第201回「生きているだけで価値があるから」

2015年12月1日上手くいかない人生

2014年を振り返ると、明日を見失い、独りで思い悩んでいらっしゃる10代から50代までの相談者様の生声を多数聴かせていただきました。

長い間恋人がいない。

周りはみんな結婚しているのに、自分は未だに独身で恋愛に縁がない。

好きになってアプローチしても無視されてばかり。

いい年になって定職に就いていない自分は負け組なのではないか。

職場の人間関係に疲弊しきっていて、いつも辞めたいと悩み続けている。

こんなダメな自分の人生が惨めで生きていても面白いことなんてないし、夢も希望もない。

絶望の淵に立たされている方に対して、私は断腸の思いでこの一言を添えてきました。

私はあなたが生きてくれているだけで嬉しいですし、生きているだけで価値がありますよ。

特別な才能がなくても、高収入ではなくても、恋人がいなくても、生きる希望がないとしても、自分の胸の丈を私に話してくださっただけで、もう独りではないのです。

私と言う一人の人間の記憶にしっかりと残ったわけで、もはや他人事ではないのです。

生きているだけで価値がある。

生きているだけで丸儲け。

この教えは、私が窮地に立たされていた際に肉親からかけてもらっていた言葉でもありました。

語源は、かの有名な明石家さんまさんの座右の銘でもあるそうです。


さんまさんと言えばテレビの画面では常に大笑いしているあの表情が目に浮かびますが、その半生は壮絶なものでした。

まだ幼少時代に実母が病死しており、弟も火事で死亡しています。

そして自身も、日航空機事故で死にかけた経験から生まれた言葉のようです。


生きるのが辛くて辛くて仕方がない。


夢を見ても結局叶わずに哀しい思いをするならば、最初から自分の殻にこもって行動を起こさない方がマシだ。

あまりにも目の前の現実が厳しくて、いじけてしまうお気持ちも痛いほどわかります。

何を隠そう私自身も長い間暗中模索を続けてきたからです。


先日、書店の店頭に並んでいた一冊の本が目に留まり、何かに吸い寄せられるかのように手に取って一気に読み終えました。

それでも僕は夢を見る』 

作:水野敬也
画:鉄拳

絵本のような作風なので、ものの10分ほどで完読しましたが、まさに「生きていることこそ素晴らしい」という人生の真髄が描かれていました。

夢を諦めた青年が孤独のまま病室で死を迎えようという臨終の場面で、初めて気付いた生きることの意義という展開です。

生きているだけでいい。

生きることさえ諦めなければ、また笑顔になれる時があるから。

だから自分で自分の可能性に見切りをつけないで欲しい。

自分のことでいっぱいいっぱいになったら傍にいる誰かのために行動を起こしてみて欲しい。

私はまさに物語に登場するユメのような役割を担って今日まで生きながらえてきました。


さぁ、2015年の到来です。

あなたは独りではない。

道に迷った時は私がついています。

2015年12月1日

Posted by TAKA