第78回「性格のコンプレックスが恋愛を阻む原因になっていたら」
前回は外見がコンプレックスなことで、恋愛にすっかり自信を失っている方を対象に、実体験から語ってきましたが、今回は自分の“性格”に劣等感を感じていて、恋愛に億劫になっている方に向けてコラムを書きました。
まずはじめに、みなさんにご協力いただきたいことがあります。
あなたの短所と長所を思い浮かべてみてください。
はたして、頭にパッと浮かんだのは長所と短所どちらの方が多かったでしょうか。
「就活の面接試験じゃないんだから、そんな質問をあえてここでする意味があるのか」
思わず突っ込みたくなった方もいらっしゃるでしょう。
そうですね。
確かに、就職試験に必須の履歴書欄にも、「自覚しているあなたの性格(長所)」などを書かされますし、面接試験では定番の質問として聴かれる機会が多いですよね。
就職活動に縁がない方には、「なぜにコラムの中で自己分析なんてする必要があるのか」という疑念が湧いたかもしれません。
唐突な私の問いにお付き合いくださりありがとうございました。
ちなみに、私の場合は短所の方が長所の数よりも多く浮かびましたが、みなさんの場合はいかがだったでしょうか。
私は昔から巷で言われている「ネガティブな方向」に考えてしまう傾向があって、小さなことを必要以上に気にしすぎてしまうと面がありました。
例えば、メールを送って返事が返ってこないと、
「自分の送ったメールの内容が悪かったのだろうか」
とあらぬ想像をしてしまったり、
好きになった人が他の異性と話している姿を見ているだけで、
「もしかしてあの人のことが好きなのかな」
と妄想を膨らませて、気が気でいられなくなるような嫉妬に駆られたりすることが多々ありました。
好きになればなるほど一人になると、相手が何をしているのだろうか、自分のことをどう想っているのか気になって気になって妄想が止まらないのです。
みなさんは客観的にご覧になっていて、お分かりだとは思いますが、こんなにねちっこくて、あらぬ想像ばかりしている男性が女性に好かれたりモテないことは明確でしょう。
そうなんです。
小さいことが気になって仕方がない繊細な神経が災いして、学生時代は意中の女性から好かれることは一度たりともありませんでした。
実際に世間でモテて女性に人気がある男性は、私とは正反対の性格で、小さいことは気にせずに、女性の言動にいちいち振り回されないで、自分をしっかりと持っている人間なんですよね。
ところが、自分の性格っていうのは一朝一夕で変えられるものではないので、ポジティブシンキングになろうとすればするほど空回りして、どんどん自分らしさを見失ってしまうのでした。
「TAKA氏って、いつも何考えているかどうか分からない」
「お前は根暗なところがあるから、もっと明るくいこうぜ」
中学時代には男女ともによく言われましたが、思春期の私は人前で堂々と気持ちを表現できなかったのです。
いつも頭が良くて、女子にも人気があるスマートな男子と比較していて、「ダメなヤツは何をやってもダメなんだ」と自虐を重ねていました。
本音を話したことで周りに引かれるのが怖かったのです。
そんなネガティブシンキングに溺れていた私ですが、転機が訪れました。
それは、そんな私が自覚している短所である「細かいことを気にする」性格を認めてくれる存在が現れたからです。
「TAKA氏君って細かいところにまで目が行き届いてすごいね。人の気持ちがよくわかっていて私にはマネできないよ」
好きになった女子が褒めてくれたことがきっかけです。
恋愛のパワーというものは凄まじいものです。
何気ない一言だったとしても、私の生きる源になりました。
よく長所と短所は表裏一体で、短所は見方によっては長所にもなるし、その反対にもなり得ると言われますが、まさにこのことでした。
人の特徴を捉えるのが得意な方のようで、昔から人物画やマンガを描いたり、人のモノマネをするのが好きだったのですが、第三者に(しかも好きな人に)認められたことによって、見方を変えれば短所も長所になれる部分もあるんだと実感したのです。
そして、そんな若い頃の苦い失敗体験を活かすためにサイトを立ち上げてから、多くのみなさんから「ありがとう」が返ってきました。
人にアドバイスをすることはそこまで得意ではないと思っていたのですが、自分の感性を頼りに、私を必要としてくださる相談者様のお話は、神経を集中して聴かせていただきました。
短所であると自覚していた、細かいところを気にしすぎる鋭敏な神経を備えているからこそ、恋愛につまづいている方に共感ができて、ともに寄り添えたのだと自負しております。
一人でもありのままの自分を認めて受け入れてくる存在が傍にいたら、そんな人間があなたの生き方や考え方を転換させるヒントを教えてくれているのかもしれません。
短所の裏返しは長所でもあります。
自覚している欠点や短所を無理に変えなくても、そんな個性を表現し続けることで、誰かの目に留まり、認められて自分のコンプレックスが昇華されるチャンスが訪れるのです。
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