第192回「諦める勇気、執着を手放して開運上昇」

2015年12月1日上手くいかない人生サンクコスト

※今回は経済用語を用いて恋愛の法則と照らし合わせて展開して行きます。


今から8年ほど前、私がまだ22歳くらいの若かりし過去に、諦めない勇気、想いを貫き通すことというコラムを発信しました。

脈がなくても、告白して断られても、相手に彼氏がいても、復縁の見込みがなくても、自分の納得の行くまで想いを貫くことの意義や大切さを説きました。

その背景には、何を隠そう私自身の痛切な実体験がベースになっていました。

コラムの反響として、恋愛に苦しんでいる読者様からのコメントを多く頂戴しました。

1回告白して諦めきれない気持ちでいっぱいでしたが、このコラムを読んでもう一度だけ頑張ってみたいと思いました。

これだけ本気になれた相手だったので、簡単に気持ちを切り替えられずに悶々とした日々を過ごしていましたが、やっぱりもう少しだけ頑張ってみたいと思いました。

誰に相談しても、「諦めて次に行こうよ」と異口同音に返されて意気阻喪していましたが、まだ諦めなくても良いんだと背中を押してもらい、勇気が出ました。


 一生に一度の人生です。

自分の中で納得の行くまでとことん頑張ってみることは、僅かながらの可能性を逆転するチャンスや、後悔が残らずに次につながるメリットがあるため、悩んでいる方には今でもオススメしています。

そして今回は、一転して「諦める勇気」についてテーマを当てて説明して行きます。

20代を終えて、30代になった今、私の中で考え方が変わってきている一つの恋愛観があります。

場合によっては自分の気持ちを押し殺してでも、諦めることの方が大切である

ということです。

 私自身がこれまで諦めずにチャレンジし続けてきた結果、「努力だけではどうにもならない壁」に何度かぶつかってきたのが第一の理由です。

相手はフリーだけれども手ごたえがない片思いから始まり、彼氏がいる女性への複数の告白経験や、1年以上にわたり復縁アプローチを模索してきた苦節の実体験から学習した考えでもあります。

恋愛だけに限定しているのではなくて、資格試験にも共通しているところはあります。

既に30以上もの試験を受け続けてきている私は、その過程で頓挫した試験も数々ありました。

自分には合わないと感じたら、早々に見切ることで、新しいチャンスが到来することも実感するようになりました。

これが第二の理由になります。

詳しくは終盤に説明します。

自分には合わないと認める行為、つまり対象物への執着を手放すということは、頭でわかっていても、いざ行動に移すとなると一朝一夕ではいかないものです。

自分はこれだけ頑張ってきたのに、このタイミングで諦めるという選択肢を選んだら、今までの努力が水の泡になるし、もうこんなチャンスは二度と訪れないという焦燥感と不安感に苛まれてしまうものです。

このジレンマは、まさに「サンクコスト」状態と擬えられます。


サンクコストとは、経済学用語の一つで、事業に投資した資金のうち、事業の撤退・縮小を行ったとしても回収できない費用のことを言います。
 


「もう2度と取り返すことができない費用のこと。投資したけど回収できないお金のこと」
です。


自分はこれだけ相手のために尽くしたのに、この恋愛のためにあれだけ莫大な費用をかけたのに、これだけの時間を費やしたのに、
見返りがなかった。結果が伴わなかった。

これまでの自分の行いを「損」だったと割り切ることができずに、ずるずると一人の異性や試験等に拘り続けてしまう心理は、まさにサンクコスト状態なのです。

このような負のスパイラルの渦中に置かれている場合、見込みのない恋愛は早々に諦めた方がその後の幸福を手にできるというのが、経済合理性の観点です。

損切り」という考えがキーワードになってきます。


損切りとは、FX用語で、相場が思惑と反対方向に行ってしまった時に、一定のラインで損失覚悟の売買を成立させ、それ以上の損失拡大を防ぐという手法です。

「これ以上損失を出さないために、強制的に損切りします」という行為は、いざ自分が置かれている恋愛の局面においては、なかなか実行に移しがたいものです。

「もう少し頑張れば風向きが変わって状況が逆転するんじゃないか」

という心理が枷になってくるからです。

しかし、今ここで自分の意に反してでも諦めることによって、新しいチャンスをつかむことができるというのは机上の空論ではありません。

自分の醜態を晒さずに、自分の尊厳を保つことができるというメリットもあるのです。

一例をあげると、私は27歳の時に、学校で知り合った3歳年下の女性に猛アプローチを重ねていましたが、絶妙にかわされ続けていました。

彼女は集団での飲み会に参加することには抵抗がなかったのですが、いざ二人で食事に誘ったりすると、じらされた挙句に断られるのです。

これはもう脈がないだろうな~というのは、アプローチの初期段階で勘付いていました。

それでも、1パーセントの可能性を信じて二か月ほど試行錯誤してきたわけです。


二度目の誘いをかけた時、またもやうまくかわされてしまった私は、このタイミングが諦め時だと悟り、身を引く決意をしました。

「またしばらく恋愛のチャンスは巡ってこないだろう」という諦観した気持ちも少なからずありましたが、事実は小説よりも奇なりで、その2週間後には新しい女性と付き合うことが出来たのです。

一つの執着を手放したことで、新しい縁を掴むことができた実例ではありますが、もしも私がこの片思いの女性に拘り続けていたら、身近にあった眼差しをみすみす見逃していたことでしょう。

その恋人は、同じく学校で知り合った女性でした。

みなさんも諦める勇気と諦めない勇気のどちらが正しいのかという、答えのでない堂々巡りに苦しんでいるかもしれません。

私は冒頭に提示したように、「自分の納得できるまで頑張り続ける価値がある」と心から思える相手ならば、諦めない勇気を推し続けます。

他方、心の何処かで限界を感じ続けていたり、相手と将来幸せになれるというビジョンが浮かびにくいとしたら、損切りの時なのかもしれません。

損切りのタイミングとしては、

 ・もう一度だけ告白してみる
 ・もう一度だけ誘ってみる
 ・もう一度だけメールを送ってみる

それでも反応が芳しくなかったら諦める。

最後の一手を用意するのも、身を引くきっかけになります。

そして別れの後には新しい出逢いが必ず訪れます。

時間はかかるかもしれませんが、その執着を自ら手放せた暁には、ご褒美が待っています。

先人が残してくれた教えのように、“損して得”を取りましょう。

2015年12月1日

Posted by TAKA