第208回「真面目で一途な人間は不利なのか」

2015年12月1日上手くいかない恋愛関係


通話カウンセリングを始めてから2年が経ち、100回以上の実践を重ねる中で強く感じていることがあります。

それは、恋愛や人間関係に上手くいかずに悩んでいる方の大半が真面目で思いやりがあって、責任感が強い人柄であることです。

片思いをして3年以上、他の異性には脇目もくれず、一途に想い続けていらっしゃる方は一人や二人ではありません。


これだけ長年好きになれたから、他に好きな人なんてできるわけがない。

告白も数回しているけれども、諦められない。

出会いの場には積極的に足を運んでいて、交際に進展するれけども、合わなくて長続きしない。


十人十色の恋路をうかがっていると、一人一人が本当に恋愛に対して真剣で、その想いの強さに胸を打たれています。

しかしながら、それだけ一途になっても、相手が気持ちに応えてくれることはなく、期待と絶望のはざまに心身ともに疲れ果ててしまっているのです。

本気で好きになった方が負けと揶揄されることがありますが、確かに私の経験上からも、一途に一人の異性を追い続ける人ほど、成就せずに、「諦める」「諦めない」の2択に苦しみ続ける道を歩むようになる可能性が高くなると分析できます。

いざ好きになった異性は、自分とは対照的に浮気を平気で繰り返すような男性を好きになっていたり、相手からほったらかしにされている話などを聴くと、何とも言えない感情で胸が締め付けられるものです。

真面目な人間はなんて損なんだ。

好きな人は前を向いて進んでいるのに、自分だけもう1年以上も心の時計が止まっている。

こんな自分が嫌で嫌で仕方がない。

自己卑下と自己嫌悪の感情で明日を見失っている方の声を数えきれないくらい耳にしてきました。

哀しいかな、恋愛においては、一途で真面目な不利だと評価されているものです。

一途な人間は、見方を変えれば、相手への執着心、依存心、期待感が人一番高いとも言われています。

そう聞くとマイナスなイメージが強くなりますが、私から見れば根の部分として母性や愛情がとても深い人間なのです。

それ故に、仕事面ではその真面目な人柄が高く評価されていたり、人望も厚く、好きな人からも信頼を寄せられているという話も共通しています。

こと恋愛になると、一途ではなくて、興味の対象を分散しているような人間、本気で向き合わずに返って適当に振る舞っているような人間が得をすると言われています。

例えばホストのような人間の方が圧倒的に異性にモテているし、女性を虜にしている実態が分かります。

自分はなんて魅力がなくてダメな奴なんだろう。

追いつめられた挙句に、自分は恋愛に不器用で、あまりにも上手くいかないことの連続で、恋愛をする資格がないと投げやりになってしまうお気持ちも痛感します。

そんな自分に自信がなくて、諦めることが出来ずに明日を見失っている方々に対して、私は「それでもそんなあなたが素敵なんです。諦めるも諦めないもどちらを選んでも正解です」と唱え続けています。

そう言うと、「こんな自分が情けなくて、魅力がないから恋愛がうまくいかないんですよ!」と反感を喰らいそうですが、実は今のところ十中八九そのようなリアクションが返ってきたことはありません。

私は心の底からそう思っているから伝え続けています。

私自身が周囲から真面目すぎると評されていて、ことごとく恋愛で上手くいかずに玉砕してきた経験の蓄積があるからこそ強調している部分もありますが、実際に一人一人の話に耳を傾けていて、本当に素晴らしい思いやりの精神を持っている方々だとしみじみと感じているからこそ素直に口に出せているのです。

あなたのこんなところが魅力なんですよ。

何度か伝えていると、みなさん照れくさそうにも認めてくれて、実はそんな自分が好きであると口にしてくださる方もいます。

そうなんです。

一途で真面目であるということはストーカー行為に結びつく危険性があるだなんて散々な見方をしてくる少数派の人間もいますが、そういう相手のことを何より尊重しているみなさんだからこそ、相手を苦しませるような選択はとりませんし、そんな自分に誇りを持っているところもあるのです。

仮にホストの生き方を丸ごと真似てみるようなやり方をとっても、大切な個性が潰れてしまい、ますます虚しさと苦しみが募るでしょう。

心理学や恋愛本などを読んで研究することは大いにプラスになりますが、自分とは正反対のタイプの人間をコピーしようとしても、無理がたたるだけでしょう。

自分に自信を持つこと。

そこから再生の道が開かれると私は信じています。

前回のコラムでも触れましたが、そもそも恋愛は上手くいかないことの方が当たり前なのだと思います。

私も10人にアプローチしたとして、その中の一人がデートに応じてくれたり、自分を好いてくれれば大成功という考えのもと行動していますし、その過程で傷つくことはつきもの=運命だと心に刻んでいます。

恋愛にはタイミングの要素も重要になってきますから、今が上手くいかなくても、半年後は分かりません。

諦める、諦めないのどちらを選んでも絶対的な正解が存在しないからこそ、どんな時も主人公である自分が自由にコーディネートして良いものなのです。

どれだけ上手くいかないとしても、最終的に一人の異性に気に入ってもらえて、幸せな家庭を築ければ報われるのです。

その穏やかな世界には、一途で真面目なその人柄が欠かせない要素になるでしょう。

遅かれ早かれ自分の可能性を諦めない限りは、たどり着くのです。

これからも変わらず私もそう訴えていきます。

2015年12月1日

Posted by TAKA