第168回「恋人がいない孤独感をマクロな視点から眺めてみる」

2015年12月1日失恋した心に贈る


いい年して彼女がいない。

せっかく好きになって告白したのに、振られてばかり。

20代になってから、周りの人間は次々と結婚していくのに、独身の自分って一体・・・・・・。

10年間相談活動を続けてきて、このような悲痛な声が止んだことはありませんでした。

周りの人間は恋人や伴侶がいるのに、自分はその資格すらない。

魅力も経験もない自分は、どれだけ人生を損をしているのだろうか。

10代、20代だけではなくて、30代、40代の方から聴こえることもあります。

もしかして、今まさにこのコラムをご覧のみなさんも、

自分も同類だよ。

と感じられたかもしれません。

今回はこれまでと違って、統計データをもとに綴っています。

その孤独感に震えているのはみなさん一人だけではないということを知っていただければ嬉しいです。

そう、恋人がいないことを「恥」として、「負け組」というカテゴリーに当てはめながら、明日を思い悩んでいる方はあなた様だけではないのです。

こういうと、

「だって自分の周りは恋人持ち、既婚者ばかりで、こんなみじめな人間は自分だけだよ」

このように暗い気持ちで反駁したくなる方もいらっしゃるかもしれせん。

今回は、恋愛・結婚事情を統計データをもとに解説します。

まず、婚姻率についてです。

2000年の約80万組をピークに、2011年では66万2000組に減少しています。

婚姻率とは、人口1,000人に対する1年間の婚姻数です。

婚姻数はその国の手続に基づく正式な婚姻届出の数で、再婚数を含みます。 

総務省発表の世界主要国における婚姻率のランキングを見たところ、婚姻率世界一はアンティグア・バーブーダで21.7%でした。

そして、セーシェル、タジキスタンと続きます。

日本の婚姻率は5.5%となっていて、世界で34位に位置しています。

アメリカは6.8%で21位、韓国は6.2%で24位になります。

 

次に、男女間の交際実態についてのリサーチ結果です。

リクルートブライダル総研が2013年3月18日~3月19日の2日間で、20~49歳までの未婚(結婚経験がない)男女(2352人)に調査を行いました。

「現在付き合っている恋人がいますか?」

という質問に対して、

現在付き合っている人がいる

 
と答えた割合は27.5%という結果になったそうです。

これが事実だとすれば、残りの70%以上の人は恋人がいないということになります。

さらに「いない」の内訳をみると、

付き合ったことはある42.9%

異性と付き合ったことがない29.6%
 
になりました。


二十歳を超えているのに恋愛経験がないことを悩んでいる方のお悩みをしばしば受けますが、このデータによれば、「いない」を選んだ約30%の男女が交際経験がないという実態があるのです。

また、2013年8月26日付の読売新聞ニュースで、「交際相手いない若者、男性6割・女性5割」という見出しの記事がありました。

「若者の意識を探る」というサブタイトルで、結婚や出産・子育て仕事に関する若者の意識などを分析した厚生労働白書案の一部が紹介されていました。

結婚についての意識として、下記のような内容です(引用)。

国立社会保障・人口問題研究所の調査(2010年)などで、

〈1〉18~39歳の未婚者の9割弱が結婚願望を抱いている。

〈2〉異性の交際相手も友人もいない割合は男性で約6割、女性で約5割に上っている――との結果になったことなどを踏まえ、白書案で「結婚相手の候補となりうる交際相手がいる若者は限定的」と指摘した。


国が行った調査実態から見ても、男女5割以上が異性の交際相手や友人がいないという結果が出ています。


みなさんの置かれている環境下では恋人・既婚者が多数を占めているかもしれませんが、世の中全体から見ればこのような結果が示されているのです。

その上でもしかしたら、

「恋人がいないのは自分だけじゃないということはわかった。でも、恋人が欲しくても、出会いがないんだよ」

と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

2011年にブライダル総研が、適齢期の独身男女(2478人)に対して、

日常的に話をするような異性との出会いがありますか?

と尋ねたところ「出会いがある」と答えた男性は16.6%、「出会いがない」55.7%。

女性で「出会いがある」と答えたのは19.7%、「出会いがない」が57.6%だったそうです。

男女ともに半数以上の人が「異性との出会いがない」と答えている様子をみると、同じような思いを抱えている方は少なくはないようです。

日本の総人口は1億2千万以上。

世界全体では70億もの人類が存在します。

これを細かく数字にすると、日本だけでも120000000人、世界では7000000000人という数の人間がいるわけです。

これだけの数の男女が地球上で活動しているのですから、出逢いのきっかけをつかめるかどうかはみなさん自身の意識と行動力にかかってきます。

2013年のブライダル総研のデータ結果では、恋人がいる男女の10人に1人以上はインターネットがきっかけで恋人を見つけているそうです。

社内恋愛や合コンに参加しなければ出逢いにこぎつけないというわけでもないことが伝わってきます。

角度を変えてみれば、これまで見えなかったような新しい発見があるかもしれません。

みなさんと同じように出逢いを求めている人間は必ず存在します。

広い視野である「マクロ」の視点と、細かい見方である「ミクロ」の視点を使い分けながら良縁を探し続けてみませんか。

2015年12月1日

Posted by TAKA