第206回「交際人数が多い=幸せ?『尽くしすぎてフラれる』人たちの共通点」
忘年会で、31歳の友人男性・B君と酒を酌み交わしていた時のことです。
「最近、子持ちのシングルマザーに振られたばかりで、傷心中なんだわ。あれだけ本気だったのに、他に好きな人ができたってあっさり突き放されてさ……」
彼からこぼれたのは、生々しい失恋の痛手でした。
そして、間をおかずに続いた彼の一言に、その場にいた一同は思わず息を呑みました。
「これで16人目だよ。今回もまた縁がなかったわ」
16人という交際人数の多さにも驚かされますが、彼は中学生時代から出会いに積極的で、行動力にあふれるタイプです。
しかし、いざ交際が始まっても、なかなか長続きせずに破局を迎えてしまうのだと言います。
その要因を、彼は自嘲気味に「尽くしすぎるからかもしれない」と分析していました。
彼女の要望をすべて受け入れてしまう結果、相手が安心しきって自分を下に見るようになり、ぞんざいな扱いを受けてしまうのです。
「自分が男らしくないからだ」と語る彼に、私は気の利いた言葉をかけられず、ただ静かに耳を傾けることしかできませんでした。
「尽くしすぎる」ゆえに手放されるジレンマ
それからしばらくして、今度は20歳の女友達・Eちゃんからも、B君と全く同じような悩みを打ち明けられました。
「交際人数は10人。いつも相手から告白されて付き合うのに、決まって浮気されて終わるの。原因は『私が尽くしすぎてしまうから』って分かっているんだけど、なかなか気持ちを切り替えられなくて……」
20歳で10人という経験人数は現代の恋愛事情でも際立っていますが、彼女もまた、相手のために尽くしすぎるがあまり、最終的に見放されてしまうという悲しい結末を繰り返していました。
B君もEちゃんも、とても人情味にあふれ、一緒にいると周りが明るくなるような天真爛漫な魅力を持っています。
それだけ多くの恋愛のチャンスを掴みながらも、いつも同じ「尽くしすぎ」という要因で破局し、人知れず苦しみ続けているのです。
「いい人」が自分を犠牲にしない恋愛へ
恋愛経験が少ない視点から見れば、二桁もの異性と付き合ってきた彼らは別世界のようにうらやましく映るかもしれません。
しかし実際には、出会いの数だけ深い傷を負い、暗闇でもがいている現実があります。
実は私も、どちらかというと相手に尽くしてしまうタイプです。だからこそ、彼らの痛みが他人事ではなく、自分のことのように深く共感できました。
幸いなことに、B君もEちゃんも、悲しい結末を何度も迎えながら、それでもまた新しい出会に向かって一歩を踏み出そうとしています。
恋愛をしている時の、あの生き生きとした喜びを知っているからこそ、それが立ち上がる原動力になっているのでしょう。
「いい人は人生を損する」と揶揄されることもあります。
しかし、彼らのように他者の幸せを心から願える人情深い人間は、たとえ遅咲きであっても、必ずいつか自分だけの幸せを大きく開花させられるはずです。
相手に尽くしすぎず、対等に自分の気持ちも大切にする「アサーティブな関係」を模索し始めた彼らの背中を、私もひとりの伴走者として、これからも温かく見守り続けていきます。
投稿者プロフィール
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たかさん(公認心理師 )
恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。
メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。
大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。
筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。
心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。
「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。
相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。
【保有資格】
公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種





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