第169回「脈なし感を覚えたらもう追わない」
こちらからお誘いをかけているのに、いつも都合が悪いと断られる。
何度告白をしても受け入れてはもらえない。
そもそもメールを送っても返事がこない。
みなさんもこのような体験を一度や二度経験しているのではないでしょうか。
もうこれ以上追いかけても成就する見込みはない気がする。
心の何処かで身を引くべきサインを感じ取っていても、実際に行動に移すことは容易くないないかもしれません。
これまで続けてきた一つの道を変更するのには、英断が求められるものです。
ここで去ったら、今まで努力してきたあの蓄積は何だったのか。
あと少しだけ頑張れば、相手の反応が変わるかもしれない。
未練のような念が拭えないからこそ、立ち退く行為を決断できないのかもしれないですね。
もう少しだけアプローチしてみたい気持ちが勝るのならば、ぜひそうしてみてください。
自分の中で納得のいくまで突き進んでみるやり方を、私は基本的に推奨しています。
ただ、ここで敢えて後退する選択も、私は十分に意義があると思っています。
すでにみなさんが感じ取っているように、ここらが潮時なのかもしれません。
相手からの「興味ないですサイン」を痛感している今、現実を受け入れるのには相当な苦痛が伴いますが、ここで一歩自分から身を引いた方が状況が好転する可能性が高くなるのです。
まず、相手への心象がこれ以上悪くならないことがメリットの一つでもあります。
これ以上相手を追い続ければ、嫌悪感や恐怖感が募って、拒絶反応が高まってしまう危険性が考えられます。
自分はこれだけ相手のことを思っているのに。熱意がどうして伝わらないんだ。
受け入れてくれない相手に対して、納得がいかない感情に支配されているかもしれません。
残念ながら、他人の気持ちというものは本当に思い通りにならないのです。
どれだけ相手を想っても、相手が必要としてくれて、好意的に受け取ってくれるとは限らないのです。
分かっている。
みなさんの混沌とした感情が私には痛いほど伝わってきます。
今の状況は絶望ではありません。
ここで距離を開いてみることで、今まで見えなかった新しい視野が広がってくるからです。
独りになってみて初めて、目の前の異性が全てではないことに気が付くかもしれません。
欽ちゃんこと、萩本欽一さん著の『ダメなときほど運はたまる ~だれでも「運のいい人」になれる50のヒント~ (廣済堂新書)』
の冒頭に、「不運なときに運は芽生える」「失敗は運の定期預金」といったメッセージが書かれています。
不運が続いている人には、きっと大きな運が待っている。人生は、運と不運が交互にやってきて、最後は五分五分でチャラになる。
何度も何度も失敗していると、いつかそれに利子がついていい運につながる。
他でもない欽ちゃん自身の半生を振り返ってみて、こう投げかけています。
まさにその通りだと思います。
私自身も失敗の連続の人生だからこそ、そう言えます。
ですが、失敗の後には必ずチャンスが巡ってくるのです。
大失恋の後、「もう二度と恋愛には縁がないんだ」といじけぬいた時期もありましたが、その先に新しい出逢いが待ってきました。
今まさにこういうコラムを書いているのも、失敗の蓄積のおかげだと感じています。
もしも諦める選択に踏み切れないとしたら。
早い段階から見切って方向転換をすることは、屈辱ではありません。
自分に本当に合った異性を探すために、聡明な選択と言えるのです。
何しろ時間は無限ではなく、良きパートナーを模索できる時間は限られていますから。
難しい決断を選んだ先には、必ずと言っていいほどご褒美が待っていますよ。
何かを失った後には新しいチャンスが到来します。
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