第18回「『ずっと忘れられない人がいるあなたへ』無理に忘れなくていい、心を受け入れる心理学」
いつもと同じ、平凡で変化のない毎日。
そんなある日、私の心を鮮やかな虹色に変えてくれた「あの笑顔」にめぐり逢えた。
忘れかけていた何かが、胸の中に蘇る。
この感動、この新鮮な想い。
「自分はこの人と出逢うために、これまで生きてきたんだ」とさえ思えた日々。
恋愛のもたらす力は他の何よりも大きく、そんな生きる喜びを思い出させてくれたあの人に、感謝の気持ちで胸がいっぱいだったあの頃。
幾多の逆境を乗り越え、ようやく出逢えた運命の人。
「この恋だけは手放したくない。ずっと、ずっと一緒にいたい……」
しかし、それからしばしの時間が流れ、環境も心境も大きく変わってしまいました。
1. 失って初めて気づく「存在の大きさ」
ずっと傍に、心の中に絶えずいたあの人が、今はもういない。
絶対に考えたくなかった「別れ」という結末。
あの人と出逢う前の、不甲斐なかった自分に戻ってしまったかのような絶望と喪失感。
今までの生活が嘘であったかのように気力がなくなり、何もかもが上手く行かず、自分という存在がとことん小さくなっていく苦痛の日々。
「あの人の存在って、自分にとってこんなに大きかったんだ。今さら気づいたってもう遅いのに……」
後悔、自己嫌悪、自己卑下、自信喪失。
あんなに大切な人を追い詰めてしまった自分が許せない。
悲しみのどん底に沈んでいる時に、周囲の人々はみな口を揃えてこう語りかけてきます。
「大丈夫!時間が経てば心の傷も癒えて、絶対にもっといい人に巡り会えるよ」
分かっている。結局それしか立ち直る方法はないことなど、自分でも承知の上なのです。
それでもやっぱり、大切なあの人が去ってしまった現実を受け入れたくない、矛盾した自分がそこにいるのです。
2. 成長した自分と、色褪せない記憶
気がつけば、あれからどれだけの時間が流れたのでしょうか。
いつもと変わらぬ日常を過ごす中で、少し変わった事と言えば、前よりも笑顔を見せる回数が多くなったこと。
今ならもう、ありのままの自分を受け入れられる。
失恋を乗り越えて「ちょっぴり成長した」と自分でも認められるほど、元気を取り戻した私。
でも、何かが違う。 心のモヤモヤが、まだ胸の奥を支配しているこの感覚。
そう、自分でも気づいているのです。
いくら時間が流れ、環境が変わり、気持ちの整理がついたはずなのに、ずっと大好きだったあの人との思い出が、ふとした瞬間に脳裏を駆け巡る。
そして同時に、胸の奥からどうしようもない切なさが込み上げてくることを。
確かに、自分はあの頃と比べて随分と変わり、新しい人生を歩み始めています。
でも、心の中にいるあの人の虚像は、いつまで経ってもあの頃の笑顔のままなのです。
もう、とっくの昔の出来事なのに。
3. 「ずっと忘れられない人」がいてもいい
ずっと、ずっと忘れられない人。
ずっと、ずっと大好きな人。
過去を完全に乗り越えられずに、どれだけ引きずって苦しい思いを重ねてきても、明日は必ず訪れます。
「もう永遠に、あの人以上の人には出逢えないかもしれない」 今は、そう思っていてもいいんです。
大切なのは「今」、そして「これから」です。
消えない過去があるからこそ、今のあなたが存在しています。
ずっと忘れられなくてもいい。
そんな不器用なあなたを、丸ごと受け入れてくれる人が必ずいるのだから。
言葉に出さなくても、周りの人はあなたの頑張りを分かってくれています。
少なくとも、あの時あんなに悲しい別れを経験していなかったら、今あなたの周りにいる「あなたをいつも支えてくれる大切な人たち」とは、深く出逢えていなかったかもしれません。
すべての物事には意味があります。
思い通りにならないこと、葛藤を抱えながら歩み続けること。
それこそが「生きる」ということなのかもしれません。
まとめ:トンネルを抜けた先にある「感謝」
さぁ、また明日はやってきます。
長く暗いトンネルの出口の向こうで、いつもあなたの手を引っ張ってくれる温かい人たちが呼んでいます。
少しだけ心に余裕が生まれたら。
日頃の感謝の気持ちを込めて、今あなたを支えてくれている大切な人(友人、家族、同僚など)へ、思い切ってLINEやメールでメッセージを送ってみませんか。
「いつもありがとう。これからもよろしくね」
その一言が、あなたの新しい未来を、さらに温かく照らしてくれるはずです。
投稿者プロフィール
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たかさん(公認心理師 )
恋愛や人間関係で悩み、自分を見失っている方に向けた心理コラムを22年間執筆・発信。
メールや通話による1対1の心理カウンセリングは20年以上継続し、累計5,000件以上の相談実績を持つ。
大手ニュースメディア(マイナビニュース等)でのコラム掲載実績多数。
筆者自身、20代から30代前半にかけて「10回連続で片思い失恋を経験する」という壮絶な挫折を経験。
必死なアプローチによる空回りや過度な執着、自尊心の崩壊を自ら乗り越えてきた。
心理学の専門知識(公認心理師・精神保健福祉士などの国家資格)と、実体験に基づく独自のカウンセリング手法を融合。
「相手軸」の執着や過剰適応から抜け出し、ありのままの「自分軸」を取り戻すための具体的なアプローチを提案している。
相手の心理が分からない、過去の未練や執着から抜け出せないと悩む方々へ寄り添い、心の整理と自己受容をサポートする「心の伴走者」として活動中。
【保有資格】
公認心理師(心理職唯一の国家資格)
精神保健福祉士(国家資格)
国家資格キャリアコンサルタント(国家資格)
伴走型支援士
心理相談員
両立支援コーディネーター
ストレスチェック実施者
メンタルヘルス・マネジメント検定 II種・III種




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