第266回「恋活・婚活を頑張っても良い人がいない理由|「好きになってくれる人を嫌になる」自己否定の心理学」

2026年8月5日


出会いを求めて、マッチングアプリで何十人もの男性とメッセージをやり取りしたり、週末ごとに街コンや婚活パーティーに参加したり。

さらにはオンラインの趣味コミュニティや結婚相談所まで、あらゆる手段を試している。

延べ50人以上の男性と出会い、中には好意を持ってもらえることすらあるのに、なぜか心が動かない。

「この人だ」と思える相手に出会えず、心が満たされないまま新しい出会いを探し続けてしまう……。

特に真剣に結婚や将来のパートナーシップを考えている女性から、こうしたご相談を多くいただきます。

出会いの手段や数は十分にあるのに、なぜ心が動かないのでしょうか。

そこには、相手のスペックや条件ではなく、あなた自身の心の中にある「自己受容(自分を愛すること)」の問題が深く関係しています。

「好きになってくれた人に冷めてしまう」
「下心があるんじゃないかと疑ってしまう」

心理学では、好意を向けられた途端に相手に嫌悪感を抱いてしまう現象を「蛙化現象」や「自己否定の投影」と呼びます。

その根底には、次のような3つの強い思い込みが隠れています。

  • 自分を認められていない(ありのままの自分には価値がない)
  • 自分に魅力を感じられない(自分を好きになれない)
  • 自分に自信がない(こんな自分が愛されるはずがない)

「幸せになりたい」と願いながらも、心の底では「こんな自分が愛されるわけがない」という相反する葛藤を抱えていると、「自分のような価値のない人間を好きになるなんて、この人は目がないか、何か下心があるに違いない」と相手を拒絶したり見下したりしてしまうのです。

また、自己肯定感が低いと、自分を大切にしてくれない男性(いわゆるダメンズ)ばかりを追いかけて傷つく「苦しい恋」に自ら飛び込んでしまう悪循環も引き起こされます。

幸せを遠ざけていた「過去の傷とブレーキ」

人から愛されたいのに、愛してくれる人を無意識に拒絶してしまう。

この心理の背景には、かつて深く傷ついた「過去の経験」がブレーキとなっているケースが非常に多く見られます。

以前ご相談を受けたある女性は、50回以上出会いのイベントに参加しても好きな人ができずに悩んでいました。

紐解いていくと、彼女は過去に結婚を誓い合った男性から直前で婚約破棄されたトラウマを抱えていたのです。

「また同じ悲劇が起きたら耐えられない」

「もう傷つきたくない」

脳が自分を守るために防衛本能(ブレーキ)を働かせ、相手からの好意を受け取らないよう無意識にブロックをかけていたのでした。

過去の手放しと「ありのままの自分」の肯定

彼女はカウンセリングを通して胸の内の痛みをすべて吐き出し、少しずつ自分の心と向き合っていきました。

そしてある日、晴れやかな表情でこう語ってくれました。

「ずっと過去の婚約破棄に囚われていましたが、あの人とは元々縁がなかったんですよね。結婚する前に分かって本当に良かったです」

長年縛られていた過去の傷と執着を手放せた瞬間でした。

その後、彼女は出会いの場で知り合った一人の男性と素直な気持ちで向き合えるようになり、トントン拍子に幸せな交際へと発展していきました。

どれだけ人に言えない苦しい過去やトラウマがあったとしても、あなたの価値が下がることは1ミリもありません。

世の中には、あなたの過去や傷も含めてまるごと受け入れ、愛してくれる人が必ず存在します。

まとめ:外に条件を求める前に、まず自分を抱きしめよう

心の隙間を埋めるために「理想のパートナー」という外側の条件を探し続けていると、期待が叶わなかった時になおさら自信を失ってしまう悪循環に陥ります。

  • 出会いの場に行く前に、まず自分自身を認めてあげること
  • 「私はこのままで愛される価値がある」と許可を出してあげること


自分を愛せるようになって初めて、他人の好意を素直に受け取り、温かいパートナーシップを育む準備が整います。

「頑張っているのにうまくいかない」と自分を責める必要はありません。

一人で抱えきれなくなった時は、いつでも私に胸の内を聴かせてくださいね。

あなたが過去の傷を手放し、自分らしい幸せを掴めるよう応援しています。


投稿者プロフィール

たか
たか
たかさん(公認心理師 )

恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。

メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。

大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。

筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。

心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。

「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。

相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。

【保有資格】

公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種