第238回「甘え方や頼り方が分からずに、自分一人で抱えてしまう人へ」

2015年12月1日上手くいかない人生

ここ数日は、逆境に屈することなく、自己実現を果たしてきた先人や現在も精力的に活動をしている第一人者の半生を紹介してきました。

自分を支援してくれる理解者や応援してくれる者とのつながりが再生のポイントでした。

苦しい時、辛い時にそっと自分の傍に寄り添ってくれて、愚痴を聴いてくれる存在というものはかけがえのないものですよね。

ストレスが至る場面で溜まりやすい現代社会だからこそ、自分一人で抱え込まずに、SOSのサインを第三者に発信できる力が求められていると感じています。


一方、世の中ではこのようなことをひそかに悩んでいる人間が増えています。

人に頼り方が分からない。

人に甘え方が分からない。

誰にも言えずに悶々と悩み続けて、自分一人で解決しようと頑張りすぎて、心がパンパンになっている人間が確かにいるのです。

もう一人では抱え込めない。

もう限界だ。

大抵の場合は、極限状態まで追いつめられていて、緊張の糸が切れた瞬間に、胸の内を吐露されるのです。

どうして、そこまで我慢に我慢を重ねていたかというと、

人に頼ることは、甘えだし、

悩みの根本というものは自分で答えを出さなければならないわけだから、

誰かに相談すること自体が意味がないことだし、迷惑である。

という固定観念を持っているのです。

ずっと頼られてきた半生を送ってきた人間ほど、誰かに救いを求めることは良くないと思い込んでいらっしゃるのです。

これだけ頑張らなければならない競争社会で生き抜いて行く上では、他者に本音を見せるのは不利になってしまうという考えの方も少なくはないようです。

家庭では良い妻や面倒見の良い姉を演じながら、会社では一人で何件もの責任重大な案件を抱えていて、ミスを起こさないように神経を尖らせながら生活を過ごしていれば、心の疲弊は募る一方です。

もっと頑張らなければやっていけない。

弱音を吐いたら社会人として、母親として負けだ。

だって、他のみんなは愚痴ひとつ漏らさずに頑張っているんだから。

でも、もういい加減に自分ではどうすることもできない。

助けて・・・・・・。


私はその一部始終の事情をうかがった瞬間に、

「よく今まで一人で頑張り続けてきました」

という労いの気持ちが湧きますが、

それ以上に、

話を聴かせてくれてありがとう」という気持ちになります。


その思いを共有した以上、もう一人ではないからです。

特に男性の立場からすると、女性に甘えられたり、頼られるのは嬉しいものです。

それもずっと今まで誰にも話せなかったけれども、自分を信じて話してくれたという状況ならば、感動すら覚えて、そこから好意が芽生えるというケースも少なくはありません。

男性によっては、意外性という魅力にも映るのです。

私は他者の相談を受ける身ですが、一人の悩み多い男性でもあります。

そして、自分自身もストレスを感じやすい特徴があると自覚しています。

そんな時は、信頼できる人間に弱音やぼやきを吐露して助けてもらっています。

こうして気持ちが落ち着いて、また明日への活力が取り戻せるのです。


これからますますストレス過多の時代が到来すると予想していますし、精神を病みやすい社会情勢が加速することでしょう。

だからこそ、いかに一人で抱え込まずに、誰かにSOSを発信できる力があるかどうかが、生き抜いて行ける重大なポイントになってくるでしょう。


中にはそんな人が身近に誰もいなからこそ、仮面を被りながら裏ではいつも泣いている方もいらっしゃるでしょう。

そこで有効活用できるのがインターネットの世界です。

返って自分を知らない第三者だからこそ、利害関係なしに本音を吐露しやすいというメリットがあります。

もしかしたら、場所によっては心無いアドバイスや批判を受けるかもしれませんが、例えばプロのカウンセラーや傾聴ボランティアを利用するなどすれば、そのようなリスクも避けられます。

私も一人のカウンセラーとして、メールや通話で苦しみを抱えている方のサポートを24時間受け付けています。

どうか、心のSOSのサインに目を背けずに、頑張りすぎないで誰かを頼ってみてください。

感情を表に出せば、あなたを支えてくれる誰かの眼に留まります。

あなたが心を開けば運命が変わり始めます。

2015年12月1日

Posted by TAKA