第58回「 恋人どころか友達もいない孤独な人生に嫌気がさしていたら」 

2015年12月3日上手くいかない人生


みなさんが孤独を感じる瞬間ってどんな時でしょうか。
 
今回のテーマに深く関係しているので、ここでちょっと思い描いてみていただけませんか。


街で手をつないで歩いている幸せそうなカップルを目にした時。
観光地やショッピングを独り歩きしている時。
目の前を仲が良さそうなグループで行動しているのを目にした時。
クリスマス、バレンタインデーなどの恋人達のために用意されたようなイベントに突入した時。
 
今まで仲が良かった友達に恋人が出来て、それ以来交流が途絶えてしまった。
今まで仲が良かった友達に他の友達が出来て、それ以来ギクシャクしてしまった。
大学卒業後に、今まで仲が良かったがみんな就職し、時間が合わなくなってしまい、音信不通になってしまった。
 

これはあくまでも私が孤独を意識する場面の一例ですが、みなさんはいかがだったでしょうか。

そうやって、「自分はこんな時、独りぼっちで寂しい」と思える場面を冷静に比較してみると、ある共通点に気付きます。

孤独を覚える瞬間というのは、周りの人間との比較によって生じていないでしょうか。


あの人は自分よりもかっこいい、可愛い。
あの人は自分よりも異性にモテる。
あの人は自分よりも頭が良い。
あの人は自分よりも友達が多い。
あの人は自分よりも学歴が高い。
あの人は自分よりも高収入だ。
 

という比較の他、もっと具体的なケースでは、自分は今独りぼっちなのに、あいつは可愛い彼女、かっこいい彼氏と一緒であんなに楽しそうにしている。

自分はメールをする相手すらいないのに、あいつは毎日たくさんの友達とメールを何通もやりとりしている。
 
このような「相手が自分よりも優れている」「自分の方が劣等感を覚える」場合、そこから生じる負の感情から、孤独を覚えるきっかけが多くないでしょうか。


もちろん、独りで部屋にいる時、誰とも関わりを持たずに独りで過ごしている場面でふと、

「自分って、すごく孤独だな~」

と、しみじみ感じることもあるでしょうが、心に強く孤独感が芽生える時って、一歩外に出たりして、自分以外の他者と接した時、他者と自分を比較した時ではないでしょうか。
 
人は生きて行く上で、無意識的にでも、他者との比較を繰り返していますよね。

でも、周囲の人間と比較を重ねすぎると、だんだん相手を忌み嫌うようになり、孤独を自ら作りだしてしまう原因にも繋がります。

私が「あの人は、嫌いだ、苦手だ」と感じるようになった相手は共通して、外見や言動から、自分との違いを比較することによって、勝手に苦手感情を作りだしてしまい、避けるようになっていました。

相手の中にある、自分にはない部分と、自分にも同じところがあって、認めたくはない部分を感じ取ると、嫌悪感が生じていました。

他者との比較によって、自分から壁を作ってしまい、孤独のスパイラルに陥ってしまったら、悲しいですよね。

自分は自分、相手の良いところだけに目を向けるようにしよう。

円滑な人間関係を営むために、必要な術だと、多くの人々はこう言いますが、自信喪失していて、物事が上手く進んでいない時は、言われた通りにそう簡単に気持ちを切り替えることはできないでしょう。


さて、ここで今回のコラムのタイトルに戻りますが、もしみなさんが恋人どころか、友達と呼べる人間すらいなくて、どうしようもない孤独を感じている最中だとしたら、みなさんは孤独から脱出するために、一刻も早く恋人もしくは友達が欲しいと感じていませんでしょうか。

または、もしかしたら、「友達すらいない自分に、恋人ができるはずがない」と、決めつけてはいませんか。
 
私は休日になると、独りで過ごしたりすることがあって、新宿や池袋などの街に独りぶらついていることが多いのですが、周囲を見渡すと、実に楽しそうにたむろしている若者達の姿が次々と目に入ってきます。

どこに行ってもそんな人間がたくさんいて「自分ってなんて孤独な人間なんだろう」と痛感させられることもしばしばあります。
 
独りでいるよりも、恋人や友人達と一緒に過ごしている方がどれだけ楽しいのだろうか、と弱気になる瞬間も多々あります。

でも、恋人がいるからといって、友達がたくさんいるからといって孤独が癒されるのかと冷静に考えると、そうではない自分がいます。


集団の中での孤独というのも確かに存在します。

大学時代、テニスサークルに所属していた自分は、毎夜サークルの飲み会や、グループメンバーの会合に集まって集団の中に身を投じていましたが、孤独感は拭いさるどころか、ますます募っていく一方でした。

それらの経験から孤独はどこにいても一生つきまとうことに気づきました。

孤独からは逃げ去ることはできないのではないでしょうか。

今では、孤独とは切っても切り離せないものとして、向き合っていかなければならない宿命みたいなものを感じています。
 
 
孤独の連続ですっかり意気消沈していたとしても、希望の光は一寸先に差しています。

恋人や友人が出来ないのは、そういった気が合う人間と未だ巡り合えていないだけなのです。

あなたさえ、求めて行動する勇気があれば、極端な話明日にだってそういう人間に出会うことができるかもしれませんよ。

出会いはどこに転がっているかはわかりません。

縁は待っていても手に入るものではありません。

場数を踏んで、行動することでしか掴み取れないのです。

また、確かに街中には幸せそうなカップルや仲良しグループがたくさんいるかもしれません。

しかし、目線を変えれば、うつむいたまま独りで街を歩いている男女や、ため息をついてげっそりと肩を落として佇んでいる男女も同じくらいたくさんいることに気付きます。


孤独な人間は世の中にたくさんいるのです。

そして、今のままの自分を受け入れてくれる存在が必ずいます。

私は3度大学に進学した異色の経歴があるのですが、1度目の大学生活での失敗から、2度目の大学生活では、飾ることのない等身大の自分を大切にしていたところ、今でも関係が続いている友人と巡り合うことができました。

孤独があるからこそ出会いは生まれるのです。

友達がいないからこそ、恋人がいないからこそ、新しい出会いに巡り合えるチャンスなのです。

現状に満足していたら、新しい縁はつながりません。

ありのままの自分を受け入れてくれる人、環境は必ずあります。

道に迷ったら、私に話を聴かせてください。

そして素敵な出会いがあったら、ぜひ私に話を聴かせてください。
 
あなたを必要としている存在が、何処かで今か今かとあなたと出会うことを楽しみにしています。

2015年12月3日

Posted by TAKA