第66回「旅先での出逢いで人生観は大きく変わる」 

2015年12月2日上手くいかない人生


「旅先での出逢い」
と聴くと、みなさんはどういうイメージが湧くでしょうか。
 
見知らぬ地で、初めて出逢った異性に恋をして、その後プライベートでも関係が続く縁に巡り合える。

というようなロマンチックな想像をされたでしょうか。

私の経験上では、旅先で異性と巡り会えて付き合うことができたという体験はありません。

今回のコラムでは、「旅先で巡り会えた女性と付き合えたエピソード」は紹介できませんが、遠征することで出逢った人々や環境とのおかげで、視野が広がったため、旅行の魅力を描いていこうと思います。


恋愛や人間関係に疲れ果ててしまった時、孤独で日々の生活に希望を見失ってしまった時に、私は旅を強くお勧めします。

その理由は、旅行をすることで、日常生活からかけ離れた新しい世界での出逢いがあるからです。

ここでいう出逢いとは、男女の出逢いだけではなく、美しい自然や歴史建造物、現地の名所などの出合いから、現地住民や旅行者との出会いなど、複合的な意味を含んでいます。

旅行先では誰も自分のことを知らないし、見たことがないような環境に身を投じることで、積極的になれるからです。

私はこの7年で、三重・愛知・大阪・京都・奈良・神戸・岡山・広島・山口・福岡・熊本・長崎・島根・鳥取・香川・高知と、全国津々浦々を飛行機や新幹線を用いて赴きました。

そういった旅を重ねれば重ねるほど、次回の旅行へのモチベーションは高まります。

なぜならば、必ずといって良いほど今まで訪れた旅先で出逢いがあるからです。


京都では、清水寺で出逢った三重と岐阜在住のブライダル会社に勤めている社会人2年目の24歳の女性2人組と会話を交わしました。

彼女たちは物腰柔らかで、言葉遣いもおっとりしてて、話しているだけで癒されました(連絡先までは聴かなかったので後悔しましたが)。

着物姿でぶらついていたのもあって、数分ごとに旅行客(主に海外の)から、「写真を撮ってください」と声をかけられていました。

本人たちによれば、その日生まれてはじめてレンタル着物に挑戦してみたと説明していましたが、想定外の反響だったので、恍惚を覚えていたようです。

恐らく今後も、味をしめて、ちょくちょく着物旅行を繰り返すことでしょう。

日常生活の「定められた自分」とは逸脱した新しい自分を演じることができるのも旅行の魅力なのです。


神戸では、喫茶店で公務員試験の勉強をしていた21歳の大学3年生と会話をすることができました。

彼女は初対面の男性なのに、丁寧に対応してくれて、関西の女子大生事情が垣間見れて新鮮でした。

長崎の平和公園では、被爆者の方とお話を交わすことができ、戦争の悲惨さをリアリティに教えていただきました。

名刺もいただきましたが、戦争を風化させないように広く若者に実体験を伝播するために、幅広く活動されているようで、その姿勢からは並々ならぬ志しを感じさせられました。


とりわけ私が訪れた旅行先で大きかった思い出は、広島の厳島神社という世界文化遺産に登録されている観光地で、外国人旅行客10人に話しかけたことです。

あえて日本人ではなくて、外国人を選んだ理由は、2度目の大学時代に留学生を対象とした日本語授業ボランティアを3年経験してたので、抵抗が薄かったのもありました。

一人旅をしている外国人に、勢いとノリで「写真を撮りましょう」と話しかけました。

まさに「Youは何しに?」を先駆けて続々とインタビューしていました。

一人目にこそ話しかけるのは躊躇しましたが、いざ勇気を出して立て続けに話しかけると、蓋を開けてみれば10人全員快諾して応じてくれました。

外人ならではのフランクさとでも言えるのでしょうか。

アメリカ、フランス、イタリア、マレーシア、韓国といった多国籍の人間が多かったですが、誰一人嫌な顔をする人はいませんでした。

軽いトークなども交わすこともできて、その中でアメリカとイタリア出身の旅行者2人とGmailアドレスを交換することもできました。

残念ながらアメリカ人からは二か月たった今でも音沙汰はありませんでしたが、イタリア人の旅行者は帰国後さっそくメールを送ってくれて、サッカーという共通の話題から、その後もちょくちょくやり取りができる仲になりました。

たった数分語り合っただけなのに、相手は日本に興味があったらしく、連絡を取り合う関係になれたのです。

ちなみに同日、同じく一人旅をしていた東京都出身の21歳の女子大生ともお話する機会があり、思い出に写真を撮ろうと声をかけましたが、

「今日は化粧が薄めなので」

なんていうあからさまで遠回しな理由で断られました。

外国人全員がOKだったのに、日本人は即NGという展開から、まさに異文化を実感した一日でした。

以上が行動することで、人生は大きく変わるのだと実感した旅の思い出です。

日常とは別世界を知ったことで、「自分の置かれている狭い世界が人生の全てではない」と価値観が変わりました。

精神科医だった故斉藤茂太さんも、数々の著作で「体験にお金を惜しむな」と声を大にして説いていたこともうろ覚えしています。

まさにその通りだと思います。

多少お金がかかっても、旅行で得られるものは大きいです。


海外旅行のアンケートで、5人に1人の女性が旅先で恋に落ちた経験があり、全体の72%が「旅行で人生観が変わった」と回答を目にしたことがあります。 

旅先で恋を期待していたり、実際に恋愛関係に発展できているケースは少なくないことがうかがえます。


もしも連休と少しばかりのお金を貯蓄できたら、ぜひ旅に出てみませんか。

できれば、隣接県ではなく、数百キロ以上離れた遠方をオススメします。

日常生活から離れている場所ほど新しい出逢いや発見が広がるからです。

旅先では誰もあなたのことを知っている人もいませんし、あなたとの出逢いを期待している人間もいるかもしれません。

あなたが"動く"ことによって想像以上の出逢いが待っていますよ。

私もまた新しい出逢いを求めて旅に出ます。

2015年12月2日

Posted by TAKA