第290回「恋愛と結婚の価値観が異なりながら付き合うと」
※岡山県倉敷の美観地区にて
TAKA氏~実は俺彼女ができたんよ。
3年前、友人のO君は嬉々として私にこう告げました。
O君とは一年に一回だけ酒を酌み交わすような学生時代の同級生です。
聴けば、共通の趣味の集まりであるオフ会で知り合った6歳年下の女性だと言うのです。
ようやく俺にも春が来たとばかりに、満面の笑みを浮かべながら彼女とのツーショットを見せてくれました。
年齢差を感じられないくらいのお似合いのカップルが写っていました。
そしてあれほど幸せそうに笑っているO君は長らく見ていませんでした。
それから1年が経ち、再会したO君からは、彼女とのその後を聴かせてもらいました。
交際そのものは順調ですが、O君は1年前の笑顔が消えていたのが印象的でした。
どうやら、お互い恋愛に望む形がはっきり分かれていることが原因のようです。
O君は恋愛の先に結婚と考えて、すぐにでも子どもが欲しかったのですが、対して彼女は結婚願望はなくはないものの、子どもには全く興味がないそうです。
当時、O君は三十路になったばかりで、彼女はまだ20代前半だったので、O君の中では年齢の差による価値観の違いが要因だと感じていたそうです。
彼女も年齢を重ねれば恋愛の価値観が変わってくるであろうという希望的観測を持っていたようです。
更に1年が経ち、O君とはいつものように飲みの場で近況を教えてもらうわけですが、相変わらず彼女との交際は続いていたのでした。
けれども、O君は以前よりも不安が増長している様子でした。
かれこれ交際3年が経過しています。
なぜならば、彼女は今でも結婚願望と子どもを産みたいという意思が見られないからというものでした。
すぐにでも結婚をしたいO君としてみれば、別れたくはないけれども、将来を見据えられない関係にジレンマを覚えているようでした。
今更彼女には言えずに、塞ぎこんでいるのでした。
女性側の声で、彼からの結婚の意思を感じられずに、不安だというものを耳にしますが、O君のように、男性側でもこのように悩んでいる関係というものも存在するのです。
お互いに恋愛のニーズがはっきりと異なっている関係というものはいつかは破綻するものです。
O君の場合は、彼女に合わせて妥協するか、それとも彼女の考え方が変わって、ゴールインに至るかのいずれかでないと関係は持続しないでしょう。
O君の表情が年々曇っている様子を見ていると、他人事のようには思えません。
果たしてどのような道を辿るようになるのかを知るのは1年後です。
機会があれば後日談を追記するつもりです。
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