第250回「追いかける恋愛をリタイアして、自分を愛してくれる人間を大切にする」

2015年11月30日上手くいかない恋愛関係

なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか (文庫ぎんが堂)  二村ヒトシ著


負の恋愛のスパイラルから脱却するためには、自分を責めずに自分を許すこと。

前回のコラムでは自分を愛することの大切さを説きました。

そして、250回目となる今回のコラムでは、自分を愛することの具体性を、更にひも解いて行きたいと思います。


上手くいかない恋愛を繰り返してきたこれまでを振り返った時、恐らく自分から追ってばかりの恋愛だったのではないでしょうか。

追えば追うほど相手は離れて行くし、駆け引きのように一旦離れても、決して相手がなびいてくれることはなかったのかもしれません。

そうして追いつめられたあなたは、告白や別れと言う究極の選択を迫って、相手の関心を一気に引き寄せようという試みを働いたのではないでしょうか。

相手はそれでも改心してくれることがなく、自己嫌悪が重なる形になってしまったのではないでしょうか。

追えば追うほど焦りが募っていって、相手との関係もヒビが生じてくるものなのです。

なぜならば、一方通行の恋愛は限界が訪れるからです。

追いかける恋愛に疲れ果てていたとしたら、人生を軌道修正するために必要なのはたった一つです。

それは、自分から追いかけることをやめることです。


頭では分かっていても、いざ行動に移すとなるとこれほど難しいことはないでしょう。

でも、あなたはそれでもわかっているはずです。

この悪循環から脱出するためには、それまでとは違う道を選ばなければならないことを。

変わることが怖いし、どう変われば良いのか分からないという思いがあったら、どうか最後までコラムに目を通していただきたいです。

愛され体質になるためになるのは特別な才能や努力が必要なわけではありません。

自分を必要としてくれる人、大切にしてくれる人を愛すれば良いのです。

そうすれば今までのように一方通行の恋愛に悩み続けることはなくなるのです。

こう言うと、次のような反論をしたくなる方がいらっしゃるかもしれません。

自分は自分のことを好きになってくれる人に興味を持てないし、好きになれない。

もしかしたら、好きな人を忘れるために自分に好意を寄せてくれた異性と付き合ってみたけれども、ますます片思いの相手への想いが強くなって、罪悪感から別れてしまった。

このような過去を持っている方もいらっしゃるかもしれません。

深層心理ではまだ過去の恋愛と割り切れていない状態で新しい異性と付き合ってしまうと、そのようなジレンマを経験することは少なくはありません。

それは、相性やタイミングの問題も絡んでいますから、

「たまたまその時はそうだったんですね」と言わざるを得ません。

しかし、私がお聴きしたいのは、自分を好きになってくれた人と本気で向き合おうとしたかどうかです。

その問いに対して、自信を持ってYESと答えられるならば、私からは何も言いません。

そのお相手とはご縁がなかったのでしょう。

ただ、もしも心に引っかかるものがあったとしたら、その背景には、「自分が人から好かれて幸せになるのが怖い」という防衛本能が働いているのかもしれません。

本気で自分を好きになってくれる人と向き合って信じて、裏切られるのが怖い。

本当の自分を見せたら、急に嫌われてしまうのではないか。

だったら、最初から適当な態度を取って、距離を持って接した方が傷つくことはないという心の動きがあるのかもしれないのです。

好意を持たれると避けたくなるという心理には、

「自分に自信がないから、他人と向き合うのが怖い」

「愛された経験がないから自分をどう出して良いかわからない」

という偽りのない自分が表出している場合があるのです。

そんな自分を気に入ってくれている人間が身近にいるのならば、自分を変えられるチャンスでもあるのです。

たとえ相手が異性でないとしても、両親や同僚、友人など、あなたを慕ってくれている人間が一人はいるでしょう。

自分のことでいっぱいいっぱいになっている時こそ、感謝の意を示して欲しいのです。

特別な振る舞いは必要ありません。

「ありがとう」

その一言を発するだけで、あなたも相手も心が温かくなるのです。

そういう感謝の気持ちを常に配っていると、人はおのずと感謝を返したくなります。

あなたを支えてくれるわけですから愛され体質になりますし、結果として自己肯定感が高まって行きます。

そうしてこんな自分でも愛される人間なんだという自信が固まって行ったら、心にしまいこんでいたもう一人の自分を少しずつオープンにして行けるようになるのです。

その方が楽だから、脳がそういう行動を選ぶようになれるのです。

私は相談援助活動を続けていて、心を裸にしてむき出してくださる方々や、感謝の気持ちを示してくださる方には、心からありがたいと感じています。

ありのままの自分を出すのは相当な勇気が必要ですが、あなたが心から向き合ってくれることで、ますます心の絆が深くなる人間もいるのです。

弱い面、汚い面、ずるがしこい面、不安定な面、そういうドロドロとした表情を持っているのが人間ですし、そういう一面を見せても引かずに愛してくれるのが良縁です。

あなたが自分を解放できた暁には、ソウルメイトと呼ばれるような深い心のつながりに結びつく縁に辿りつくこともあるのです。

愛は追いかけなくとも、必要なタイミングであるべき相手から、引き寄せのようにあなたのもとにやってきます。

あなたが本気で変わりたいと思っていたら、ぜひあなたを大切にしてくれている人間に対して感謝と愛を配り続ける道をオススメします。

2015年11月30日

Posted by TAKA