第326回「〝もう逢うことはないから嫌われてもいい”という最強のおまじない」
「おっさんレンタル」日記 西本貴信
嫌われてもいい。
この機を逃したら二度と逢うこともすれ違うこともないんだし。
このおまじないは、私がある行動を起こす直前におまじないのように心の中で唱えている一言です。
それは、初対面の人に話しかけるかどうか迷いで動けなくなった瞬間です。
初動の場面では、
「話しかけたことで迷惑がられたらどうしよう」
とか、
「そもそも相手にされないのではないか」
と、傷つくことを恐れて強制的にブレーキを踏んでしまいがちです。
だって、嫌われたり、避けたり、周りに白い目で見られるのなんて誰しも御免ですからね。
そして、
「今話しかけなくても、次のチャンスでいいや」
なんて具合に先延ばししてしまったことで、二度とお近づきになれる縁を逃してしまったなんて経験は一度や二度ではありません。
人と人との出逢いは一期一会なんですよね。
縁がなかったと自分を慰められればそれまでですが、実は自ら縁を逃してしまっていることに気付くかどうかでその先が大きく分かれてきます。
嫌われてもいい。
だってこの先もう逢うこともないんだろうから。
そう心でつぶやくと、一歩踏み出す勇気が湧いてくるものです。
旅先であったり、交流会であったり、イベントであったり、初対面の人で、
「この方と話してみたい、でも・・・・・・」
と好奇心と羞恥心で激しく心が揺れ動いた際に、
このチャンスを逃したらもう逢うことはないだろう。
そうツイートするんです。
ですが、
嫌われててもいい。
そう吹っ切れるまでには相当な葛藤があるものです。
誰だって好き好んで嫌われたくないし、傷つきたくない。
私もそう思いながら日々を過ごしています。
しかし、世の中には嫌われてもいいことを逆手にとって、活躍の幅を広げている人間も存在します。
例えば、「不細工」「ナルシスト」キャラを貫き通して反対に好感度を高めている芸人「NON STYLE」の井上さん。
マイナスからの恋愛革命 – スーパー・ポジティヴ・シンキング Chapter of Love – 井上裕介
嫌われることを積極的に始めたら人気が上がって、モテ始めたという逆転の発想です。
「依頼者とは人生で一度しか会うことがないだろうと思うと、嫌われてもいい」
お次は冒頭で紹介した『「おっさんレンタル」日記』の著書西本貴信さんの言葉です。
西本さんは2012年から1時間1000円で自分をレンタルするという画期的なサービスを展開されています。
実際にはお相手の話を聴く(主に人生相談)という内容が最も多いようです。
2年半で1600件以上のレンタルオーダーを受けるほどの人気ぶりで、利用者の全てがまさに一生に一度きりの出逢いなわけです。
西本さんは一人一人に対して、「少しでもお役に立ちたい」という情熱を持って接しておられるようです。
そう覚悟を決めていることで、自然体の自分で相手と向き合うことが出来て、満足度も高いようです。
実は私が通話カウンセリングやオフ会に本腰を入れ始めたきっかけの一つも2012年に西本さんの取り組みをメディアで知ってからでした。
当時このような新しい取り組みは構想段階にあったものの、「もしも相手に不快な思いをさせて嫌われてしまったらどうしよう」という不安を払しょくして、後押ししてもらったものです。
実際に始めてみたら想像していた不安は杞憂に終わりました。
そして、文字上だけでは築けない貴重な出逢いに恵まれるようになったのです。
嫌われてもいい。
もう逢うこともないんだから。
そう思うとふっと楽になる。
そうして勇気を出して動き始めた後には人生に彩を与えてくれる出逢いが待っていることもあるのです。
いざという場面でこのつぶやきをリツイートして、一歩踏み出すきっかけに使ってもらえれば幸いです。
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