第211回「待っていれば、そのうち理想の相手と巡り合って付き合えるだろう-その2-」

2015年12月1日男性心理

前編はこちら から


かくいう私はその事実を認めてからどのように、行動が変わったかというと、作戦を練った上で、自分から異性にアプローチするようになりました。

ドラマやマンガのストーリーのように、偶然知り合って仲良くなるような劇的な出逢いというものはまずないことを念頭に入れたのです。

偶然ではなく、必然を作り出すこと、そのことを根幹に置いて行動を積み重ねて行きました。

例えば、学生時代にこのようなアプローチをしたことがありました。

学校の帰りの電車の中で、目に留まった女性がいました。

この娘とお近づきになりたいという好奇心に駆られましたが、後にも先にも彼女を車内で目にしたのはこの時だけでした。


その少し後に、偶然にもその女性とある授業が被っていることを知りましたが、私は基本的に他の同級生と過ごしているのもあって、その女性に声をかけるのにはかなり勇気が要りました。

同級生達に好意を悟られたら気まずいという思いが先行したからです。

もちろん、いつものパターンならばそこで何も進展がないまま終えてしまうのですが、私はなかなか諦められませんでした。

もう後悔の選択はこりごりだと痛感していたからこです。

そこで、彼女も私も一人で過ごしている時間を狙うことに決めたのです。

そんなチャンスは学生生活の中でそうあるものではありません。

彼女と被る授業は一つしかないですし、あれ以来帰りの電車で見かけることもなかったからです。


しかし、事実は小説よりも奇なりで、千載一遇のチャンスは訪れたのです。

彼女と同じ授業の最終講義の後、私は同級生達と学校の最寄駅まで向かって、それぞれ解散しました。

私はそのまま電車に乗らずに、駅の傍のローソンに向かいました。

Loppi端末で、予約していたイベントのチケット発券を行うためだったのですが、彼女と話すことが出来なかった未練が残っていて、すぐに帰れずにいました。

悶々とした気持ちを抱えたまま用を済ませてローソンを出たところ、なんと私の目の前を例の彼女が横切ったのです。

どこかで描いた妄想が具現化した私の興奮が冷めやらぬ中、彼女はイタリアンのレストランに一人で入店して行きました。

これは、どう考えても神様が与えてくれたまたとないチャンスだと感じました。

彼女にお近づきになるタイミングやきっかけを模索していましたが、なかなかつかめずにいました。

唯一の共通点だった授業もこの日で最後だったわけですが、ファイナルチャンスが到来したのです。

私は彼女の後を追うようにその店に入りました。


この行動を起こす前に脳裏によぎったのは、必ずしも彼女が座っている席に近い位置に座れるとは限らないということです。

もちろん初めての入店だったので店のレイアウトは知る由もありません。

ましてやランチライムの混雑時だったので、傍に座れる保証はありません。

例え同じ店に居合わせたとしても、物理的に距離が開いていれば、話しかけることすらままならないかもしれない可能性がブレーキをかけようとしたのです。

でも、もはや迷っている猶予はありませんし、このチャンスを逃したら次はないわけだったので、運に賭けて身を任せることにしたのです。

店員さんは、私をお一人様席に案内してくれました。

そして、通された席の真横には、他でもないあの娘がいるのでした。

その瞬間、早くも勝利をかみしめました。

この日の自分はまさに「もってる」と実感したことは言うまでもありません。

後は、極めて冷静を保ちながら彼女に話しかけただけです。


水を得た魚のように私はトークを展開しました。

同じ学校で、同じ授業を受けていたという共通点があったことから、警戒心は薄れたようで、話は弾みました。

そして、この出来事をきかっけに彼女と連絡先を交換して、一ヶ月後には二人で食事を交わせる間柄になれたわけです。

第188回「意図された偶然について“ナンパから”」 でも触れましたが、1999年にスタンフォード大学のクランボルツ教授は、『計画された偶然』『意図された偶然』という研究を発表しました。
この理論のポイントを3つにまとめると、以下のようになります。

1.人生の成功は、予期しない偶然によってその8割が形成される。
2.ただ偶然を待つのではなく、自分にとって良い偶然が起きやすくなるように行動したり、偶然が起きそうな気配を敏感にキャッチすることでラッキーチャンスを増やすことができる。
3.偶然を当事者が積極的に活用し努力して、成功へ繋げる。


更に細分化すると、以下の通りです。


好奇心:なんでもとりあえず興味を持ってやってみる。
持続性:ちょっとくらい失敗してもめげずにチャレンジを続ける。
楽観性:何事も「必ずうまくいく」「できるはず」とポジティブに考える。
柔軟性:自分の考えに凝り固まらずに、その時その場で対応を変える。
危険性:多少のリスクは承知でやってみる。


ただ待っているだけでは運命は変わらずに、偶然をいかにチャンスに結びつけるかどうかで未来が変わってくることを体感した一例です。

意図した偶然というものはそんなに難しいものではないことが伝わったでしょうか。

私の場合は、なんてこともなく、目の前のチャンスを逃さずに、ただ近寄って話しかけただけです。

待ちの姿勢から攻めの姿勢に変わると、確かにリスクや傷ついたり恥をかく体験は至る場面でつきまといますが、ワキワクやドキドキ体験が倍増します。

そして、人生が彩り豊かに塗り替わります。

そうやって本能に従って求め続けると、やがて願望が具現化して、自分に自信がついてきます。

妄想の世界は理想郷で楽しいですが、肌で感じられる現実の世界はそれ以上に素晴らしいものです。

想像の世界で結論を出さずに、偶然を必然に変えるアクションをオススメしたい私からの願いをコラムに具現化しました。

2015年12月1日

Posted by TAKA