第246回「相手が恋人と上手くいっていないのになぜ自分の熱意が伝わらないのか」

2015年11月30日上手くいかない片思い


自分だったら絶対相手の恋人よりも幸せにしてあげられるし、上手くやれるのに。

好きな人が付き合っている恋人と上手くいっていない恋模様を見聞きする度に、そう強く感じることはないでしょうか。

彼氏・彼女がいる人を好きになったことがある人間ならば遭遇してことがある経験だと思います。

自分の方が幸せにしてあげられるし、その熱意を伝えているのになぜ届かないのか

という疑問が拭えない方のために、その背景に着目しました。


まず初めに、例外について触れておきます。


相手が恋人と別れたいと強く願っていて、あなたの好意にも応えるつもりがあって、

あなたの本気度を試してそのような相談を持ちかけている場合です。


こんな場合は何度も熱意を伝えることで、相手が自分のもとにやってきてくれる可能性が高いです。

そのような状況を肌で感じていれば、まずこのコラムに目を通していることはないとは思いますが、一応前置きしておきます。

片思いの相手が恋人と上手くいっていない話を聴かされると、ますます想いは強くなって、付き合いたいという欲求が加速するものです。

手を伸ばせばすぐつかめるような状況のように思えますが、

そこで想いを伝えたところで、相手が恋人と別れて自分のもとにやってきてくれるというケースは少ないものです。

その恋人が浮気をするような人間であったり、ほったらかしにしているような非情な態度を取っているような人間性であっても、

意中の異性は、好きだからこそ別れたくないし、別れたくないという情が芽生えているのですよね。

その心情をよそに、

自分がどれだけ心配していて、好きな想いがあるのかをアピールしたり、

相手の恋人を批判して目を覚まそうとしても、逆効果になってしまうものです。

「ロミオとジュリエット効果」のように、相手と恋人との仲を否定すればするほど、恋心が燃え上がってしまうという末路を辿るものなのです。

なぜならば相手はそのようなあなたの自己PRの言葉や評論を求めていないからです。

そもそもあなたに話す前に、既に仲の良い友人等複数にも相談していて、「そんな恋人はやめておきなよ」というアドバイスをもらっている可能性が高いものです。

ここでまた同じような忠告をされることで、「この人もやっぱり分かってもらえないのか」と、引いて行ってしまうかもしれません。

相手が必要としているのは、あなたの愛情の強さをアピールしたり、恋人への批判ではなくて、

自分の辛い気持ちをわかって欲しいという共感です。

だから、このタイミングでの熱意は押し売りのように捉えられてしまうリスクが伴うのです。

恋人と別れてあなたを選ぶという生き方は、相当な心理的負担なのです。

そして、幸せかどうかを決めるのは他でもない相手なのです。

自分の存在をアピールするならば、メッシモードに切り替えることを推奨します。

メッシと言うと、世界最高峰のサッカー選手であるアルゼンチンのメッシ選手を想像される方もいらっしゃるでしょうが、そうではありません。

自分の私利私欲を抑えるという意味の滅私です。

自分なら相手を幸せにできるという意気込みは私も経験しているのでよく分かりますが、

相手が恋人に傾注しているシチュエーションでは、一方的なエゴだと捉えられてしまうものです。

恋愛がうまくいかない時に共通しているのは、このエゴが肥大化する時です。

良好な人間関係を構築できる秘訣で、

俺が俺がの我を捨てて、おかげおかげの下で生きよ

という言葉があるように、相手が窮地に陥っている時だからこそ、自分の感情は二の次にしてみてください。

言葉で好意を伝えなくても、そういう真摯な態度は相手の心に伝わっているものですから。

自分の好意をアピールせずに、相手の辛さや孤独感を汲み取ってあげる態度によって、あなたの存在が際立つのです。

2015年11月30日

Posted by TAKA