第48回「男が貴女(あなた)に語るとき」その1

2015年12月3日男性心理


これまでのコラムでは、男性の心理や特徴に着目したものが少なかったので、今回は女性が「男性のここがわからない」と理解に苦しんでいる男性心理について私的見解をもとに語っていきます。


男性があなたに語るとき

と聞いて、あなたは何を連想されたでしょうか。

愛の言葉(口説き)
夢の話
仕事の話
趣味の話

男性が好意を寄せている女性に語る上位のトークテーマを挙げましたが、今回着目する「語り」の内容は、男性が抱えている悩みや不安についてです。

● 男性があなたに本音を語る理由、そして男の宿命


結論から言えば、男性があなたに自身の悩みや不安、コンプレックスなどを吐露するとき、あなたのことを心から信頼していて、好意的に捉えている可能性が高いです。

男性という生き物はご存じの通り、基本的にとてもプライドが高い性質を持っています。

かねてから、

「男はどんな辛いことがあっても耐えて乗り越えるべき」

「男は闘って働きぬく生き物」

というような、「かくあるべき男性像」を先人から引き継いで教育されてきたり、世間の眼差しから期待されて育ってきました。

その結果、精神的ストレスやプレッシャーの重圧を、独りで抱える結果になります。

心の底にある、「辛い、助けて、もう頑張れないよ」という素直なSOSのサインに蓋をして、学校や会社や家庭において誰かと接するとき、表面上では何事もなかったかのように、取り繕ったり、虚勢を張ってなんとか乗り過ごしている日々を送っているのです。

多大なストレスを被った男性は、一人見えないところで、自分を慰め、涙を流したり、酒やタバコやギャンブル、車といった娯楽によってなんとか耐えしのいでいるのです。

そして、いくら信頼している友人でも、本音のすべてを明かしたりはせず、どこか境界線を張って、「これ以上の弱みは話せない」と割り切っているところも、男のプライドや、「かくあるべき男性像」による重圧からだと考えています。

もちろんその程度は男性個々人によってまちまちですが、男なら誰もが当てはまる傾向があるはずです。


● 最新の自殺率の統計からみる現代社会に生きる男性の実態


内閣府がまとめた2015年版「自殺対策白書」や警察庁の自殺統計などによると、2014年の自殺者総数は2万5427人でした。

男女別でみると、男性の自殺率が女性の2倍以上であります(男性1万7386、女性8041人)。

動機の一因として、いじめ、失恋、受験失敗、失業など周囲との人間関係や社会的要求に応えられないorレールを外れてしまった男性は、弱肉強食社会の敗者として位置づけられ、自己肯定感を完全喪失し、自らの命を絶ってしまうという究極の選択に進んでしまう傾向がうかがえます。

男性は我慢に我慢を重ね、「リストラ」や「過激ないじめ」という衝撃な仕打ちにより、その重圧から心が折れてしまったその結果、鬱病や自死に陥るのです。

男性が窮地に陥っている時に、一人でも多く「ありのままの自分」を受容してくれたり弱音を吐ける友人や、医療関係の人間と連携が取れて、SOSを醸し出している男性の異変を察知でれば、最悪の状況から免れる可能性は高くなります。

絶望の淵で消え入りそうに沈んでいる彼に手を差し伸べ、「人生やり直しができる、一緒に歩いていこう」と声をかけて手をひっぱってくれる存在が傍にいたら、どんなにありがたくて救われることでしょう。

そして今まさに、厳しい社会で戦い抜いている男性にとって、貴女が彼を慕うその愛情が、生きる支えになるのです。

恋愛、受験、就職の場面場面において、「勝ち」「負け」の結果がはっきりと示され求められている競争が激化している今日の日本社会において、男性は、不安や孤独を避けられないものとしてなんとかこの混沌とした世の中を生き延びているのです。

そんな弱みは決して自分以外の第三者には見せようとはせずにもがいています。

身の回りにいて常に笑顔が絶えない男性も、どことなく影がある男性も、見えないところで一人孤独と対峙しているものなのです。

光と影は表裏一体なのです。

「え?あの人がなんで!?」というような耳を疑う事件や出来事も、もともと男性が抱えている二面性のどちらかが何かの拍子で表面化しただけで、実は本人からすれば意外性はないのです。

続く
    

2015年12月3日

Posted by TAKA