第241回「叶わない恋の苦しみを抱えるあなたへ|半分あきらめて『自分軸』で幸せを掴み取る心理学」
明治大学教授であり心理カウンセラーでもある諸富祥彦氏の著書『人生を半分あきらめて生きる 』(幻冬舎新書)の中に、このような一節があります。
「生きるとは、小さな『あきらめ』を積み重ねていくことです。」
仕事、家庭、そして恋愛……。
人生において、自分の努力や情熱だけではどうにもならない現実に直面し、諦めざるを得ない瞬間は誰にでも訪れます。
「上手くいかないのは、すべて自分の魅力や努力が足りないからだ」と自分を過剰に責め(自責)、苦しんでしまう人は少なくありません。
そこで提唱されているのが「人生を半分あきらめる」という生き方です。
「手に入って当たり前」「絶対に叶えなければいけない」という執着(半分)を潔く諦める。
そして残りの半分で、自分が本当に大切にしたい軸(自分軸のものさし)を徹底的に磨き、譲れない部分を守っていく。
今回は、この「半分あきらめる心理学」と、私自身が体験した切なくも人生を大きく変えた失恋ストーリーをお届けします。
1. 確信していた告白の失敗と、明かされた「元カレ」の存在
忘れもしない4月1日のあの日、私は意中の女性を呼び出し、胸に秘めていた想いを打ち明けました。
事前に何度も二人で食事を重ね、深い悩みや価値観を分かち合ってきた私にとって、告白の成功率は極めて高いはずでした。しかし、私の想いを受け取った彼女が、間を置かずに発した言葉は思ってもみないものでした。
「気持ちは嬉しいけれど、応えられないの。……元カレが忘れられないの」
土壇場で初めて知った彼女の心の深淵。
彼女にとってその元カレは、今までの人生で最も長く付き合い、自分の人生観を変えてくれた特別な恩人でした。
その後も私たちはギクシャクすることなく、以前より頻繁に二人で過ごす関係が続いていましたが、告白から3ヶ月ほど経ったあるデートの帰り道、再び大きな転機が訪れます。
「私、元カレと復縁しようと思っているんだ。この前逢って、やり直したいって言われたの」
彼女は隠すことなく、自分の本当の気持ちを話してくれました。
もしここで私が「俺がいるじゃないか!」と強引に引き留めていれば、何かが変わっていたのかもしれません。
しかし、告白に敗れてからの数ヶ月間、自分なりにできる限りの誠意を尽くしてきたからこそ、私は彼女が悩み抜いた末に出した決断(新しい一歩)を尊重し、静かに身を引く道を選びました。
2. SNSで突きつけられた現実と、絶望の淵での「あきらめ」
別れてから一ヶ月後、季節の変わり目に彼女の近況が気になり、遠ざけていた彼女のSNSを覗いてみました。
画面に映っていたのは、復縁を果たし、見たこともないような満面の笑みで彼氏と並ぶ彼女の写真でした。
悔しいほどにお似合いな二人の姿。私の片思いに、完全にピリピリと終止符が打たれた瞬間でした。
胸をえぐられるような強い痛みと、努力ではどうにもならない現実の重みに押しつぶされ、私は激しい無気力状態に陥りました。
休日も部屋に閉じこもり、ただ放心状態で2日間を過ごすなど、心は完全に八方塞がりになっていたのです。
しかし、暗闇の中で時間をかけて思考が冷えていくにつれ、私の中に不思議な感情が芽生え始めました。
「彼女は私という存在と本気で向き合ってくれたからこそ、自分にとっての元カレの大きさを再確認できたのではないか」
「自分は利用されたのではない。彼女が本当に幸せになるための『キューピッド』になれたのだとしたら、それは誇るべきことではないか」
3. 「半分あきらめる」ことで、新しい運命が動き出す
相手が自分でなくても、大好きな人が今一番幸せであるなら静かに身を引く。
「いつかまた縁があって再会した時に、成長した笑顔で話せる自分でありたい」
「別々の道を歩むことになったけれど、私は私自身の人生(自分軸)を満喫しなければ損だ」
そう思い至った時、私の心はすーっと劇的に軽くなりました。
- コントロールできない「相手の気持ちや結果」を執着ごと手放す(半分あきらめる)
- 「自分自身のこれからの人生と成長(自分軸)」に意識を集中させる(半分あきらめない)
- 出逢えたことへの感謝を抱き、ありのままの現状を受け入れる(自己受容)
「半分あきらめ、半分は諦めない」という自分軸の選択をしたことで、私は絶望から自分自身を救い出すことができました。
そして、過去への執着を完全に手放した頃、私の目の前には想像もしていなかった「新しい素敵な出逢い」が待っていたのです。
まとめ:諦めることは「敗北」ではなく「自分軸のスタート」
自分の思い通りにならない恋や現実に直面した時、すべてを力づくでコントロールしようとする必要はありません。
- 結果や相手の心など、力及ばない領域は「半分あきらめる」
- 相手の幸せを祈り、出逢えた奇跡に感謝して静かに身を引く(自己受容)
- 自分の人生を最高のものにする努力だけは「絶対に諦めない(自分軸)」
手に入らないものへの執着を半分あきらめた瞬間、あなたの手元には「これからの自分を幸せにするための自由とエネルギー」が残ります。
その残された半分で自分を愛し、誇りを持って歩み始めた時、あなたの人生には必ず新しい運命の扉が開かれます。
「どうしても執着が断ち切れなくて辛い」
「諦める勇気が持てない」
とお悩みの際は、いつでも私に胸の内を打ち明けてくださいね。
あなたが過去を手放し、自分軸の輝く未来へ進めるよう、私は全力で寄り添いサポートいたします。
投稿者プロフィール
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たかさん(公認心理師 )
恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。
メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。
大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。
筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。
心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。
「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。
相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。
【保有資格】
公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種





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