。
私の知人である清子(仮名)ちゃん20歳もその一人でした。
彼女はいつもニコニコしているので、誰からも愛されるようなチャーミングな人柄です。
そんな彼女はその表情とは裏腹に、深い孤独をずっと抱えていました。
今回と次回の2回に渡ってその顛末をお話して行きます。
清子ちゃんの両親は共働きの自営業で、夜遅くまで仕事に傾注していました。
物心ついた頃から一人で過ごす時間が日常でした。
甘えたくても、甘えられる両親もおらず、いつも人形に話しかけていたり、少女コミックを読んで空想の世界に耽っていました。
彼女は温かい家庭というものを知らなかったのもあり、友達とのコミュニケーションも上手く築けずにいました。
学校のような集団の場では、自分の出し方が分からずに、必要以上に神経をすり減ってしまい、いつも浮いていたようです。
彼女は、中学と高校でいじめを経験するようになります。
同級生には感情表現が少なくて、何を考えているのか分からないようなミステリアスな印象を与えていたようで、排他的な眼差しを持ついじめっ子から標的に合ったようなのです。
彼女の特徴である声も、良く思われていなかったのでした。
いわゆるアニメ声のようなかわいい声が、嫉妬の対象になっていたようです。
二次元の世界に登場するような美少女のような雰囲気が、一部の女子にとって受けが悪かったのです。
もともと内向的だった彼女ですが、この体験が加速してますます自分の殻にこもるようになりました。
それでも、彼女は常に人に愛されたいと言う願望を、胸の中から消し去れずにいました。
そんな彼女に人生の転機が訪れます。
高校3年次にアクセスしたニコニコ生放送との出逢いでした。
その世界では、ニコ生主という立場で、歌を唄ったり、雑談をしたり、ゲームの実況中継をしたりなど、それぞれの得意分野でネットユーザーと相互のコミュニケーションを繰り広げているのです。
彼女の中でかつてない何かが降臨したようです。
私もここでブレイクしたい!
この世界では誰も自分のことを知らないし、その気になれば今すぐにでもスタートできる。
彼女はためらわずに、ニコ生主へと転向しました。
大学デビューならぬニコ生デビューでした。
もともとアニメ声で童顔という最強の男子受け要素があったのもあって、みるみるうちに彼女の人気は高まって行きました。
彼女が作ったコミュニティの参加登録人数は1000人を超えて、毎日20時からの生放送が日課になっていました。
学校では相変わらず孤立化していましたが、この世界では完全なるアイドルです。
今日こんなことがあったという日記のような内容でも、嬉々として集まってくる男性がゾロゾロいます。
何人もの男性が「かわいい」を連呼して、彼女が発する一言一言を持ちあげてくれるのです。
彼女の承認欲求が満たされていくのも想像に容易いでしょう。
彼女が見つけた自分の居場所、それは他でもないネットの世界だったのです。
彼女が人前でニコニコ愛想を配っている振る舞いが定着したのは、奇しくもニコ生放送で浴びていたスポットライトの快感からでした。
ますますニコ生主としての活動に傾注していくようになるのです。
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