第57回「 異性経験が皆無なことがコンプレックスなあなたへ」その1
相談を寄せてくださる若い相談者様の中で、交際経験が皆無なことで、恋愛に自信喪失されているお悩みをよく耳にします。
そんな生々しい話をお聴きしているうちに、初体験をしたことがないという、表裏一体のコンプレックスを抱えていらっしゃる方も潜在的にいるのではないかと思い、このテーマを掲げました。
今回私が性の問題について執筆したのには、若者の性事情を耳にしたことがきっかけでした。
私は仕事柄、中高生達と接する機会が多いのですが、最近の学生の恋愛事情を聴かされて、多々驚かされます。
特に印象的だった、ある中3女児の発言を紹介すると、
一学年80人のうち20人くらいは彼氏彼女がいる。
その内、10人くらいは初体験を済ましている。
というものでした。
彼女は、母校のカップルの実態を教えてくれました。
昨今の日本男児は草食男子化していて、女性に対して積極的にアプローチする者が少なくなっているというメディアの情報とのギャップに困惑しました。
中学生カップル達は皆、学校では先生に悟られないように、真面目な学生を装っているようですが、一たび学校の門から外に出れば、待ってましたとばかりに、公園で、実家で、いちゃついているのが日常茶飯事らしいのです。
語り手の女児は、初体験を高3の夏に、同じ中学の同級生に捧げたらしいのです。
きっかけは、彼の家で漫画を読みながらまったり過ごしている時でした。
突然彼に押し倒されて、普段見たことがないほどの彼の気迫に威圧されてしまい、断り切れずに受け入れたというものでした。
それもはじめてなのに、コンドームを装着せずに、生で行ったらしいのです。
挙句の果てに、その彼とはそれっきりで別れてしまったらしいですが、間もなく、彼女の身体に異変が起きます。
生理がこないのです。
彼女はパニックになって、初めて母親に経緯を明らかにしました。
すぐに母親に付き添われて、婦人科を受診したらしいのです。
結果は、妊娠ではなかったようですが、それ以後彼女はセックス恐怖症になってしまったそうです。
まだ15歳という若すぎる年で。
その彼は、別れた1週間後には新しい女性と付き合っていたところからも、ただヤリたかっただけのようでした。
あまりに突然の出来事で、不本意ながらの行為だったし、そこまで彼の事を好きだったわけではなかったので、辛かった。
周りの経験者の友達の話やインターネットや雑誌の情報から、セックスに幻想を抱いていたけれど、実際は違った。
彼女は虚ろな瞳で淡々と述べていました。
続いて、彼女はこんな話も聴かせてくれました。
彼女いわく、今はインターネット上で知り合った800km離れた遠方に住む同じ年の男性と付き合っているらしいのです。
それも、その彼とは一度も会ったことはないですが、お互い想い合っているというのです。
コミュニケーションは、チャットかメールだけで、そんな関係が1年以上も続いているとのことでした。
傍から見れば、「それって付き合っているって言えるの?」と思える関係でしょうが、彼女の目は真剣そのものでした。
私自身もオフ会を開いて、リアルタイムで読者や相談者の方と逢ったり、サイトに訪問してくれたことをきっかけに付き合った女性もいます。
けれども、彼女のように、一度も顔を合わせたことも、声を聴いたこともない、見えない相手と交際していると言う関係性は理解しがたい形でした。
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