第252回「真面目な人は損をする?不誠実に走った男性の事例から学ぶ「自分軸」と心理学」
世の中の不条理に打ちひしがれた時、一度はそんな疑問や悔しさを抱いたことがあるのではないでしょうか。
では、今まで真面目に築いてきた生き方を投げ捨て、本能の赴くまま180度正反対の「不誠実な生き方」に転換したら、人は本当の幸せを手に入れられるのでしょうか。
今回は、大手相談掲示板に投稿されたある男性の実例をもとに、傷ついた心が引き起こす心理メカニズムと、自分軸を取り戻すための考え方を紐解きます。
誠実な男性が「遊び人」へと変貌した衝撃のエピソード
ネット上のとあるQ&Aサイトに、30歳の男性から「以前はマジメだったのに……女遊びが止められません」という相談が寄せられました。
彼の当時の状況は凄まじく、24歳の本命彼女がいるにもかかわらず、他にも3名の人妻や会社員と関係を持っていました。
しかし、彼はもともと遊び人だったわけではありません。27歳までは交際経験も女性の友達もなく、女性と話すことすら苦手な極めて真面目な男性でした。
彼の人生が一変したきっかけは、27歳で初めて付き合った彼女との辛い失恋でした。
彼女に尽くし、高価なプレゼントや旅行に連れて行ったものの、1年後に相手に浮気され、暴言を吐かれて振られてしまったのです。
傷ついた自尊心を埋めるための「補償行為」
裏切られたショックから、彼は固く決意します。
「今まで真面目に生きて損をした。これからは散々女遊びをしてやる」
彼は外見を磨き、髪を染め、メガネからコンタクトに変えて「遊び人風」へと変身。
マッチングや出会いの場へ足しげく通い、2年間で17人もの女性と関係を持ちました。
心理学では、過去の大きな挫折や傷ついた自尊心(プライド)を、別の過度な行動で埋めようとすることを「補償行為」と呼びます。
彼はたくさんの女性と関係を持つことで、「男としての価値」を実感し、過去に深く傷つけられた自分自身を必死に守ろうとしていたのです。
しかし、相談の文面で彼自身が「本命の彼女すら愛していない」と告白している通り、何人もの女性と関係を重ねても、彼の心が本当の意味で満たされることはありませんでした。
「真面目さ」は損ではない|彼を救った本当の財産
彼は最後に、「真面目にやってきた男が遊ぶのはそんなに悪いことか?」と問いかけていました。
実は彼、相談の3ヶ月前に不況の割を食って勤務先が閉鎖され、整理解雇(リストラ)されるという大きな不幸に見舞われていました。しかし、真面目だった頃に取得していた資格と確かなスキルのおかげで、即座に再就職が決まったのです。
彼は「真面目にやっていて良かった」と語りつつも、どこか虚しさを抱えていました。
彼が本当に求めていたのは、女性の数でも快楽でもなく、「過去に踏みにじられた自分の存在価値を認められたい」という切実な心の叫びだったのです。
真面目に生きていたこと自体が、彼を不幸にしたわけではありません。
彼の不幸の本当の原因は、「真面目さ」そのものではなく、「相手に尽くせば愛されるはずだ」という相手軸の期待と、破局によって失われた「自己肯定感」にありました。
まとめ:外側の承認ではなく「自分を認める」こと
彼のその後は誰にも分かりません。
ですが、どれだけ外側の条件(関係を持った人数や容姿の変貌)を誇ったとしても、自分で自分を愛し、認められるようにならない限り、彼が本当に望む「心温まる愛」が手に入ることはないでしょう。
「真面目に生きているのに報われない」と苦しんでいるあなたへ。
誰かに好かれるために自分を殺して尽くす「偽りの真面目さ(過剰適応)」は手放して構いません。
ですが、あなたが本来持っている誠実さや真面目さという美徳まで捨てる必要はないのです。
他人の評価や過去の傷に振り回される「相手軸」を卒業し、ありのままの自分を尊ぶ「自分軸」を取り戻した時、あなたの真面目さはあなたを裏切らない最大の武器となります。
一人で過去の傷に苦しんでいる時は、いつでも私に胸の内を聴かせてくださいね。
あなたの誠実さが正しく報われる道を、一緒に探していきましょう。
投稿者プロフィール
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たかさん(公認心理師 )
恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。
メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。
大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。
筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。
心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。
「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。
相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。
【保有資格】
公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種







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