第288回「文字の切れ目が縁の切れ目-怒りを解放して楽になる-その1」
※長崎グラバー園よりハートストーンその2
たとえ長年築いた仲であったとしても、たった数回のある行為だけで関係をぶち壊すことが可能です。
年齢問わずに誰もがいつでも簡単に行える行為です。
それは、無視というあまりにも手軽で、精神的打撃が強い振る舞いです。
私はこれまで無視の苦しみをテーマにした数々のコラムを発信してきましたが、
「メール無視 辛い」 「LINE既読無視 辛い」 「メール LINE無視 心理」
というキーワードでブログにアクセスされる方が未だに多い実態からも、無視の苦しみを味わっている人間が、日常的に存在している様子が浮き彫りになります。
関係を切りたくなったら無視、面倒になったら無視、都合が悪くなったら無視の三拍子を突きつければ、遅かれ早かれ相手は離れて行くインスタントさと即効性があります。
一年ほど前のニュースで、若者の間でLINEの既読スルー(無視)をされると、殺意が芽生えると言う声が話題になりましたが、それほど無視は心に打撃を与えられるのです。
上記のまとめ記事以外でも、無視に対するネットの声を集約すると、
「無視されたくらいで殺意が芽生えたり、怒りが込み上げてくるのは筋違いだ。」
「無視されるような内容を送った自分に問題がある」
「相手には相手の事情があるし、そもそも連絡したら必ず返事が返ってこなければならないというのは、価値観の押しつけでエゴでしかない」
「大切なことはLINEでなくて、直接会って話せよ」
という見解が多数見受けられました。
そのような記事を目にすると、論破できないくらい正論のように見えて、
無視された自分側に原因があるし、いちいち無視されたくらいで重く受け取っているのは、
人として最低だという気持ちに陥るかもしれません。
その指摘は正論である場合も多いですが、一方で真に受けてしまうと、
自分を追いつめるほどの心的ストレスが膨張するリスクがあると私は危険視しています。
だから、私は以後「相手にも相手の事情があるから分かってやって」という言い方はしません。
仮に無視と言う行為が一回や二回だったら、そこまで思い詰める必要はないかもしれません(それでも十分辛いですが)。
文面が返しづらい内容だったのかもしれませんし、相手も忙しくて返せなかったのかもしれません。
または、デートの誘いや好意のアピールなどから温度差を感じて、応えられなかったのかもしれません。
メール無精で、メールが苦手な方もいますから、毎回の返信は常識ではないという場合もあります。
あるいは、サーバエラーで文面自体が届いていなかった可能性もゼロではありません。
間を空けて次に他の話題を振ってみて、完全にスルーされているわけではないのならば、
あなたとの関係を切りたくて意図的に無視したわけではないと言えます。
いずれにしても、相手が何らかの事情で無視を行ったとしても、あなたとの関係を維持したいならば、その後必ずフォローを行ってくるはずです。
無視された挙句に、相手からのそういった連絡すら来ないからこそ苦しんでいるのではないでしょうか。
いわゆる偶発的な無視ではなくて、あなたと連絡を交わしたくないと言う無視だからここまで辛いのです。
直接逢って誘えれば相手の反応もその場でわかりますし、そこまで悩む必要もありません。
しかし事情があって、LINEやメール中心でしかやり取りができない方も多数いらっしゃるでしょう。
他にも直接逢うと何事もなかったかのように自然に振る舞ってくれるものの、
いざ文字のやり取りになると、態度が一変して冷たくなるからそのギャップぶりに困惑されているのかもしれませんね。
相手が自分との進展を望んでいない。
そのために無視と言う無言の態度で意思を伝えている。
その現実を受け止めるのには相当の苦痛が伴います。
「無視されたのには理由がある、文面が悪かった、また時間が経って形を変えて送れば返ってくるだろう」
という希望的観測も、相手の次なる無視によってことごとく崩れます。
そこで自責の念に駆られて、胸の中で渦巻いている怒りの感情に無理やり蓋をして、
また相手に好かれるための作戦を練ろうと舵を切り替えてしまうと、後々になって心が破裂してしまいます。
ネットを見渡しても、LINEやメールで好感度を上げたり、返信率を向上させるテクニックの情報は溢れていますが、
そもそも無視をするような相手には、どれだけ文面に磨きをかけても効果は期待できないものです。
無視を貫いている段階で、あなたとの関係を遮断しようとしている。
相手はあなたからの好意のアピールは求めていない。
あなたと距離を置こうとしているのだから。
その事実を認めるためには、怒りの力が必要になるのです。
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